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ガンッッと机を叩いて
「くそっ。あの子は何処にいるんだ!?」
大声で怒鳴りながら毎日同じ台詞を言ってる第2王子こと赤髪野郎。
学園始まった当初はみんなが協力的だったが、どんなに探してもいない人物に一人一人………とお手上げで今探してるのは赤髪野郎とその側近達のみになった。
みんなこの光景に慣れ、赤髪野郎が大声をだそうが机を叩こうが何とも思ってないみたい。
はぁ、本当に変装しててよかった。
ここまで赤髪野郎が執着してるとは予想外で鬱陶しい。
この地味な格好はみんな素通りで対象外と言わんばかりに無だ。
偽りの姿だけど友達はいるし、なんて平和なハッピー学園生活なんだろう。
入学前にメイとファイを呼んでお披露目をした時に
「リリリリンネット??何があったのですか??」
「まあまあまあ、リンネット仮装パーティの衣装ですの?」
ぷぷっ。メイは驚愕な表情に動揺が隠せてないよ。
ファイはさすが侯爵令嬢だけあって、、いやファイの性格から表情を崩さないところは流石だなぁ~私の淑女のお手本は密かにファイだと思ってる。
「それが~これには色々と訳があって………。」
と一通り伝え終わると二人とも納得した様子みたい。
「リンネットも不幸ですわね。あの第2王子から目をつけられるなんて。私も逃げ出しますわ。」
「うんうん、私もあんな第2王子は王子様でもごめんですわ。」
何をしてこんなに令嬢に嫌われてる?
二人の嫌悪感たっぷりの表情を見てもわからないと首をこてんとしてると、
「リンネットは知らないのですか?第1王子はとても優秀で皇太子として申し分ないお方ですが、出来の良い兄を持ったばかりの第2王子は反抗が強くて気に入った令嬢を見つけると追いかけ回して自分に振り向かせ飽きたら捨てるということを繰り返しておりますのよ。何人被害にあったのとか……。」
「えっ?でもそれだけ噂になってたら令嬢達も警戒するんじゃ………。」
「そ・れ・が、やはり第2王子だけあって顔は良いでしょう?甘い言葉をささやかれれば、下級令嬢であればあるほど自分は他と違うからそのまま大切にされ結婚できる。と思うらしくて皆様溺れていくんですのよ。伯爵家以上になればさすがに婚約者がいらっしゃる方が多いから相手にしておりませんが……いや、中には相手にして婚約破棄されてる方も数名いらっしゃいますのよ。ここは出回ってないオフレコの話しですが。」
ファイが嫌そうな表情をしながら話す内容が衝撃だった。
「そうですわね。ファイが言うように私の知り合いも声を掛けられたみたいですが婚約者がいらっしゃいましたから事なき終えたらしいです。ただ………『婚約者がいなかったらあの無駄に良い顔で甘い囁きは……堕ちますわ』と呟いてたわ。あの方少し堕ち掛けたんじゃないかしら。」
第2王子女の敵だ。
顔かぁ~そんなにいいかな?
確かに王子だけあって整ってるとは思うけど、フレリー様の方が断然カッコイイのは間違いない。
「はぁ~ニヤニヤした顔でリンネットの想像してること丸わかりだわ。どうせ『フレリー様の方がカッコイイ』と思ってるんでしょう?」
なんでわかったの?
目を見開きながら驚いた私をメイが呆れた顔で見る。
「リンネットの想い人のフレリー様は国一と言われる美男子ですもの。あの方に微笑まれてるリンネットには王子の魅力は感じられないでしょうね。しかもオーレン様も容姿端麗で令嬢のなかで人気な方。そんな二人の側にいるともはや他は見れなくなるでしょう。」
ファイ、正確な分析をありがとう。
「言われればそうね。赤髪野郎は微塵も目に入らないわ。幼い頃からずっと私の目にはフレリー様だけを映してるもの。あの瞳に私が写ってると思うだけで心が爆発しちゃうわ。微笑む顔を見ただけで雷を撃たれたかのように全身が痺れちゃう。あの整った口から『リンネ』と愛称を呼ばれる度に胸が高鳴って蕩けてしまう。フレリー様の匂いはとってもいい匂いがしていつまでも嗅いでいたいとさりげなくいつも嗅いでるし残り香も吸い込みます。」
「最初は情熱的に語りだして微笑ましかったけど、最後はど変態だわ。」
「メイ、リンネットはフレリー様にだけはいつも変態だったじゃない。今に始まったことではないわ。」
ジト目で見ながら容赦ない友達達の言葉を胸に、今日も私はフレリー様に猛進中だ。
あれから一ヶ月、赤髪野郎こと第2王子は探し人を探しだせず側近達に説得されたのか突然捜索を打ち切りにした。
誰もがあんなに必死だったのに何故?と第2王子の行動を不振に思ってたが隣に寄り添ってるお色気ムンムンのサンサ男爵令嬢が立ってたので、『ああ、釣られたな』とみんなが思った。
制服のボタンをギリギリまで開けているから谷間が見えてますよー。
あれだけ強調できるなんて羨ましい。
お色気攻撃できるだけのプロポーションはある。
自分の胸元を見てため息をつく。
小さくはないがめちゃくちゃ大きくもない。
はっ。考えても見なかったけど、フレリー様は胸が大きい方が好きなのかな?
立派な淑女になるために勉強に礼儀作法はマスターできても胸はどうにもならない。
よし、悩むよりも本人に聞いてしまおう。
「くそっ。あの子は何処にいるんだ!?」
大声で怒鳴りながら毎日同じ台詞を言ってる第2王子こと赤髪野郎。
学園始まった当初はみんなが協力的だったが、どんなに探してもいない人物に一人一人………とお手上げで今探してるのは赤髪野郎とその側近達のみになった。
みんなこの光景に慣れ、赤髪野郎が大声をだそうが机を叩こうが何とも思ってないみたい。
はぁ、本当に変装しててよかった。
ここまで赤髪野郎が執着してるとは予想外で鬱陶しい。
この地味な格好はみんな素通りで対象外と言わんばかりに無だ。
偽りの姿だけど友達はいるし、なんて平和なハッピー学園生活なんだろう。
入学前にメイとファイを呼んでお披露目をした時に
「リリリリンネット??何があったのですか??」
「まあまあまあ、リンネット仮装パーティの衣装ですの?」
ぷぷっ。メイは驚愕な表情に動揺が隠せてないよ。
ファイはさすが侯爵令嬢だけあって、、いやファイの性格から表情を崩さないところは流石だなぁ~私の淑女のお手本は密かにファイだと思ってる。
「それが~これには色々と訳があって………。」
と一通り伝え終わると二人とも納得した様子みたい。
「リンネットも不幸ですわね。あの第2王子から目をつけられるなんて。私も逃げ出しますわ。」
「うんうん、私もあんな第2王子は王子様でもごめんですわ。」
何をしてこんなに令嬢に嫌われてる?
二人の嫌悪感たっぷりの表情を見てもわからないと首をこてんとしてると、
「リンネットは知らないのですか?第1王子はとても優秀で皇太子として申し分ないお方ですが、出来の良い兄を持ったばかりの第2王子は反抗が強くて気に入った令嬢を見つけると追いかけ回して自分に振り向かせ飽きたら捨てるということを繰り返しておりますのよ。何人被害にあったのとか……。」
「えっ?でもそれだけ噂になってたら令嬢達も警戒するんじゃ………。」
「そ・れ・が、やはり第2王子だけあって顔は良いでしょう?甘い言葉をささやかれれば、下級令嬢であればあるほど自分は他と違うからそのまま大切にされ結婚できる。と思うらしくて皆様溺れていくんですのよ。伯爵家以上になればさすがに婚約者がいらっしゃる方が多いから相手にしておりませんが……いや、中には相手にして婚約破棄されてる方も数名いらっしゃいますのよ。ここは出回ってないオフレコの話しですが。」
ファイが嫌そうな表情をしながら話す内容が衝撃だった。
「そうですわね。ファイが言うように私の知り合いも声を掛けられたみたいですが婚約者がいらっしゃいましたから事なき終えたらしいです。ただ………『婚約者がいなかったらあの無駄に良い顔で甘い囁きは……堕ちますわ』と呟いてたわ。あの方少し堕ち掛けたんじゃないかしら。」
第2王子女の敵だ。
顔かぁ~そんなにいいかな?
確かに王子だけあって整ってるとは思うけど、フレリー様の方が断然カッコイイのは間違いない。
「はぁ~ニヤニヤした顔でリンネットの想像してること丸わかりだわ。どうせ『フレリー様の方がカッコイイ』と思ってるんでしょう?」
なんでわかったの?
目を見開きながら驚いた私をメイが呆れた顔で見る。
「リンネットの想い人のフレリー様は国一と言われる美男子ですもの。あの方に微笑まれてるリンネットには王子の魅力は感じられないでしょうね。しかもオーレン様も容姿端麗で令嬢のなかで人気な方。そんな二人の側にいるともはや他は見れなくなるでしょう。」
ファイ、正確な分析をありがとう。
「言われればそうね。赤髪野郎は微塵も目に入らないわ。幼い頃からずっと私の目にはフレリー様だけを映してるもの。あの瞳に私が写ってると思うだけで心が爆発しちゃうわ。微笑む顔を見ただけで雷を撃たれたかのように全身が痺れちゃう。あの整った口から『リンネ』と愛称を呼ばれる度に胸が高鳴って蕩けてしまう。フレリー様の匂いはとってもいい匂いがしていつまでも嗅いでいたいとさりげなくいつも嗅いでるし残り香も吸い込みます。」
「最初は情熱的に語りだして微笑ましかったけど、最後はど変態だわ。」
「メイ、リンネットはフレリー様にだけはいつも変態だったじゃない。今に始まったことではないわ。」
ジト目で見ながら容赦ない友達達の言葉を胸に、今日も私はフレリー様に猛進中だ。
あれから一ヶ月、赤髪野郎こと第2王子は探し人を探しだせず側近達に説得されたのか突然捜索を打ち切りにした。
誰もがあんなに必死だったのに何故?と第2王子の行動を不振に思ってたが隣に寄り添ってるお色気ムンムンのサンサ男爵令嬢が立ってたので、『ああ、釣られたな』とみんなが思った。
制服のボタンをギリギリまで開けているから谷間が見えてますよー。
あれだけ強調できるなんて羨ましい。
お色気攻撃できるだけのプロポーションはある。
自分の胸元を見てため息をつく。
小さくはないがめちゃくちゃ大きくもない。
はっ。考えても見なかったけど、フレリー様は胸が大きい方が好きなのかな?
立派な淑女になるために勉強に礼儀作法はマスターできても胸はどうにもならない。
よし、悩むよりも本人に聞いてしまおう。
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