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「お父様どうしてルクティエを行かせたんです!!しかもあんな美男子である第2王子様の婚約者って……ルクティエお姉様に合わないわ!!なんで承諾なんかしたんです!?」

「あなた私も聞きたいわ。ムチエを婚約者にするならわかるけどルクティエを婚約者として了承するなんて……。」

私とお母様に避難されてもお父様は唇を噛み悔しがるだけだった。
そして最後に……

「…………話すことはできない。二人とも第2王子に関わるのはやめろ。いいな。」

有無を言わさないように私とお母様に向けて威圧的に言うお父様は初めてだ。
弱味でも握られたのかしら?
それにしてもルクティエ許せない!!
第2王子の噂は聞いていたけど本当に美男子だった。
第1王子パリス様もかっこいいが第2王子ほどの美男子ではない。
第一王子であるパリス様は今もうアタックしていてすでに私の虜になりつつある。
私は絶対に皇太子妃になるのよ!
私よりもルクティエを好んで選ぶわけないわ。
容姿は私の方が派手でモテるんだから。
ルクティエが何か第2王子の弱味を握ってるに違いない。
そうだ!!いいことを思い付いた!!
パリス様も第2王子のレオンハルト様も私の側がいいはずだ。
第2王子も私の虜にすればいいのよ。
私が悪い女ルクティエから第2王子を救ってあげなくちゃ!!

「そうよね。私は一番高貴な令嬢になるの。何でも私の思い通りにならなきゃ。ルクティエは私の侍女にでもしようかしら。一生こき使ってやるんだから。」


ーーーーーーーーーーーー
ーーーーーーーーー
ーーーーー


「ここは俺とルクティエと数人の使用人しかいないから好きなように使っていい。」

「こっここをですか?」

驚くほど広い離宮がレオンハルト様の住んでるところらしい。
とっても広くてビックリでボーときらびやかな広いエントランスを見ているとクスッと笑って頭を撫でられた。

「王宮にはあまり住みたくないんだ。ここは父上が与えてくれた俺の場所だ。これからはルクティエの場所になれると嬉しい。」

「レオンハルト様………嬉しいです。いつか私がレオンハルト様の居場所になれると嬉しいです。」

私の場所になれたらと言ってくれたレオンハルト様の言葉で心が暖かくなっていく。
微笑みながら感謝の気持ちを伝えると、レオンハルト様は目を細目見つめられてからギュッと抱き締めてきた。

「もうすでにルクティエが俺の居場所だ。俺から離れないでくれ。ようやく俺の腕の中に………ルクティエを抱き締められたんだ。」

私はこのループ前後で初めて出逢ったのに、なんだかレオンハルト様はずっと前から私のことを知っているような言い方だ。
疑問に思うところはあるけれど、とりあえず今はこのレオンハルト様の腕の中の温もりや幸せをかみしめよう。

私もレオンハルト様の背中に手を回しギュッと抱き締めた。
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