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第二章 ダルニア王国編
18.
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「もういいよ。マシューのせいじゃないでしょ。」
ケリウナ元公爵令嬢の件で謝ってくるのはわかりますが、皇太子であるなら簡単に謝ってはいけませんよ。
「俺の国の者が迷惑をかけたってのもあるが、友達として……ごめんな。」
「もぉ、、いいのに………マシューのせいじゃないよ。もうこの事は終わり。」
口に人差し指をつけてもう黙ってねっとマシューを見ながらなにも言わせません。
「……あーあ、リティアナと婚約したかった。結婚したかった。俺の初恋だった。」
「ふぇっ?!」
予想外なことを言い出したから変な声を出してしまったわ。
「せめてカルティドと同じ土俵で戦いたかった……さすがに王子が国を出るのはそれなりの理由がいるからな。」
さすがの私もそこまで鈍感ではない。
「ごめんなさい。マシューの気持ちに気づいてなくて………。」
私はカルじゃないとダメだから。。
「諦めるつもりないから謝らないでくれ。」
「えっ!?何言ってるの……私はカルの婚約者だよ。」
「そんなことわかってるよ。」
「カル以外は考えられないから。」
「リティアナの気持ちもわかってるよ。」
「……私は全てカルのものだよ。」
羞恥をさらしてるのはわかってるけど諦めてほしいから恥を忍んで言ったのに
「だから?」
「えっ!?」
「リティアナとカルティドを見てると一線越えてるだろうと思ってたから今さら?」
「いっ今さらも何も重要なことじゃない!」
淑女としても純血は重要視されるし、ましてや王族だと尚更だ。
「俺が転生者じゃなければそうだったかもしれないが、前の世界じゃほぼそうじゃなかったじゃないか。そんなこと気にしないよ。今はカルティドだとしてもいずれ俺と一緒になってくれれば嬉しいだけだ。」
この世界の常識は通用しないか。
マシューの言ってることもわからないでもない。
この世界では常識だと理解していて別の世界の記憶がある以上そんなに?って思うこともあるから。
「私はマシューの言ってることは理解できるしそんな風に思ってくれてありがとう。でも、私はカルだけしか考えられないからごめんね。」
申し訳ない気持ち一杯だけど、顔を見上げて気持ちを伝えた。
「っ……。ああーもう、なんでそんなに可愛いんだ!?実際会うと諦めるなんて出来るわけないだろ。」
真っ赤な顔を片手で隠しながら私を見るマシューになんで?って思ってると
「リティアナの気持ちはわかってるから無理強いするつもりもない。ただ気持ちを知ってほしかったし、リティアナ好きだ。」
「ごめん、受け取れない。」
「俺が別に想ってる分にはいいだろう。」
「……ごめん。」
「想いが溢れてしまったらごめんな。」
何が?どうなるの?
どうやっても気持ちを受け止めることなんて出来ないのに。
「意味がわからない。」
意味深に笑いながら私の髪を掬い上げキスをし、
「後悔したくない。好きだ。手紙のやり取りの時からずっと会いたいと思ってた。もしかしたら同じ記憶持ちだと思ってたからってのもあるけど、会って想像以上に素敵な女性でより好きだと思った。」
真剣な眼差しでそんな甘いことを近くで囁かれて普通に赤面してしまう。
クラリスお兄様とカルと一緒にいると近づいてくる令息なんていなかったから免疫ないんですが!!
「顔真っ赤なリティアナ可愛いな。もっと見てみたい。」
髪の毛から手を離し私の頬へ手を伸ばしてきたのはわかったが、マシューの儚げな顔を間近で見てると身体が固まってしまって動けなかった。
ケリウナ元公爵令嬢の件で謝ってくるのはわかりますが、皇太子であるなら簡単に謝ってはいけませんよ。
「俺の国の者が迷惑をかけたってのもあるが、友達として……ごめんな。」
「もぉ、、いいのに………マシューのせいじゃないよ。もうこの事は終わり。」
口に人差し指をつけてもう黙ってねっとマシューを見ながらなにも言わせません。
「……あーあ、リティアナと婚約したかった。結婚したかった。俺の初恋だった。」
「ふぇっ?!」
予想外なことを言い出したから変な声を出してしまったわ。
「せめてカルティドと同じ土俵で戦いたかった……さすがに王子が国を出るのはそれなりの理由がいるからな。」
さすがの私もそこまで鈍感ではない。
「ごめんなさい。マシューの気持ちに気づいてなくて………。」
私はカルじゃないとダメだから。。
「諦めるつもりないから謝らないでくれ。」
「えっ!?何言ってるの……私はカルの婚約者だよ。」
「そんなことわかってるよ。」
「カル以外は考えられないから。」
「リティアナの気持ちもわかってるよ。」
「……私は全てカルのものだよ。」
羞恥をさらしてるのはわかってるけど諦めてほしいから恥を忍んで言ったのに
「だから?」
「えっ!?」
「リティアナとカルティドを見てると一線越えてるだろうと思ってたから今さら?」
「いっ今さらも何も重要なことじゃない!」
淑女としても純血は重要視されるし、ましてや王族だと尚更だ。
「俺が転生者じゃなければそうだったかもしれないが、前の世界じゃほぼそうじゃなかったじゃないか。そんなこと気にしないよ。今はカルティドだとしてもいずれ俺と一緒になってくれれば嬉しいだけだ。」
この世界の常識は通用しないか。
マシューの言ってることもわからないでもない。
この世界では常識だと理解していて別の世界の記憶がある以上そんなに?って思うこともあるから。
「私はマシューの言ってることは理解できるしそんな風に思ってくれてありがとう。でも、私はカルだけしか考えられないからごめんね。」
申し訳ない気持ち一杯だけど、顔を見上げて気持ちを伝えた。
「っ……。ああーもう、なんでそんなに可愛いんだ!?実際会うと諦めるなんて出来るわけないだろ。」
真っ赤な顔を片手で隠しながら私を見るマシューになんで?って思ってると
「リティアナの気持ちはわかってるから無理強いするつもりもない。ただ気持ちを知ってほしかったし、リティアナ好きだ。」
「ごめん、受け取れない。」
「俺が別に想ってる分にはいいだろう。」
「……ごめん。」
「想いが溢れてしまったらごめんな。」
何が?どうなるの?
どうやっても気持ちを受け止めることなんて出来ないのに。
「意味がわからない。」
意味深に笑いながら私の髪を掬い上げキスをし、
「後悔したくない。好きだ。手紙のやり取りの時からずっと会いたいと思ってた。もしかしたら同じ記憶持ちだと思ってたからってのもあるけど、会って想像以上に素敵な女性でより好きだと思った。」
真剣な眼差しでそんな甘いことを近くで囁かれて普通に赤面してしまう。
クラリスお兄様とカルと一緒にいると近づいてくる令息なんていなかったから免疫ないんですが!!
「顔真っ赤なリティアナ可愛いな。もっと見てみたい。」
髪の毛から手を離し私の頬へ手を伸ばしてきたのはわかったが、マシューの儚げな顔を間近で見てると身体が固まってしまって動けなかった。
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