6 / 10
6.
しおりを挟む
ガンッッと机を叩いて
「くそっ。あの子は何処にいるんだ!?」
大声で怒鳴りながら毎日同じ台詞を言ってる第2王子こと赤髪野郎。
学園始まった当初はみんなが協力的だったが、どんなに探してもいない人物に一人一人………とお手上げで今探してるのは赤髪野郎とその側近達のみになった。
みんなこの光景に慣れ、赤髪野郎が大声をだそうが机を叩こうが何とも思ってないみたい。
はぁ、本当に変装しててよかった。
ここまで赤髪野郎が執着してるとは予想外で鬱陶しい。
この地味な格好はみんな素通りで対象外と言わんばかりに無だ。
偽りの姿だけど友達はいるし、なんて平和なハッピー学園生活なんだろう。
入学前にメイとファイを呼んでお披露目をした時に
「リリリリンネット??何があったのですか??」
「まあまあまあ、リンネット仮装パーティの衣装ですの?」
ぷぷっ。メイは驚愕な表情に動揺が隠せてないよ。
ファイはさすが侯爵令嬢だけあって、、いやファイの性格から表情を崩さないところは流石だなぁ~私の淑女のお手本は密かにファイだと思ってる。
「それが~これには色々と訳があって………。」
と一通り伝え終わると二人とも納得した様子みたい。
「リンネットも不幸ですわね。あの第2王子から目をつけられるなんて。私も逃げ出しますわ。」
「うんうん、私もあんな第2王子は王子様でもごめんですわ。」
何をしてこんなに令嬢に嫌われてる?
二人の嫌悪感たっぷりの表情を見てもわからないと首をこてんとしてると、
「リンネットは知らないのですか?第1王子はとても優秀で皇太子として申し分ないお方ですが、出来の良い兄を持ったばかりの第2王子は反抗が強くて気に入った令嬢を見つけると追いかけ回して自分に振り向かせ飽きたら捨てるということを繰り返しておりますのよ。何人被害にあったのとか……。」
「えっ?でもそれだけ噂になってたら令嬢達も警戒するんじゃ………。」
「そ・れ・が、やはり第2王子だけあって顔は良いでしょう?甘い言葉をささやかれれば、下級令嬢であればあるほど自分は他と違うからそのまま大切にされ結婚できる。と思うらしくて皆様溺れていくんですのよ。伯爵家以上になればさすがに婚約者がいらっしゃる方が多いから相手にしておりませんが……いや、中には相手にして婚約破棄されてる方も数名いらっしゃいますのよ。ここは出回ってないオフレコの話しですが。」
ファイが嫌そうな表情をしながら話す内容が衝撃だった。
「そうですわね。ファイが言うように私の知り合いも声を掛けられたみたいですが婚約者がいらっしゃいましたから事なき終えたらしいです。ただ………『婚約者がいなかったらあの無駄に良い顔で甘い囁きは……堕ちますわ』と呟いてたわ。あの方少し堕ち掛けたんじゃないかしら。」
第2王子女の敵だ。
顔かぁ~そんなにいいかな?
確かに王子だけあって整ってるとは思うけど、フレリー様の方が断然カッコイイのは間違いない。
「はぁ~ニヤニヤした顔でリンネットの想像してること丸わかりだわ。どうせ『フレリー様の方がカッコイイ』と思ってるんでしょう?」
なんでわかったの?
目を見開きながら驚いた私をメイが呆れた顔で見る。
「リンネットの想い人のフレリー様は国一と言われる美男子ですもの。あの方に微笑まれてるリンネットには王子の魅力は感じられないでしょうね。しかもオーレン様も容姿端麗で令嬢のなかで人気な方。そんな二人の側にいるともはや他は見れなくなるでしょう。」
ファイ、正確な分析をありがとう。
「言われればそうね。赤髪野郎は微塵も目に入らないわ。幼い頃からずっと私の目にはフレリー様だけを映してるもの。あの瞳に私が写ってると思うだけで心が爆発しちゃうわ。微笑む顔を見ただけで雷を撃たれたかのように全身が痺れちゃう。あの整った口から『リンネ』と愛称を呼ばれる度に胸が高鳴って蕩けてしまう。フレリー様の匂いはとってもいい匂いがしていつまでも嗅いでいたいとさりげなくいつも嗅いでるし残り香も吸い込みます。」
「最初は情熱的に語りだして微笑ましかったけど、最後はど変態だわ。」
「メイ、リンネットはフレリー様にだけはいつも変態だったじゃない。今に始まったことではないわ。」
ジト目で見ながら容赦ない友達達の言葉を胸に、今日も私はフレリー様に猛進中だ。
あれから一ヶ月、赤髪野郎こと第2王子は探し人を探しだせず側近達に説得されたのか突然捜索を打ち切りにした。
誰もがあんなに必死だったのに何故?と第2王子の行動を不振に思ってたが隣に寄り添ってるお色気ムンムンのサンサ男爵令嬢が立ってたので、『ああ、釣られたな』とみんなが思った。
制服のボタンをギリギリまで開けているから谷間が見えてますよー。
あれだけ強調できるなんて羨ましい。
お色気攻撃できるだけのプロポーションはある。
自分の胸元を見てため息をつく。
小さくはないがめちゃくちゃ大きくもない。
はっ。考えても見なかったけど、フレリー様は胸が大きい方が好きなのかな?
立派な淑女になるために勉強に礼儀作法はマスターできても胸はどうにもならない。
よし、悩むよりも本人に聞いてしまおう。
「くそっ。あの子は何処にいるんだ!?」
大声で怒鳴りながら毎日同じ台詞を言ってる第2王子こと赤髪野郎。
学園始まった当初はみんなが協力的だったが、どんなに探してもいない人物に一人一人………とお手上げで今探してるのは赤髪野郎とその側近達のみになった。
みんなこの光景に慣れ、赤髪野郎が大声をだそうが机を叩こうが何とも思ってないみたい。
はぁ、本当に変装しててよかった。
ここまで赤髪野郎が執着してるとは予想外で鬱陶しい。
この地味な格好はみんな素通りで対象外と言わんばかりに無だ。
偽りの姿だけど友達はいるし、なんて平和なハッピー学園生活なんだろう。
入学前にメイとファイを呼んでお披露目をした時に
「リリリリンネット??何があったのですか??」
「まあまあまあ、リンネット仮装パーティの衣装ですの?」
ぷぷっ。メイは驚愕な表情に動揺が隠せてないよ。
ファイはさすが侯爵令嬢だけあって、、いやファイの性格から表情を崩さないところは流石だなぁ~私の淑女のお手本は密かにファイだと思ってる。
「それが~これには色々と訳があって………。」
と一通り伝え終わると二人とも納得した様子みたい。
「リンネットも不幸ですわね。あの第2王子から目をつけられるなんて。私も逃げ出しますわ。」
「うんうん、私もあんな第2王子は王子様でもごめんですわ。」
何をしてこんなに令嬢に嫌われてる?
二人の嫌悪感たっぷりの表情を見てもわからないと首をこてんとしてると、
「リンネットは知らないのですか?第1王子はとても優秀で皇太子として申し分ないお方ですが、出来の良い兄を持ったばかりの第2王子は反抗が強くて気に入った令嬢を見つけると追いかけ回して自分に振り向かせ飽きたら捨てるということを繰り返しておりますのよ。何人被害にあったのとか……。」
「えっ?でもそれだけ噂になってたら令嬢達も警戒するんじゃ………。」
「そ・れ・が、やはり第2王子だけあって顔は良いでしょう?甘い言葉をささやかれれば、下級令嬢であればあるほど自分は他と違うからそのまま大切にされ結婚できる。と思うらしくて皆様溺れていくんですのよ。伯爵家以上になればさすがに婚約者がいらっしゃる方が多いから相手にしておりませんが……いや、中には相手にして婚約破棄されてる方も数名いらっしゃいますのよ。ここは出回ってないオフレコの話しですが。」
ファイが嫌そうな表情をしながら話す内容が衝撃だった。
「そうですわね。ファイが言うように私の知り合いも声を掛けられたみたいですが婚約者がいらっしゃいましたから事なき終えたらしいです。ただ………『婚約者がいなかったらあの無駄に良い顔で甘い囁きは……堕ちますわ』と呟いてたわ。あの方少し堕ち掛けたんじゃないかしら。」
第2王子女の敵だ。
顔かぁ~そんなにいいかな?
確かに王子だけあって整ってるとは思うけど、フレリー様の方が断然カッコイイのは間違いない。
「はぁ~ニヤニヤした顔でリンネットの想像してること丸わかりだわ。どうせ『フレリー様の方がカッコイイ』と思ってるんでしょう?」
なんでわかったの?
目を見開きながら驚いた私をメイが呆れた顔で見る。
「リンネットの想い人のフレリー様は国一と言われる美男子ですもの。あの方に微笑まれてるリンネットには王子の魅力は感じられないでしょうね。しかもオーレン様も容姿端麗で令嬢のなかで人気な方。そんな二人の側にいるともはや他は見れなくなるでしょう。」
ファイ、正確な分析をありがとう。
「言われればそうね。赤髪野郎は微塵も目に入らないわ。幼い頃からずっと私の目にはフレリー様だけを映してるもの。あの瞳に私が写ってると思うだけで心が爆発しちゃうわ。微笑む顔を見ただけで雷を撃たれたかのように全身が痺れちゃう。あの整った口から『リンネ』と愛称を呼ばれる度に胸が高鳴って蕩けてしまう。フレリー様の匂いはとってもいい匂いがしていつまでも嗅いでいたいとさりげなくいつも嗅いでるし残り香も吸い込みます。」
「最初は情熱的に語りだして微笑ましかったけど、最後はど変態だわ。」
「メイ、リンネットはフレリー様にだけはいつも変態だったじゃない。今に始まったことではないわ。」
ジト目で見ながら容赦ない友達達の言葉を胸に、今日も私はフレリー様に猛進中だ。
あれから一ヶ月、赤髪野郎こと第2王子は探し人を探しだせず側近達に説得されたのか突然捜索を打ち切りにした。
誰もがあんなに必死だったのに何故?と第2王子の行動を不振に思ってたが隣に寄り添ってるお色気ムンムンのサンサ男爵令嬢が立ってたので、『ああ、釣られたな』とみんなが思った。
制服のボタンをギリギリまで開けているから谷間が見えてますよー。
あれだけ強調できるなんて羨ましい。
お色気攻撃できるだけのプロポーションはある。
自分の胸元を見てため息をつく。
小さくはないがめちゃくちゃ大きくもない。
はっ。考えても見なかったけど、フレリー様は胸が大きい方が好きなのかな?
立派な淑女になるために勉強に礼儀作法はマスターできても胸はどうにもならない。
よし、悩むよりも本人に聞いてしまおう。
0
お気に入りに追加
33
あなたにおすすめの小説
妻の私は旦那様の愛人の一人だった
アズやっこ
恋愛
政略結婚は家と家との繋がり、そこに愛は必要ない。
そんな事、分かっているわ。私も貴族、恋愛結婚ばかりじゃない事くらい分かってる…。
貴方は酷い人よ。
羊の皮を被った狼。優しい人だと、誠実な人だと、婚約中の貴方は例え政略でも私と向き合ってくれた。
私は生きる屍。
貴方は悪魔よ!
一人の女性を護る為だけに私と結婚したなんて…。
❈ 作者独自の世界観です。
❈ 設定ゆるいです。
あなたを忘れる魔法があれば
七瀬美緒
恋愛
乙女ゲームの攻略対象の婚約者として転生した私、ディアナ・クリストハルト。
ただ、ゲームの舞台は他国の為、ゲームには婚約者がいるという事でしか登場しない名前のないモブ。
私は、ゲームの強制力により、好きになった方を奪われるしかないのでしょうか――?
これは、「あなたを忘れる魔法があれば」をテーマに書いてみたものです――が、何か違うような??
R15、残酷描写ありは保険。乙女ゲーム要素も空気に近いです。
※小説家になろう、カクヨムにも掲載してます
半日だけの…。貴方が私を忘れても
アズやっこ
恋愛
貴方が私を忘れても私が貴方の分まで覚えてる。
今の貴方が私を愛していなくても、
騎士ではなくても、
足が動かなくて車椅子生活になっても、
騎士だった貴方の姿を、
優しい貴方を、
私を愛してくれた事を、
例え貴方が記憶を失っても私だけは覚えてる。
❈ 作者独自の世界観です。
❈ ゆるゆる設定です。
❈ 男性は記憶がなくなり忘れます。
❈ 車椅子生活です。
王女殿下の秘密の恋人である騎士と結婚することになりました
鳴哉
恋愛
王女殿下の侍女と
王女殿下の騎士 の話
短いので、サクッと読んでもらえると思います。
読みやすいように、3話に分けました。
毎日1回、予約投稿します。
【完結】27王女様の護衛は、私の彼だった。
華蓮
恋愛
ラビートは、アリエンスのことが好きで、結婚したら少しでも贅沢できるように出世いいしたかった。
王女の護衛になる事になり、出世できたことを喜んだ。
王女は、ラビートのことを気に入り、休みの日も呼び出すようになり、ラビートは、休みも王女の護衛になり、アリエンスといる時間が少なくなっていった。
あなたの事は記憶に御座いません
cyaru
恋愛
この婚約に意味ってあるんだろうか。
ロペ公爵家のグラシアナはいつも考えていた。
婚約者の王太子クリスティアンは幼馴染のオルタ侯爵家の令嬢イメルダを側に侍らせどちらが婚約者なのかよく判らない状況。
そんなある日、グラシアナはイメルダのちょっとした悪戯で負傷してしまう。
グラシアナは「このチャンス!貰った!」と・・・記憶喪失を装い逃げ切りを図る事にした。
のだが…王太子クリスティアンの様子がおかしい。
目覚め、記憶がないグラシアナに「こうなったのも全て私の責任だ。君の生涯、どんな時も私が隣で君を支え、いかなる声にも盾になると誓う」なんて言い出す。
そりゃ、元をただせば貴方がちゃんとしないからですけどね??
記憶喪失を貫き、距離を取って逃げ切りを図ろうとするのだが何故かクリスティアンが今までに見せた事のない態度で纏わりついてくるのだった・・・。
★↑例の如く恐ろしく省略してます。
★ニャンの日present♡ 5月18日投稿開始、完結は5月22日22時22分
★今回久しぶりの5日間という長丁場の為、ご理解お願いします(なんの?)
♡注意事項~この話を読む前に~♡
※異世界を舞台にした創作話です。時代設定なし、史実に基づいた話ではありません。リアルな世界の常識と混同されないようお願いします。
※心拍数や血圧の上昇、高血糖、アドレナリンの過剰分泌に責任はおえません。
※外道な作者の妄想で作られたガチなフィクションの上、ご都合主義です。
※架空のお話です。現実世界の話ではありません。登場人物、場所全て架空です。
※価値観や言葉使いなど現実世界とは異なります(似てるモノ、同じものもあります)
※誤字脱字結構多い作者です(ごめんなさい)コメント欄より教えて頂けると非常に助かります。
※話の基幹、伏線に関わる文言についてのご指摘は申し訳ないですが受けられません。
好きな人と友人が付き合い始め、しかも嫌われたのですが
月(ユエ)/久瀬まりか
恋愛
ナターシャは以前から恋の相談をしていた友人が、自分の想い人ディーンと秘かに付き合うようになっていてショックを受ける。しかし諦めて二人の恋を応援しようと決める。だがディーンから「二度と僕達に話しかけないでくれ」とまで言われ、嫌われていたことにまたまたショック。どうしてこんなに嫌われてしまったのか?卒業パーティーのパートナーも決まっていないし、どうしたらいいの?
(完結)元お義姉様に麗しの王太子殿下を取られたけれど・・・・・・(5話完結)
青空一夏
恋愛
私(エメリーン・リトラー侯爵令嬢)は義理のお姉様、マルガレータ様が大好きだった。彼女は4歳年上でお兄様とは同じ歳。二人はとても仲のいい夫婦だった。
けれどお兄様が病気であっけなく他界し、結婚期間わずか半年で子供もいなかったマルガレータ様は、実家ノット公爵家に戻られる。
マルガレータ様は実家に帰られる際、
「エメリーン、あなたを本当の妹のように思っているわ。この思いはずっと変わらない。あなたの幸せをずっと願っていましょう」と、おっしゃった。
信頼していたし、とても可愛がってくれた。私はマルガレータが本当に大好きだったの!!
でも、それは見事に裏切られて・・・・・・
ヒロインは、マルガレータ。シリアス。ざまぁはないかも。バッドエンド。バッドエンドはもやっとくる結末です。異世界ヨーロッパ風。現代的表現。ゆるふわ設定ご都合主義。時代考証ほとんどありません。
エメリーンの回も書いてダブルヒロインのはずでしたが、別作品として書いていきます。申し訳ありません。
元お姉様に麗しの王太子殿下を取られたけれどーエメリーン編に続きます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる