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第二章 ダルニア王国編
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「それで?俺が許すとでも思ったのか?」
全くリティのことになると我を忘れて困ったやつだ。
「俺を睨むなよ。ファシリック家としては穏便に『ここには来るな』と言ったが逆にリティに会えないなら俺の国に留学でもして遊びに来させればいい。と言ってきたんだ。一国の皇太子に言われたら検討するしか言えないだろ。皇太子もリティに会えないとわかって留学を短期にして帰国した。お前がリティを帰さなかったからこうなったとも言えるんだぞ。」
無理があるとはわかっていたが、カルティドの責任も一理ある。
会わせたくないからとリティを王宮で匿ってたおかげでファシリック家にリティと会うために数回来ていたマシューリ殿下だが、会えないと悟り提案してきた。
「俺の婚約者なのわかっていながらたいした度胸だ。」
負のオーラを増大させながら更に鋭く睨んでくるカルティドを見ながら怒りが爆発しないことだけを祈った。
「で、ファシリック家としては断ることも出来ず短期の留学を検討してるってことだ。」
「短期でもダメだ。リティが俺の目の届かないところで過ごすと考えただけで狂いそうだ。部屋に結界をはって一日中俺の部屋に監禁したくなる。」
「待て待て待て、怖いこと言うなよ。不用意に皇太子がそんな発言するな。」
「留学はダメだ。」
はぁ……リティのことは頑なになるからなカルティドは。説得は出来ないな。
「リティが行きたいと言っても?」
「リティが行きたがってるのか?」
「マシューリ殿下に会いたいんじゃなく、嫁いだ叔母さんに会いたいんだよ。リティはマシューリ殿下が言い出したことだとは知らない。」
「マシューリ・ダルニアと文通を進めた叔母さんか………心配だ。」
カルティドには何言ってもダメだ。
すぐに会うことが出来ないとなったら断固拒否ときた。
「なら、この条件ならどうだ?」
こうなることは予想してた。
最後の手段を出すしかない。
ーーーーーーーーー
ーーーー
「と言うわけで、俺とクラリスが学生生活残り2ヶ月の卒業までをダルニア王立学園に留学し、リティも合わせて2ヶ月の留学。もし行くならこれが条件だ。これ以外だと留学は認めない。」
まさかの提案にカルに抱きついて
「カルとクラリスお兄様と一緒に行けるなんて嬉しいです。実は叔母様に会いたいんですが一人だと不安でしたの………一緒に行けるならとっても嬉しいですわ。カル大好きです。」
短期間でも一緒にカルとクラリスお兄様と一緒に行けるなんて幸せだわ。
認めてくれないと思ってたのにこんないい条件を出してくれるなんて嬉しい。
戸惑いもなく自然と見上げカルの顔に近づいていき自分からキスをする。
最初はちゅっと軽めのキスをし自ら進んで深い口づけをしていく。
「っ…………。」
初めカルに言われたとき、自分からそんな恥ずかしいことなんて……と思ったけど、何度もすれば逆に私からした時のカルのなんとも色気が駄々漏れのこのとろんとした表情にうるんだ瞳が私だけを見つめてるこの瞬間が堪らない……快感になってしまいましたわ。
「リティ……リティ愛してる。」
あっ、まずいですわ………と思ったときには遅すぎましたわ。
やり過ぎてしまうとカルの高揚が止まらなくなって、このような状態になってしまいます。
私を抱き上げ部屋のソファーに座り込み今度は私が貪られる番になってしまってますわ。
全くリティのことになると我を忘れて困ったやつだ。
「俺を睨むなよ。ファシリック家としては穏便に『ここには来るな』と言ったが逆にリティに会えないなら俺の国に留学でもして遊びに来させればいい。と言ってきたんだ。一国の皇太子に言われたら検討するしか言えないだろ。皇太子もリティに会えないとわかって留学を短期にして帰国した。お前がリティを帰さなかったからこうなったとも言えるんだぞ。」
無理があるとはわかっていたが、カルティドの責任も一理ある。
会わせたくないからとリティを王宮で匿ってたおかげでファシリック家にリティと会うために数回来ていたマシューリ殿下だが、会えないと悟り提案してきた。
「俺の婚約者なのわかっていながらたいした度胸だ。」
負のオーラを増大させながら更に鋭く睨んでくるカルティドを見ながら怒りが爆発しないことだけを祈った。
「で、ファシリック家としては断ることも出来ず短期の留学を検討してるってことだ。」
「短期でもダメだ。リティが俺の目の届かないところで過ごすと考えただけで狂いそうだ。部屋に結界をはって一日中俺の部屋に監禁したくなる。」
「待て待て待て、怖いこと言うなよ。不用意に皇太子がそんな発言するな。」
「留学はダメだ。」
はぁ……リティのことは頑なになるからなカルティドは。説得は出来ないな。
「リティが行きたいと言っても?」
「リティが行きたがってるのか?」
「マシューリ殿下に会いたいんじゃなく、嫁いだ叔母さんに会いたいんだよ。リティはマシューリ殿下が言い出したことだとは知らない。」
「マシューリ・ダルニアと文通を進めた叔母さんか………心配だ。」
カルティドには何言ってもダメだ。
すぐに会うことが出来ないとなったら断固拒否ときた。
「なら、この条件ならどうだ?」
こうなることは予想してた。
最後の手段を出すしかない。
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「と言うわけで、俺とクラリスが学生生活残り2ヶ月の卒業までをダルニア王立学園に留学し、リティも合わせて2ヶ月の留学。もし行くならこれが条件だ。これ以外だと留学は認めない。」
まさかの提案にカルに抱きついて
「カルとクラリスお兄様と一緒に行けるなんて嬉しいです。実は叔母様に会いたいんですが一人だと不安でしたの………一緒に行けるならとっても嬉しいですわ。カル大好きです。」
短期間でも一緒にカルとクラリスお兄様と一緒に行けるなんて幸せだわ。
認めてくれないと思ってたのにこんないい条件を出してくれるなんて嬉しい。
戸惑いもなく自然と見上げカルの顔に近づいていき自分からキスをする。
最初はちゅっと軽めのキスをし自ら進んで深い口づけをしていく。
「っ…………。」
初めカルに言われたとき、自分からそんな恥ずかしいことなんて……と思ったけど、何度もすれば逆に私からした時のカルのなんとも色気が駄々漏れのこのとろんとした表情にうるんだ瞳が私だけを見つめてるこの瞬間が堪らない……快感になってしまいましたわ。
「リティ……リティ愛してる。」
あっ、まずいですわ………と思ったときには遅すぎましたわ。
やり過ぎてしまうとカルの高揚が止まらなくなって、このような状態になってしまいます。
私を抱き上げ部屋のソファーに座り込み今度は私が貪られる番になってしまってますわ。
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