18 / 42
第一章 小麦姫と熊隊長の青春
16 理想のダーリン
しおりを挟む
ビアータは、学園の1年生夏休み、ここに戻って来て、嬉しそうに『理想のダーリン』の話をした。それを聞いたみんなは、『ビアータが王都で一目惚れしたステキな王子様』を想像していたし、ビアータのいないところで、どんなにステキな人だろうと話していたのだ。
それなのに、3年生になる春休みに、ビアータが連れてきたのは『優しい熊さん』だったのだから、みんながザワザワとするわけだ。唯一、知っていたルーデジオは、みんなの態度に笑いが、止まらなかったのは内緒だ。
しかし、誰もビアータに、否定的なことを口走る者は、子供たちでさえ、いなかった。
そんな騒ぎを知らないアルフレードは、すぐに見た目のままの『優しい熊さん』を発揮し、みるみるうちに、みんなを虜にしていった。1週間もしないうちに誰もが、アルフレードが『理想のダーリン』であることを認めていた。そして、誰もが『いつか領主様に』と思い始めていた。
そんなアルフレードとビアータの婚約話は、みんなが喜んだ。今更と思わないわけではないが…………。
〰️
その夜、アルフレードとコルネリオとファブリノは、それぞれ報告をした。
「ビアータには、ファブリノに言われたのかって。ハハハ、バレバレだった。でも、婚約ってはっきりできたのはよかったよ。リノ、ありがとうなっ!」
アルフレードは、二人に肩を『バシバシ』と叩かれて、痛い祝福を受けた。
ファブリノとコルネリオは、昼間のリリアーナさん事件をアルフレードに報告した。アルフレードは、女の子たちのおませな行動に、大笑いしていた。
〰️
一方、ビアータの部屋には、サンドラとリリアーナがいた。リリアーナも二人に昼間の話を報告した。
「へぇ!リノって、人に言うだけのことあるのね」
アルフレードがファブリノの一言で今日のプロポーズになったことをよくわかっているビアータは、口だけじゃなかったファブリノに正直に感心した。
「それより、ビアータ、あなた、今までアルとどうなってたの?手紙では、うまくいってるって書いてあったじゃないの」
サンドラは、逆に夕食時の報告が不思議でならなかったのだ。
「うん。うまく行き過ぎて、何も言わなくもいいかなって関係になってたの」
ビアータは、アルフレードとまるで同じ意見だった。
「サンドラさん、それは本当です。ビアータさんとアルさんは、誰が見ても恋人でしたよ。なので、今日の発表は、恋人宣言ではなく、結婚宣言だとみんな思っていますよ」
「なるほどね。それより、リリアーナさん、年上なんですから、私に『さん』付けは、やめてくださいよ」
「無理ですわ。お嬢様のことをお名前呼びするのも心苦しいのに、お嬢様のお友達を呼び捨てなど、できませんわ」
「サンドラ、とりあえず、敬語をやめてもらうってことでどう?」
ビアータも何度も挑戦しているお願いだったので、サンドラという強い助力がいる今、どうにかリリアーナの敬語をやめさせたかった。
「いいわね、そうしましょう!ね、リリアーナさん」
「努力します、するわ。そ、そうだわ。今日、サンドラさんのことも話題になりま、ったの。ん?」
「リリアーナ、その調子よ。ふふふ」
ビアータは、まるで先生のようだ。
「はい!
で、サンドラさん、コルさんに口説かれているそうで、だってね」
サンドラが真っ赤になった。ビアータもリリアーナもこんなサンドラを見るのは初めてだった。
「やだ、サンドラ!かわいい!!何?何?コルったらやっぱりサンドラが、好きだったのねぇ!」
ビアータが改めて確認したのは、初めてのことだ。
「やっぱりってなに?」
サンドラは、眉を寄せてビアータを睨んだ。ビアータはそんなこと、気にしない。
「誰から見てもそう見えるってことよ。気が付かないのは、本人だけって、本当なのねぇ」
ビアータは、サンドラの後ろを歩くコルネリオの制服姿を思い出して、クスクス笑った。
「では、学園ではすでに」
「うん、そうよ。コルは不器用なりにアピールしていたわ」
ビアータから見たら、コルネリオは常にサンドラの近くにいようとしていたのは、明白であった。
「うそぉ!知らないわよ」
「そんなもんです」
リリアーナが知ったか顔で頷いた。
「サンドラとリリアーナ、どちらが先になるのかしらねぇ」
二人に視線を送るビアータは、お姉さんみたいだ。
「ビアータの余裕が、なんかイライラするわ」
サンドラは、なんとなく、そんな顔のビアータに少しイラッとする。それは自分にいろいろと心当たりがあるからだとは、気が付かない。
「ですね」
リリアーナは、単純に年が上なのに、恋愛では負けてると言われたようで、気に入らないだけだ。
「とにかく、サンドラは、コルのこと、嫌じゃないんでしょう?」
「近すぎて、気にしてなかったのだもの。今日も、なんか一緒に居づらくて」
「あ、それでルーさんに逃げたんで、のね。ひどいわ」
リリアーナの鋭い指摘に、サンドラの肩が揺れた。
「うん、私もそれは、ひどいと思うよ。真面目に告白してくれたなら、真面目に応えられるように相手を見なくちゃダメよ、サンドラ」
さすがにサンドラも言い訳が思いつかない。
「わ、わかったわ」
『コンコンコン』
ドアがノックされた。声の主はアルフレードだ。
「ビアータ、起きてるかい?」
「アル?ちょっと待って」
ビアータは、なんの躊躇もなく、アルフレードを部屋へと招き入れた。
「ああ、丁度よかった。二人に相談があったんだよ」
アルフレードは、二人がいることを見て、ホッとした顔をした。
「何?」
普通は逆だろうと思ったサンドラは、びっくりして、つっけんどんな聞き方になった。アルフレードはそんなことは、気にしない。
真面目な顔になって、サンドラとリリアーナを交互に視線を合わせながら話をした。
「コルとリノのことだけど、二人をゆっくりと見たうえで、無理なら断ってやってほしいんだ。二人には、ここにいる間は、サンドラとリリアーナさんを急かさないことを約束してもらった。2ヶ月後、コルとリノの気持ちが変わらなかったら、告白することになったんだ。それまでは、ここの仲間として付き合ってやってほしい。そして、男としてはどうかっていうのを心の中で判定してやってほしいんだ」
サンドラとリリアーナは、顔を合わせた。
「わかりましたわ。子供たちのことは、ジャンがうまく止めてくれましたから、大丈夫だと思うのです。私も今返事をと言われても困ってしまうので、時間をいただけるのでしたら、助かりますわ」
リリアーナにとっては、まだ1日目の話でこれ以上を望まれるのは、困る状態だった。
「わかった。ビアータにも叱られていたところよ。コルをちゃんと見るようにするわ」
サンドラは、実は何度か『コルネリオに好意を持たれている』と、本人も感じることがあったのは事実なので、いつまでも知らないふりはできないと、腹をくくった。
「よかった。ビアータに二人を説得してもらおうと思ったんだ。僕から話せてよかったよ。じゃあ、僕はお先に、おやすみ」
アルフレードは、3人に笑顔で手を振って、すぐに出ていった。部屋を出ていくアルフレードをビアータが追いかけた。そして、すぐに戻ってきた。
「改めておやすみを言いに行くなんて、仲がいいのね」
呆れ顔のサンドラは少し冷たい。
「はい。ずっとこんな感じです、感じよ」
ここまで熱々なところはあまり見ていないリリアーナも少し冷たい。
「な、何?」
ビアータは、頬が熱くなってきた。
「私も寝るわぁ、おやすみなさい」
サンドラがドアへと歩き出した。
「私も、また明日ぁ」
リリアーナも続く。
一人になった部屋で、ビアータは昼間のことを思い出して、一人でニコニコしていた。
アルフレードもビアータも、その日のうちに両親へ手紙を書いた。
〰️ 〰️ 〰️
子供たちは、本当にジャンに言われたく、それ以来、4人をからかったりはしなかった。
それなのに、3年生になる春休みに、ビアータが連れてきたのは『優しい熊さん』だったのだから、みんながザワザワとするわけだ。唯一、知っていたルーデジオは、みんなの態度に笑いが、止まらなかったのは内緒だ。
しかし、誰もビアータに、否定的なことを口走る者は、子供たちでさえ、いなかった。
そんな騒ぎを知らないアルフレードは、すぐに見た目のままの『優しい熊さん』を発揮し、みるみるうちに、みんなを虜にしていった。1週間もしないうちに誰もが、アルフレードが『理想のダーリン』であることを認めていた。そして、誰もが『いつか領主様に』と思い始めていた。
そんなアルフレードとビアータの婚約話は、みんなが喜んだ。今更と思わないわけではないが…………。
〰️
その夜、アルフレードとコルネリオとファブリノは、それぞれ報告をした。
「ビアータには、ファブリノに言われたのかって。ハハハ、バレバレだった。でも、婚約ってはっきりできたのはよかったよ。リノ、ありがとうなっ!」
アルフレードは、二人に肩を『バシバシ』と叩かれて、痛い祝福を受けた。
ファブリノとコルネリオは、昼間のリリアーナさん事件をアルフレードに報告した。アルフレードは、女の子たちのおませな行動に、大笑いしていた。
〰️
一方、ビアータの部屋には、サンドラとリリアーナがいた。リリアーナも二人に昼間の話を報告した。
「へぇ!リノって、人に言うだけのことあるのね」
アルフレードがファブリノの一言で今日のプロポーズになったことをよくわかっているビアータは、口だけじゃなかったファブリノに正直に感心した。
「それより、ビアータ、あなた、今までアルとどうなってたの?手紙では、うまくいってるって書いてあったじゃないの」
サンドラは、逆に夕食時の報告が不思議でならなかったのだ。
「うん。うまく行き過ぎて、何も言わなくもいいかなって関係になってたの」
ビアータは、アルフレードとまるで同じ意見だった。
「サンドラさん、それは本当です。ビアータさんとアルさんは、誰が見ても恋人でしたよ。なので、今日の発表は、恋人宣言ではなく、結婚宣言だとみんな思っていますよ」
「なるほどね。それより、リリアーナさん、年上なんですから、私に『さん』付けは、やめてくださいよ」
「無理ですわ。お嬢様のことをお名前呼びするのも心苦しいのに、お嬢様のお友達を呼び捨てなど、できませんわ」
「サンドラ、とりあえず、敬語をやめてもらうってことでどう?」
ビアータも何度も挑戦しているお願いだったので、サンドラという強い助力がいる今、どうにかリリアーナの敬語をやめさせたかった。
「いいわね、そうしましょう!ね、リリアーナさん」
「努力します、するわ。そ、そうだわ。今日、サンドラさんのことも話題になりま、ったの。ん?」
「リリアーナ、その調子よ。ふふふ」
ビアータは、まるで先生のようだ。
「はい!
で、サンドラさん、コルさんに口説かれているそうで、だってね」
サンドラが真っ赤になった。ビアータもリリアーナもこんなサンドラを見るのは初めてだった。
「やだ、サンドラ!かわいい!!何?何?コルったらやっぱりサンドラが、好きだったのねぇ!」
ビアータが改めて確認したのは、初めてのことだ。
「やっぱりってなに?」
サンドラは、眉を寄せてビアータを睨んだ。ビアータはそんなこと、気にしない。
「誰から見てもそう見えるってことよ。気が付かないのは、本人だけって、本当なのねぇ」
ビアータは、サンドラの後ろを歩くコルネリオの制服姿を思い出して、クスクス笑った。
「では、学園ではすでに」
「うん、そうよ。コルは不器用なりにアピールしていたわ」
ビアータから見たら、コルネリオは常にサンドラの近くにいようとしていたのは、明白であった。
「うそぉ!知らないわよ」
「そんなもんです」
リリアーナが知ったか顔で頷いた。
「サンドラとリリアーナ、どちらが先になるのかしらねぇ」
二人に視線を送るビアータは、お姉さんみたいだ。
「ビアータの余裕が、なんかイライラするわ」
サンドラは、なんとなく、そんな顔のビアータに少しイラッとする。それは自分にいろいろと心当たりがあるからだとは、気が付かない。
「ですね」
リリアーナは、単純に年が上なのに、恋愛では負けてると言われたようで、気に入らないだけだ。
「とにかく、サンドラは、コルのこと、嫌じゃないんでしょう?」
「近すぎて、気にしてなかったのだもの。今日も、なんか一緒に居づらくて」
「あ、それでルーさんに逃げたんで、のね。ひどいわ」
リリアーナの鋭い指摘に、サンドラの肩が揺れた。
「うん、私もそれは、ひどいと思うよ。真面目に告白してくれたなら、真面目に応えられるように相手を見なくちゃダメよ、サンドラ」
さすがにサンドラも言い訳が思いつかない。
「わ、わかったわ」
『コンコンコン』
ドアがノックされた。声の主はアルフレードだ。
「ビアータ、起きてるかい?」
「アル?ちょっと待って」
ビアータは、なんの躊躇もなく、アルフレードを部屋へと招き入れた。
「ああ、丁度よかった。二人に相談があったんだよ」
アルフレードは、二人がいることを見て、ホッとした顔をした。
「何?」
普通は逆だろうと思ったサンドラは、びっくりして、つっけんどんな聞き方になった。アルフレードはそんなことは、気にしない。
真面目な顔になって、サンドラとリリアーナを交互に視線を合わせながら話をした。
「コルとリノのことだけど、二人をゆっくりと見たうえで、無理なら断ってやってほしいんだ。二人には、ここにいる間は、サンドラとリリアーナさんを急かさないことを約束してもらった。2ヶ月後、コルとリノの気持ちが変わらなかったら、告白することになったんだ。それまでは、ここの仲間として付き合ってやってほしい。そして、男としてはどうかっていうのを心の中で判定してやってほしいんだ」
サンドラとリリアーナは、顔を合わせた。
「わかりましたわ。子供たちのことは、ジャンがうまく止めてくれましたから、大丈夫だと思うのです。私も今返事をと言われても困ってしまうので、時間をいただけるのでしたら、助かりますわ」
リリアーナにとっては、まだ1日目の話でこれ以上を望まれるのは、困る状態だった。
「わかった。ビアータにも叱られていたところよ。コルをちゃんと見るようにするわ」
サンドラは、実は何度か『コルネリオに好意を持たれている』と、本人も感じることがあったのは事実なので、いつまでも知らないふりはできないと、腹をくくった。
「よかった。ビアータに二人を説得してもらおうと思ったんだ。僕から話せてよかったよ。じゃあ、僕はお先に、おやすみ」
アルフレードは、3人に笑顔で手を振って、すぐに出ていった。部屋を出ていくアルフレードをビアータが追いかけた。そして、すぐに戻ってきた。
「改めておやすみを言いに行くなんて、仲がいいのね」
呆れ顔のサンドラは少し冷たい。
「はい。ずっとこんな感じです、感じよ」
ここまで熱々なところはあまり見ていないリリアーナも少し冷たい。
「な、何?」
ビアータは、頬が熱くなってきた。
「私も寝るわぁ、おやすみなさい」
サンドラがドアへと歩き出した。
「私も、また明日ぁ」
リリアーナも続く。
一人になった部屋で、ビアータは昼間のことを思い出して、一人でニコニコしていた。
アルフレードもビアータも、その日のうちに両親へ手紙を書いた。
〰️ 〰️ 〰️
子供たちは、本当にジャンに言われたく、それ以来、4人をからかったりはしなかった。
0
お気に入りに追加
173
あなたにおすすめの小説
金に紫、茶に翡翠・リオンの日記
かなえ
ファンタジー
小説「金に紫、茶に翡翠」の番外編です。主人公の一人、公爵家次男のリオンが書く日記。
本編では、美幼児リオンともう一人の美幼児ルゼルが遊びながら色々経験して成長してます。
本編でのことや、ちょっとしたリオンの目線で書いている日記です。
【頻出用語の説明】
リオン・公爵家次男。金髪に紫の瞳。
ユリアン・公爵家嫡男。リオンの兄。金髪碧眼。
ルゼル・侯爵家次男。茶髪に翡翠の瞳。リオンとは従兄弟同士。
ヴァジュラ殿下・リオンが遊び相手になっている第二王子様。とにかく元気。
極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~
恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」
そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。
私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。
葵は私のことを本当はどう思ってるの?
私は葵のことをどう思ってるの?
意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。
こうなったら確かめなくちゃ!
葵の気持ちも、自分の気持ちも!
だけど甘い誘惑が多すぎて――
ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。

白い結婚は無理でした(涙)
詩森さよ(さよ吉)
恋愛
わたくし、フィリシアは没落しかけの伯爵家の娘でございます。
明らかに邪な結婚話しかない中で、公爵令息の愛人から契約結婚の話を持ち掛けられました。
白い結婚が認められるまでの3年間、お世話になるのでよい妻であろうと頑張ります。
小説家になろう様、カクヨム様にも掲載しております。
現在、筆者は時間的かつ体力的にコメントなどの返信ができないため受け付けない設定にしています。
どうぞよろしくお願いいたします。
【コミカライズ決定】魔力ゼロの子爵令嬢は王太子殿下のキス係
ayame@コミカライズ決定
恋愛
【ネトコン12受賞&コミカライズ決定です!】私、ユーファミア・リブレは、魔力が溢れるこの世界で、子爵家という貴族の一員でありながら魔力を持たずに生まれた。平民でも貴族でも、程度の差はあれど、誰もが有しているはずの魔力がゼロ。けれど優しい両親と歳の離れた後継ぎの弟に囲まれ、贅沢ではないものの、それなりに幸せな暮らしを送っていた。そんなささやかな生活も、12歳のとき父が災害に巻き込まれて亡くなったことで一変する。領地を復興させるにも先立つものがなく、没落を覚悟したそのとき、王家から思わぬ打診を受けた。高すぎる魔力のせいで身体に異常をきたしているカーティス王太子殿下の治療に協力してほしいというものだ。魔力ゼロの自分は役立たずでこのまま穀潰し生活を送るか修道院にでも入るしかない立場。家族と領民を守れるならと申し出を受け、王宮に伺候した私。そして告げられた仕事内容は、カーティス王太子殿下の体内で暴走する魔力をキスを通して吸収する役目だったーーー。_______________
子育てが落ち着いた20年目の結婚記念日……「離縁よ!離縁!」私は屋敷を飛び出しました。
さくしゃ
恋愛
アーリントン王国の片隅にあるバーンズ男爵領では、6人の子育てが落ち着いた領主夫人のエミリアと領主のヴァーンズは20回目の結婚記念日を迎えていた。
忙しい子育てと政務にすれ違いの生活を送っていた二人は、久しぶりに二人だけで食事をすることに。
「はぁ……盛り上がりすぎて7人目なんて言われたらどうしよう……いいえ!いっそのことあと5人くらい!」
気合いを入れるエミリアは侍女の案内でヴァーンズが待つ食堂へ。しかし、
「信じられない!離縁よ!離縁!」
深夜2時、エミリアは怒りを露わに屋敷を飛び出していった。自室に「実家へ帰らせていただきます!」という書き置きを残して。
結婚20年目にして離婚の危機……果たしてその結末は!?
悪役令嬢エリザベート物語
kirara
ファンタジー
私の名前はエリザベート・ノイズ
公爵令嬢である。
前世の名前は横川禮子。大学を卒業して入った企業でOLをしていたが、ある日の帰宅時に赤信号を無視してスクランブル交差点に飛び込んできた大型トラックとぶつかりそうになって。それからどうなったのだろう。気が付いた時には私は別の世界に転生していた。
ここは乙女ゲームの世界だ。そして私は悪役令嬢に生まれかわった。そのことを5歳の誕生パーティーの夜に知るのだった。
父はアフレイド・ノイズ公爵。
ノイズ公爵家の家長であり王国の重鎮。
魔法騎士団の総団長でもある。
母はマーガレット。
隣国アミルダ王国の第2王女。隣国の聖女の娘でもある。
兄の名前はリアム。
前世の記憶にある「乙女ゲーム」の中のエリザベート・ノイズは、王都学園の卒業パーティで、ウィリアム王太子殿下に真実の愛を見つけたと婚約を破棄され、身に覚えのない罪をきせられて国外に追放される。
そして、国境の手前で何者かに事故にみせかけて殺害されてしまうのだ。
王太子と婚約なんてするものか。
国外追放になどなるものか。
乙女ゲームの中では一人ぼっちだったエリザベート。
私は人生をあきらめない。
エリザベート・ノイズの二回目の人生が始まった。
⭐️第16回 ファンタジー小説大賞参加中です。応援してくれると嬉しいです
先生
藤谷 郁
恋愛
薫は28歳の会社員。
町の絵画教室で、穏やかで優しい先生と出会い、恋をした。
ひとまわりも年上の島先生。独身で、恋人もいないと噂されている。
だけど薫は恋愛初心者。
どうすればいいのかわからなくて……
※他サイトに掲載した過去作品を転載(全年齢向けに改稿)
【完結】目覚めたら男爵家令息の騎士に食べられていた件
三谷朱花
恋愛
レイーアが目覚めたら横にクーン男爵家の令息でもある騎士のマットが寝ていた。曰く、クーン男爵家では「初めて契った相手と結婚しなくてはいけない」らしい。
※アルファポリスのみの公開です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる