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第一章 ヒロイン編
43.
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「ブレーリは痛い目を見せないとな。リティに手を出そうとした時点でアウトだ。」
「カルティド穏便にな。」
「穏便?そうだね……そうしてあげたいけど押さえられるかな。俺の前にリティに手を出そうとしたことは許せない。」
「バカ兄のことは気にせずやっちゃってください。」
「ほら、ブレーリ令息からも言われたし、良くないことを企んでそうだから……いいね。」
笑顔で話してるんだろうなぁと見なくてもわかるくらい声が生き生きとして弾んでますわ。
きっと、カルの無言の圧でクラリスお兄様もイグルスも何も言えなくなったんでしょう。
チュッ。チュッ。
おでこに髪にあらゆるところに柔らかいものが触れておりますわ。
まさかクラリスお兄様とイグルスの前で私にキスしてますの?
カル恥ずかしいからやめてください。
「はぁ。リティを早く全て俺のものにしないと安心できないな。」
なっなっなっ何を言い出しますの!?
「ということは、リティアナはまだ完全にカルティド殿下のものではないんですね。」
「そうだね。婚約者であってまだ結婚はしてないから全てではないな。リティ自身はもうすでに「きゃぁぁぁぁぁぁ。」
叫びながらカルの口をふさいでしまいましたわ。
カルは何を言い出すのでしょうか!!
クラリスお兄様もイグルスも聞いているというのに!!
まさかお風呂のことを言うつもりだったのかしら……それは恥ずかしすぎるからやめてください。
「言うわけないだろ。リティのこと想像もされたくないからな。……リティ好きだよ。」
耳元で小声で言われてビクリと身体が動く。
今言わなくてもよくないですか?
二人の前で何てことを言うのですか。
顔が熱を帯びていくのがわかりますわ。
………私もカルのことが好きなので嬉しいですが今ではないでしょう!?
えっ!?その顔は私にも言えというのでしょうか?
何も言わない私を見て、カルは悲しそうな瞳で私を見ている。
お兄様もイグルスもいるのにとても恥ずかしいです。
「…………………………。」
カルを見て言おうとしましたが口をパクパクしただけで恥ずかしくてどうしても言えない。
クラリスお兄様とイグルスの視線をひしひしと感じますわ。
………こんな静まり返っているところでなんてとても言えませんわ。
カルは相変わらず悲しそうな瞳で見てくるから何か不安なのでしょうか。
誤解とはいえ他の男性に破廉恥なことを言ってしまった…………から??
ギュッ
カルを不安にさせてることだけで頭の中がいっぱいになってなりふり構わずカルの首に腕を回して抱きついた。
「私に触れていいのはクラリスお兄様や家族以外ではカルだけですわ。」
「ハハッ。リティの中のクラリスは揺るがないな~。でもそんな言葉をくれるなんて嬉しいな~少しは進歩したってことか。まだまだあれだけじゃ足りないみたいだ。」
私の言葉が嬉しかったのか、カルが嬉しそうに話してるのは良かったですが最後の方はよくわからないことを言っていた。
カルは容姿端麗で微笑んだだけでも破壊力が凄いですが、悪巧みを含んだ微笑みを浮かべていたカルを素直にかっこいいと思ってしまった私は重症ですね。
「俺の大切な妹がカルに絆されていっているな……。」
私を見ながらぼそりとクラリスお兄様が呟いたことを知らない私は目の前の嬉しそうなカルだけを見ていて、大胆なことを言ってしまったことに気付いていなかった。
「カルティド穏便にな。」
「穏便?そうだね……そうしてあげたいけど押さえられるかな。俺の前にリティに手を出そうとしたことは許せない。」
「バカ兄のことは気にせずやっちゃってください。」
「ほら、ブレーリ令息からも言われたし、良くないことを企んでそうだから……いいね。」
笑顔で話してるんだろうなぁと見なくてもわかるくらい声が生き生きとして弾んでますわ。
きっと、カルの無言の圧でクラリスお兄様もイグルスも何も言えなくなったんでしょう。
チュッ。チュッ。
おでこに髪にあらゆるところに柔らかいものが触れておりますわ。
まさかクラリスお兄様とイグルスの前で私にキスしてますの?
カル恥ずかしいからやめてください。
「はぁ。リティを早く全て俺のものにしないと安心できないな。」
なっなっなっ何を言い出しますの!?
「ということは、リティアナはまだ完全にカルティド殿下のものではないんですね。」
「そうだね。婚約者であってまだ結婚はしてないから全てではないな。リティ自身はもうすでに「きゃぁぁぁぁぁぁ。」
叫びながらカルの口をふさいでしまいましたわ。
カルは何を言い出すのでしょうか!!
クラリスお兄様もイグルスも聞いているというのに!!
まさかお風呂のことを言うつもりだったのかしら……それは恥ずかしすぎるからやめてください。
「言うわけないだろ。リティのこと想像もされたくないからな。……リティ好きだよ。」
耳元で小声で言われてビクリと身体が動く。
今言わなくてもよくないですか?
二人の前で何てことを言うのですか。
顔が熱を帯びていくのがわかりますわ。
………私もカルのことが好きなので嬉しいですが今ではないでしょう!?
えっ!?その顔は私にも言えというのでしょうか?
何も言わない私を見て、カルは悲しそうな瞳で私を見ている。
お兄様もイグルスもいるのにとても恥ずかしいです。
「…………………………。」
カルを見て言おうとしましたが口をパクパクしただけで恥ずかしくてどうしても言えない。
クラリスお兄様とイグルスの視線をひしひしと感じますわ。
………こんな静まり返っているところでなんてとても言えませんわ。
カルは相変わらず悲しそうな瞳で見てくるから何か不安なのでしょうか。
誤解とはいえ他の男性に破廉恥なことを言ってしまった…………から??
ギュッ
カルを不安にさせてることだけで頭の中がいっぱいになってなりふり構わずカルの首に腕を回して抱きついた。
「私に触れていいのはクラリスお兄様や家族以外ではカルだけですわ。」
「ハハッ。リティの中のクラリスは揺るがないな~。でもそんな言葉をくれるなんて嬉しいな~少しは進歩したってことか。まだまだあれだけじゃ足りないみたいだ。」
私の言葉が嬉しかったのか、カルが嬉しそうに話してるのは良かったですが最後の方はよくわからないことを言っていた。
カルは容姿端麗で微笑んだだけでも破壊力が凄いですが、悪巧みを含んだ微笑みを浮かべていたカルを素直にかっこいいと思ってしまった私は重症ですね。
「俺の大切な妹がカルに絆されていっているな……。」
私を見ながらぼそりとクラリスお兄様が呟いたことを知らない私は目の前の嬉しそうなカルだけを見ていて、大胆なことを言ってしまったことに気付いていなかった。
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