【完結】公爵子息の僕の悪夢は現らしいが全力で拒否して大好きな婚約者を守りたい

宇水涼麻

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学園二年生編

22 ウォルバックの失態

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 僕は『僕の恋愛的出会いを回避したし、今回の夢は回避は簡単かもしれないなぁ』と心の中で喜んでいた。

 そんな気持ちをぶち壊す事件が、その食堂での出来事から数週間後に起きた。

 ウォルがシンシア嬢と学生食堂で、二人きりで昼食をとっていたのだ。それはそれはとても嬉しそうに、だ。ウォルは先日の僕たちとシンシア嬢とのやり取りを見ていなかったとは聞いていた。だが、それにしても、笑顔がだらしない。

 僕はすぐにティナを探したが見当たらない。お弁当を買って外へ行ったのかもしれない。これを見ていないなら僥倖だ。

 少し離れたテーブルにいたマーシャとクララが僕に視線を寄越す。僕と目が合った瞬間に、マーシャが深くため息をついたのが見えた。僕はコンラッドとセオドアに断りを入れてウォルに近づく。

「食事中に悪いね。ウォル。ちょっといいかな? 話があるんだけど」

「バージル。何だい? 怖い顔してどうしたの?」

 ウォルが言うように、僕はわざとしかめっ面でウォルに話しかけた。座っているウォルを見下す視線をギンギンにぶつける。さらに、同席者のシンシア嬢には目もくれないし言葉もかけない。

「いいから、少し時間くれるかい?」

 目を細めて凄んだ。こんな顔は眉間が疲れるだけなのでしたくないのだが。

「あ、ああ、わかったよ。シンシア嬢。少しだけすまないね。また戻るから」

 やっと僕の本気が伝わったようだ。それでもウォルはシンシア嬢にだらしない笑顔を向けていた。
 僕はさっさと歩き廊下の隅へ行く。

『ドンッ!』

「ウォル。あれほど中庭で読書するなって言ったのに読書したんだね」

 僕は壁に寄りかかるウォルの顔の脇に力を入れて腕を伸ばして、壁を叩くように拳で音を立てた。そして、ウォルを脅し気味に凄んだ。

「な、なんでわかるんだ?
あー、ほら、一昨日は、天気が良かったんだよ。バージルの言うとおり図書室にいたんだけどさ……。図書室だけだとつまんないだろう?」 

 僕は目を細めてウォルを睨んだが、ウォルはヘラヘラと笑っていて反省はしてないようだ。いつものウォルなら、口論で看破してくるはずなのに、今日はただ言い訳して、ヘラヘラと時が過ぎるのを待っているようだ。

「そう、ウォルの気持ちはよくわかったよ。僕はね、シンシア嬢には『婚約者のいない男子生徒』と仲良くしてほしいって思っているんだよね」

「それだと、自由なお付き合いという校訓に合っていないと思うけど」

 ほらなっ! すでにシンシア嬢に洗脳されかけているじゃないか。僕は呆れているが見捨てることもできない。

「シンシア嬢と『自由なお付き合い』をしたいなら、ティナと婚約解消してからにしてほしいな。今夜にでも父上と兄上に相談しておくから心配はいらないよ。ティナも兄と婚約者の意見がこんなに対立しているんじゃ可哀相だろう?
あ、そうだ! じゃあ、今この場で婚約者解消を誓ってくれよ。僕はそれで充分だし、君もゆっくりと『自由なお付き合い』を堪能できるだろう」

 僕は片方だけ口角を上げてニヤリと笑った。悪魔のような笑いを目指してみたのたが、ウォルには通用するだろうか?

「ま、待ってくれよ。私はティナと婚約解消なんて有り得ないよ。昼飯食べただけだよ? 他には何もない」

 婚約解消とまで言われたからか、僕の演技が冴え渡ったのかは不明だが、少しは考える気持ちになったらしい。それでも、ウォルは自分がしていることを『昼飯食べただけだ』と言っている。『自由なお付き合い』はどこまでが許されると思っているのだろうか?

 ここは一旦引くことを僕は決めた。

「そうか、わかったよ」

 僕が壁から手を離せば、ウォルはそそくさとその場を立ち去った。しかし、僕の脅しが効いたのか、ウォルはシンシア嬢の席に戻らず教室へ向かった。


 僕はシンシア嬢の元へ行く。

「シンシア嬢。ウォルバックは戻ってこないよ。ウォルバックはね、僕の妹の婚約者なんだよ。僕は妹が悲しむ顔を見たくない。手を出さないでもらえるかな?」

 僕は立ったまま見下すような目でシンシア嬢を見ていた。頼んでいるようで命令口調だ。

「私は、ただ、ウォル君と仲良くなりたかっただけで」

 シンシア嬢の縋るような目元の下げ方は、本気なのか、演技なのかはわからない。ただ、僕には庇護欲がそそられるようなことはない。
 さらに、ウォルを愛称呼びも気に入らない。

「うん、それなら、まず、君が婚約者を決めるとか、僕の妹と親友になるとか、してくれるかな。
それと、僕の妹の婚約者を愛称で呼ぶのはやめてくれ。家族として気持ちが悪い」

 てきるだけ呆れ笑いをして冷たく言い捨てた。『ティナが受け入れるわけないし、僕が止めるけど』心の中でそう呟き、片方だけ口角を上げた。

「そんなっ! あっ、それなら、私が婚約者を決めるためにウォル君と仲良くするならいいんですね!」

 急に強気に上を向いて興奮した様子で僕を睨んできた。この人は言葉の一部だけを抜粋して、自分にいいように解釈することがとても得意なようだ。まさか僕の言葉をそう使うとは思わずため息が出た。

「はぁ……。いいわけ無いでしょう? 僕の話を聞いていたかい? ウォルバックには婚約者がいる、その婚約者は僕の妹だって言っているじゃないか。言葉はわかるかい?」

 逆に僕は冷静に小馬鹿にしたように質問で返す。

「でも、学園では自由な出会いって」

 シンシア嬢は周りの視線に気がついたらしく、わざと俯いてモジモジと言っている。傍から見たら、僕がイジメているように見えるだろう。座って俯くシンシア嬢と立ったままテーブルに手をついて上から見下ろす僕。誰に何を思われようと僕には関係ない。

「それは、女の子と女の子、または、男と男の話だよ。もしくは、婚約者のいない男女だね」

『パチッ』

 下を向いて伝わらないふりをするシンシア嬢と目を合わせるためにテーブルを軽く叩いた。シンシア嬢はびっくりしたようで僕を見た。僕はさらに目を細めて怒りを表す。

「ここは貴族の集まりなんだよ。婚約者でもない男女間の過剰なスキンシップは好ましくないものなんだ。
って、この前から、何度も何度も、教えたはずだけど?」

 僕は、テーブルを右手の人差し指でトントンと叩き挑発を続ける。シンシア嬢には冷静に話すだけでなく、いろいろな方法で話してみることにしている。

「もう、いいです」

 涙目のような雰囲気で立ち上がり走り去っていく。走るなっていうのも何度も何度も言っているのに。

 シンシア嬢は食器も片付けずに立ち去った。シンシア嬢の分とウォルの分の食器が残る。

 これって僕がやるのかな。トホホ
 
〰️ 〰️ 〰️

 翌日の昼休みの学食で、ティナととある男子生徒が二人きりで向かい合わせに座って、一緒に食事をしていた。ティナも男子生徒も目を合わせて楽しそうに笑っている。スーパー美男スーパー美女の食事風景にまわりも眼福だと笑顔で見ていた。

 そこにウォルが乗り込んだ。

「ティナ。これはどういうこと?」

 ウォルはティナと男子生徒との間に両方から見える位置に立ち、鋭い目つきでティナを見下ろして口元だけは薄笑いをしていた。

「ウォル。あの……」

 ティナはたくさんの疑問を浮かべながら、ウォルに何を言ったらいいのかわからず、どこかにいるはずの人物を目だけ動かして探していた。

「おいおい。食事中に失礼だなぁ。久しぶりだね、ウォルバック君」

 そのスーパー美男がティナとの間に置かれたウォルの手を振り払った。ウォルはその彼を睨む。

「お久しぶりです、ディリックさん。今日はどういうおつもりなんでしょうか?」

「おいおい。君がそれを聞くのかい? 僕はただ、素敵なティナヴェイラ嬢と『自由な出会い』をして『自由なお付き合い』をしているだけだが?」

 ディリックさんは片眉をあげて少し小馬鹿にするようにウォルを見た。ディリックさんのその言葉で、ウォルは顔を真っ白にして目だけは爛々とさせてディリックさんを見つめていた。

「君が推奨していることだろう?」

 不敵な笑みをウォルに向けるディリックさんに、ウォルは3つに割れるほど眉間を寄せて唇を噛んだ。

 そこへ僕が声をかけた。

「僕がやってもらったんだよ。
ディリックさん。ご協力いただきましてありがとうございました」

「バージル兄様!」

 ティナは探していた人物が来たことに、安堵の色を隠そうともせずに笑顔になった。

「いいえ。こんなに可愛らしいティナヴェイラ嬢と二人で食事ができたなんて幸運ですよ。ティナヴェイラ嬢を裏切る男なんて信じられないな」

 ディリックさんは目を薄めてウォルに軽蔑の視線を送る。

「なっ!」

 ウォルが真っ白な顔をディリックさんからティナへ移した。ティナはまだよく理解しておらず、クリクリとした瞳で僕たち三人の顔を交互に見ていた。

「ティナヴェイラ嬢。僕はいつでもお誘いをお待ちしております。今日はこのへんで」

 ディリックさんはウォルに向けていた視線とは真逆の女の子を殺せそうな笑顔をティナに送っていた。食堂の後ろの方で黄色声がかかる。

「あ、え、はい。ありがとうございました」

 ティナはテーブルについたまま可愛らしくペコリとお辞儀をした。

 ディリックさんはティナに騎士の礼をして、ティナの分まで食器を持った。仕草もスマートで誰が見てもカッコいい。これが夜会の席なら、ティナは手にキスをされまわりからもっともっと黄色い声が出ていただろう。二人の人気を表すかのように。

 ディリックさんがウォルの耳元に口を近づけた。

「僕はいつでもティナヴェイラ嬢を迎える気があるよ。彼女のお相手は君でなければならないわけではない。是非、婚約を解消したまえ。応援しているよ。ふっ」

 ディリックさんは鼻で笑って立ち去った。 

 ディリックさんはエイムズ公爵家の次男だ。爵位ではウォルに負けていない。公爵家同士なので、僕もウォルもディリックさんとは何度か顔見せはしているが、彼は学年が一つ上なので交流は少ない。

 だが今回、僕が頭を下げて協力してもらった。

 ウォルがよろけてテーブルに手をついた。

「ウォル。君は昨日、僕にシンシア嬢と昼飯を食べていただけだと言ったよね。
ティナもディリックさんとは『今のところ』昼飯を食べただけだよ。まさに君のいう『自由なお付き合い』さ。ディリックさんの気持ちは別としてね。
何か問題があったかい?」

 僕はティナの隣に立ち、立っているのもやっとの様子のウォルを見下ろしていた。

「あの……、バージル兄様。どういうことですの? 今日はバージル兄様とお昼ごはんを食べるお約束でしたのに」

 困惑する顔で僕を見るティナは僕の袖を引いて僕に助けを求めるが、僕は無機質な目をウォルにぶつけているだけだ。

「ティナ。ごめん」

 顔色が戻ったウォルは額にかいた汗を拭きながら、僕を押しのけてティナの隣に座った。

「私はティナを絶対に大事にするよ。約束するからもう許してほしい」

 ウォルは涙目で懇願した。

「ウォル? 何をおっしゃっているの? ウォルはいつもわたくしを大切にしてくれていますわ。わたくしこそ、ディリック様を断りきれなくてごめんなさいね。バージル兄様に頼まれたっておっしゃるから」

 ティナはアタフタしてウォルの肩に手を置き撫でて慰めていた。

「ああ、本当に頼んだのは僕だよ。だからディリックさんを責めないでいてよね。あとは二人で話をするといい」

 僕は踵を返してランチボックスを買ってコンラッドたちのいる席へ向かった。

〰️ 〰️

 後日、ウォルから相談を受けた。

「シンシア嬢が私と二人になりたがるんだ。どうしたらいい?」

「何かに無理に誘われたら僕を誘いなよ。偶然のように二人になってしまったら、短時間で逃げるんだよ」

「わ、わかった。君も私がシンシア嬢と一緒にいるのを見たら助けに来てくれよ。なぜかわからないが、シンシア嬢といると酷い頭痛がして考えが鈍るんだ」

「わかった。とにかく、影で二人にはなっちゃダメだ。助けにいけないからね」

「ああ。ああ。そうするよ」

 ウォルとシンシア嬢が二人でいるところを何度か見つけたが、引き離せばウォルは僕に謝ってくる。その度にシンシア嬢には貴族のマナーを説明するが、聞く気はないようだ。
 シンシア嬢がウォルを諦めるまでこれを繰り返すしかない。
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