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第一章 ヒロイン編

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私は前世の記憶があることや、そこでこの世界のゲームをやっていたことを話した。

「へぇ~。俺がヒロインモーリス男爵令嬢を選ぶ世界か。リティが幼い頃俺を避けていたのはそのせい?」

ごもっともですわ。
だって関わりたくなかったんですもの。。

「はい………私はクラリスお兄様や周りにいるカルがヒロインの攻略対象なだけのただのモブ令嬢ですから、あまり邪魔したくなかったのです。でも、時が立てば立つほど知っている物語とは違っていきましたわ。」

「俺がリティを好きになって婚約者にしたこと?」

「それもありますわ。それに……ヒロインの印象が悪くてクラリスお兄様やカルが関わっていないことに驚きましたわ。今では始めはゲームの世界で喜んでましたが、私もこの世界で生きてきましたもの。現実として受け止めておりますが、万が一カルがヒロインに惹かれることがあれば身を引こうと思っておりました。」

カルから頬をスリスリと手で触られなんだか泣き出したい気持ちになってしまいます。

「リティが不安なことはわかった。話してくれてありがとう。その世界での俺はバカだなぁ~リティに気づかずに過ごしてるなんて。まず言いたいのは、聞いても俺のリティへの想いは変わらない。俺の側にいていいのはリティだけだ。」

カルの言葉は素直に嬉しい。
話を聞いても私を求めてくれるから嬉しいです。
いつかは諦めなければならないかもしれないと思っていたから言葉よりもぎゅーーーっとカルに抱きついた。

「それよりも確認したいことがある。前世の記憶があるってことは前世で誰かリティと付き合ったり好きだった人はいたのか?」

それよりもって………それ以上に大事なことのように言いましたがそこですか??

「気になりますか?」

「いたのか!?まさか結婚経験があるのか?」

殺気のオーラを纏いながら問い詰めてくるカル、必死すぎです。

「結婚経験はありませんし、では好きな人もいませんでしたわ。ゲーム大好きな女の子でしたけど。。ただ………憧れてる人はいましたわ。」

思い出しハニカミながらカルに伝えた途端私の首にキスをして来て「ひやぁっっっ。」と声をあげてしまいました。

「俺が知らないと思うが誰?」

「…………………クラリスお兄様ですわ。」

「はっ??」

「ゲームで攻略対象の中で一番クラリスお兄様が憧れでしたの。今は本当の兄弟だからですが、昔からクラリスお兄様が大好きだした。」

「…………………なるほど。だからリティはクラリスに昔からベッタリだったんだな。面白くないな。」

カルはクラリスお兄様の名前を出したからなのか………いや、他の男性の名前を言っても同じように不機嫌になったに違いない。

「今世ではカルが好きですわ。前世と合わせてもリアルで好きになったのはですわ。」

言い訳に聞こえるかもしれないが事実を伝えるけど一向に不機嫌がとれない。

「………痛っっ。」

首に痛みが走ったと思ったらカルが私の首にかぶりついていた。
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