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メッセスは俺の睨みに顔色を変えない。
「今週水曜日からだと聞いておりましたが、本日から側近として過ごすようにと執事長から指示を受けております」
執事長は食堂での俺たちのやり取りを聞いていたのだろう。
そして今気が付きましたが、できる従者メッセスは本日よりニーデズを呼び捨てです。流石にメリハリが効いておりますねっ。
「ちぇっ。もうちょっとニーデズと友達時間がほしかったよなぁ」
今日の夜からはニーデズと食堂で飯を共にすることもできない。他の者たちへの配慮もあるから当然だが残念だ。
「お食事の後、フユルーシ様のお部屋でご一緒に勉強なさればよいのでは?」
「いいの?」
「ニーデズはまだ学生ですし、まずはAクラス入りが仕事となりますので」
「じゃあ、その準備、頼んだよ」
「かしこまりました」
メッセスは俺の勉強部屋にニーデズ用の執務机を用意してくれることだろう。
「護衛は増えるの?」
「はい。外の護衛を一人増やしました」
「たった一人?」
メッセスとウルトは武術も優れている。
メッセスがフッと笑った。
「ニーデズなら大丈夫ですよ。実力は確認済みです。フユルーシ様よりずっと強いですし、馬車内の隠し剣も教えてあります」
「なんで!?」
「僕の次兄は騎士団所属です。幼い頃はよく相手をさせられました。最近ではウルトさんにも教わっています」
「いつの間に……。ニーデズって隠れヒーローキャラだね。勉強もできて武術もできるって……」
『まさにチート』という言葉を飲み込んだ。いくらメッセスにスルースキルがあってもできるだけ前世ワードは出さないに限る。
「フユルーシ様。今後ともよろしくお願いします」
「うん。でも、死ぬのは無しね」
馬車の隠し剣を教わったということは命をかけても俺を守る仕事であることを教わったということだ。
「はい。一緒に逃げましょう!」
「ブハッ! 俺にプロポーズしてるみたいじゃん」
「その時には手を繋いで逃げましょうね」
三人で大笑いした。
〰️ 〰️
放課後、馬車寄せに行くとメッセスとニーデズはすでに待っていた。
「あれ? メッセス。ニーデズに任せるんじゃなかったの?」
「ニーデズの荷物を取りにまいりました」
よく見れば馬車は二台あった。
屋敷に着いてニーデズの荷物が降ろされる。木箱三つ。公爵家なら一日の宿泊でもこれでは纏まらない。
『前世の旅行っていったらバック一つだったもんな』
そういえばと薄っすらと思い出す。俺は前世でオヤジだったと思うが、公爵家第四子の方が強い。
俺も興味があってニーデズの部屋に付いて行った。執務の個室が割り当てられているそうだ。
部屋のドアを開ける。
「せまっ!」
「広いですねぇ!」
俺とニーデズは同時に声が出た。
「え? そうなのか?」
「はい。寮ではこれより狭い部屋で四人部屋ですから。実家の僕の部屋よりずっと広いですし」
「そうなんだ」
「フユルーシ様は僕たちの部屋の広さなど知らなくて当然ですよ」
ニーデズがニコニコとする。その笑顔に心が傷んだ。
「なんかごめん……いろいろと……」
こんな急展開はニーデズの気持ちを無視しているような気がしている。
「僕はフユルーシ様の側近にこんなに早くなれて嬉しいです」
ニーデズの笑顔はとても眩しかった。
「今週水曜日からだと聞いておりましたが、本日から側近として過ごすようにと執事長から指示を受けております」
執事長は食堂での俺たちのやり取りを聞いていたのだろう。
そして今気が付きましたが、できる従者メッセスは本日よりニーデズを呼び捨てです。流石にメリハリが効いておりますねっ。
「ちぇっ。もうちょっとニーデズと友達時間がほしかったよなぁ」
今日の夜からはニーデズと食堂で飯を共にすることもできない。他の者たちへの配慮もあるから当然だが残念だ。
「お食事の後、フユルーシ様のお部屋でご一緒に勉強なさればよいのでは?」
「いいの?」
「ニーデズはまだ学生ですし、まずはAクラス入りが仕事となりますので」
「じゃあ、その準備、頼んだよ」
「かしこまりました」
メッセスは俺の勉強部屋にニーデズ用の執務机を用意してくれることだろう。
「護衛は増えるの?」
「はい。外の護衛を一人増やしました」
「たった一人?」
メッセスとウルトは武術も優れている。
メッセスがフッと笑った。
「ニーデズなら大丈夫ですよ。実力は確認済みです。フユルーシ様よりずっと強いですし、馬車内の隠し剣も教えてあります」
「なんで!?」
「僕の次兄は騎士団所属です。幼い頃はよく相手をさせられました。最近ではウルトさんにも教わっています」
「いつの間に……。ニーデズって隠れヒーローキャラだね。勉強もできて武術もできるって……」
『まさにチート』という言葉を飲み込んだ。いくらメッセスにスルースキルがあってもできるだけ前世ワードは出さないに限る。
「フユルーシ様。今後ともよろしくお願いします」
「うん。でも、死ぬのは無しね」
馬車の隠し剣を教わったということは命をかけても俺を守る仕事であることを教わったということだ。
「はい。一緒に逃げましょう!」
「ブハッ! 俺にプロポーズしてるみたいじゃん」
「その時には手を繋いで逃げましょうね」
三人で大笑いした。
〰️ 〰️
放課後、馬車寄せに行くとメッセスとニーデズはすでに待っていた。
「あれ? メッセス。ニーデズに任せるんじゃなかったの?」
「ニーデズの荷物を取りにまいりました」
よく見れば馬車は二台あった。
屋敷に着いてニーデズの荷物が降ろされる。木箱三つ。公爵家なら一日の宿泊でもこれでは纏まらない。
『前世の旅行っていったらバック一つだったもんな』
そういえばと薄っすらと思い出す。俺は前世でオヤジだったと思うが、公爵家第四子の方が強い。
俺も興味があってニーデズの部屋に付いて行った。執務の個室が割り当てられているそうだ。
部屋のドアを開ける。
「せまっ!」
「広いですねぇ!」
俺とニーデズは同時に声が出た。
「え? そうなのか?」
「はい。寮ではこれより狭い部屋で四人部屋ですから。実家の僕の部屋よりずっと広いですし」
「そうなんだ」
「フユルーシ様は僕たちの部屋の広さなど知らなくて当然ですよ」
ニーデズがニコニコとする。その笑顔に心が傷んだ。
「なんかごめん……いろいろと……」
こんな急展開はニーデズの気持ちを無視しているような気がしている。
「僕はフユルーシ様の側近にこんなに早くなれて嬉しいです」
ニーデズの笑顔はとても眩しかった。
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ありがとうございます💞
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