60 / 98
第一章 ヒロイン編
60.
しおりを挟む
「いつも夜会は探り合いみたいで嫌だと言ってるのに今日はご機嫌だね。」
「ふふふ。カル実は今日は特別な夜会なんですわ。」
「ふーん、特別ね。」
王宮が夜会の場なのにわざわざ私のためにカルが迎えに来てくれた馬車の中で私は、いつものようにカルの膝に…………は座らず隣に座ってカルと手を握っております。
さすがに正装しているカルには座れませんわ。
いつものカルの体温を感じれる距離もいいのですが、ソフトタッチのこれはこれで私は好きな時間なんです。
「以前に話した隣国の文通相手のマシュなんですが、なんとこの夜会に呼ばれてるらしいのです。初めてお会いするから楽しみで……ほら見てくださいこの髪飾り。お互い初めて会うからって髪に付けての目印なんです。」
カルの婚約者としてカルから送られたドレス。
ベースはクリーム色で金色の刺繍が施されてあるとても上品なドレスをカルとペアになるように着ております。
お揃い感がとてもニヤニヤしてしまいますわ。
「目印ね………。リティに黒いバラを送り身に付けさせるとか俺に喧嘩売ってるな。」
「ん?カル心配しないでください。マシュは女の子ですわ。」
ギュッと手を握り笑顔で安心していいよ!と伝えるとカルは困った顔をして
「リティの無垢なところ好きだが……心配だな。」
カルが真剣な顔をして私のてにキスをしてきた。
何をそんなに心配してるのかわからないですが、不安になっているカルは見過ごせません。
「カルが不安にならないように今日もずっと側を離れません。大好きです。」
キスをするとカルに口紅がついてしまうのでカルの頬に手を当てて微笑んだ。
「リティ、その言葉忘れるなよ。」
「もちろんですわ。あっカルに伝えなければならないことがあって、今日は隣国から皇太子が来られるんですよね?」
「…………ああ。」
「実は、その隣国の皇太子は前に私が話をした攻略対象の一人なのです。ゲームではもっとあとの時期にこの王立学園に留学に来て初めてヒロインに会うのです。でも、夜会は伯爵家以上の身分の方しかいらっしゃらないのでヒロイン……モーリス男爵令嬢と出会わずイベント………と言うか何事もないはずですが、一応カルには報告しておきますね。」
以前カルに前世の事を話したとき、攻略対象者やイベントにその他もろもろ……と知ってることや思い出したことを包み隠さず話してほしいと念押しされてましたからね。
「そうか。教えてくれてありがとう。あいつもか。。リティその髪飾りは譲歩するから今夜の夜会では俺の事がどんなに好きかを周りに話してほしい。」
「えっ?そんな………恥ずかしすぎますわ。」
「それともここで夜会に出られないくらいにめちゃくちゃにされるのとどっちがいい?俺はリティを今日の夜会にはあまり出てほしくない。」
カルそんなこと言うなんて急にどうしたんでしょう??
今日はマシュが来てるから特に楽しみにしていた夜会。
行かないと会うことができませんわ。
でも、皆さんに言って回るとか私の気持ちが強くて皆さんに引かれませんかね?
「わっ…わかりましたわ。カルが不安にならないように側を離れず皆さんに私が如何にカルのことが好きなのかを伝えますわ。」
「楽しみにしてるよ。」
少し機嫌がなおったカルは満面の笑みを浮かべ、私は楽しみでもありカルから出されたミッションに恥ずかしくて頭を抱えた。
「ふふふ。カル実は今日は特別な夜会なんですわ。」
「ふーん、特別ね。」
王宮が夜会の場なのにわざわざ私のためにカルが迎えに来てくれた馬車の中で私は、いつものようにカルの膝に…………は座らず隣に座ってカルと手を握っております。
さすがに正装しているカルには座れませんわ。
いつものカルの体温を感じれる距離もいいのですが、ソフトタッチのこれはこれで私は好きな時間なんです。
「以前に話した隣国の文通相手のマシュなんですが、なんとこの夜会に呼ばれてるらしいのです。初めてお会いするから楽しみで……ほら見てくださいこの髪飾り。お互い初めて会うからって髪に付けての目印なんです。」
カルの婚約者としてカルから送られたドレス。
ベースはクリーム色で金色の刺繍が施されてあるとても上品なドレスをカルとペアになるように着ております。
お揃い感がとてもニヤニヤしてしまいますわ。
「目印ね………。リティに黒いバラを送り身に付けさせるとか俺に喧嘩売ってるな。」
「ん?カル心配しないでください。マシュは女の子ですわ。」
ギュッと手を握り笑顔で安心していいよ!と伝えるとカルは困った顔をして
「リティの無垢なところ好きだが……心配だな。」
カルが真剣な顔をして私のてにキスをしてきた。
何をそんなに心配してるのかわからないですが、不安になっているカルは見過ごせません。
「カルが不安にならないように今日もずっと側を離れません。大好きです。」
キスをするとカルに口紅がついてしまうのでカルの頬に手を当てて微笑んだ。
「リティ、その言葉忘れるなよ。」
「もちろんですわ。あっカルに伝えなければならないことがあって、今日は隣国から皇太子が来られるんですよね?」
「…………ああ。」
「実は、その隣国の皇太子は前に私が話をした攻略対象の一人なのです。ゲームではもっとあとの時期にこの王立学園に留学に来て初めてヒロインに会うのです。でも、夜会は伯爵家以上の身分の方しかいらっしゃらないのでヒロイン……モーリス男爵令嬢と出会わずイベント………と言うか何事もないはずですが、一応カルには報告しておきますね。」
以前カルに前世の事を話したとき、攻略対象者やイベントにその他もろもろ……と知ってることや思い出したことを包み隠さず話してほしいと念押しされてましたからね。
「そうか。教えてくれてありがとう。あいつもか。。リティその髪飾りは譲歩するから今夜の夜会では俺の事がどんなに好きかを周りに話してほしい。」
「えっ?そんな………恥ずかしすぎますわ。」
「それともここで夜会に出られないくらいにめちゃくちゃにされるのとどっちがいい?俺はリティを今日の夜会にはあまり出てほしくない。」
カルそんなこと言うなんて急にどうしたんでしょう??
今日はマシュが来てるから特に楽しみにしていた夜会。
行かないと会うことができませんわ。
でも、皆さんに言って回るとか私の気持ちが強くて皆さんに引かれませんかね?
「わっ…わかりましたわ。カルが不安にならないように側を離れず皆さんに私が如何にカルのことが好きなのかを伝えますわ。」
「楽しみにしてるよ。」
少し機嫌がなおったカルは満面の笑みを浮かべ、私は楽しみでもありカルから出されたミッションに恥ずかしくて頭を抱えた。
0
お気に入りに追加
643
あなたにおすすめの小説

異世界細腕奮闘記〜貧乏伯爵家を立て直してみせます!〜
くろねこ
恋愛
気付いたら赤ん坊だった。
いや、ちょっと待て。ここはどこ?
私の顔をニコニコと覗き込んでいるのは、薄い翠の瞳に美しい金髪のご婦人。
マジか、、、てかついに異世界デビューきた!とワクワクしていたのもつかの間。
私の生まれた伯爵家は超貧乏とか、、、こうなったら前世の無駄知識をフル活用して、我が家を成り上げてみせますわ!
だって、このままじゃロクなところに嫁にいけないじゃないの!
前世で独身アラフォーだったミコトが、なんとか頑張って幸せを掴む、、、まで。


美幼女に転生したら地獄のような逆ハーレム状態になりました
市森 唯
恋愛
極々普通の学生だった私は……目が覚めたら美幼女になっていました。
私は侯爵令嬢らしく多分異世界転生してるし、そして何故か婚約者が2人?!
しかも婚約者達との関係も最悪で……
まぁ転生しちゃったのでなんとか上手く生きていけるよう頑張ります!

この世界に転生したらいろんな人に溺愛されちゃいました!
めーめー
恋愛
前世は不慮の事故で死んだ(主人公)公爵令嬢ニコ・オリヴィアは最近前世の記憶を思い出す。
だが彼女は人生を楽しむことができなっかたので今世は幸せな人生を送ることを決意する。
「前世は不慮の事故で死んだのだから今世は楽しんで幸せな人生を送るぞ!」
そこから彼女は義理の弟、王太子、公爵令息、伯爵令息、執事に出会い彼女は彼らに愛されていく。
作者のめーめーです!
不定期で投稿していきます‼️
19時投稿です‼️

婚約者には愛する人ができたようです。捨てられた私を救ってくれたのはこのメガネでした。
澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
突然、婚約解消を告げられたリューディア・コンラット。
彼女はこのリンゼイ国三大魔法公爵家のご令嬢。
彼女の婚約者はリンゼイ国第一王子のモーゼフ・デル・リンゼイ。
彼は眼鏡をかけているリューディアは不細工、という理由で彼女との婚約解消を口にした。
リューディアはそれを受け入れることしかできない。
それに眼鏡をかけているのだって、幼い頃に言われた言葉が原因だ。
余計に素顔を晒すことに恐怖を覚えたリューディアは、絶対に人前で眼鏡を外さないようにと心に決める。
モーゼフとの婚約解消をしたリューディアは、兄たちに背中を押され、今、新しい世界へと飛び出す。
だけど、眼鏡はけして外さない――。

これでも全属性持ちのチートですが、兄弟からお前など不要だと言われたので冒険者になります。
りまり
恋愛
私の名前はエルムと言います。
伯爵家の長女なのですが……家はかなり落ちぶれています。
それを私が持ち直すのに頑張り、贅沢できるまでになったのに私はいらないから出て行けと言われたので出ていきます。
でも知りませんよ。
私がいるからこの贅沢ができるんですからね!!!!!!

モブ令嬢は白旗など掲げない
セイラ
恋愛
私はとある異世界に転生した。
その世界は生前の乙女ゲーム。私の位置は攻略対象の義姉であり、モブ令嬢だった。
しかしこのモブ令嬢に幸せな終わりはない。悪役令嬢にこき使われ、挙げ句の果てに使い捨てなのだ。私は破滅に進みたくなどない。
こうなれば自ら防ぐのみ!様々な問題に首を突っ込んでしまうが、周りに勘違いをされ周りに人が集まってしまう。
そんな転生の物語です。
君に恋していいですか?
櫻井音衣
恋愛
卯月 薫、30歳。
仕事の出来すぎる女。
大食いで大酒飲みでヘビースモーカー。
女としての自信、全くなし。
過去の社内恋愛の苦い経験から、
もう二度と恋愛はしないと決めている。
そんな薫に近付く、同期の笠松 志信。
志信に惹かれて行く気持ちを否定して
『同期以上の事は期待しないで』と
志信を突き放す薫の前に、
かつての恋人・浩樹が現れて……。
こんな社内恋愛は、アリですか?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる