上 下
32 / 98
第一章 ヒロイン編

32.

しおりを挟む
長い黒髪に黒い瞳………入学式でイベント?発生したときにいた多分ヒロインじゃないでしょうか。
何故この方がイークス侯爵令嬢と一緒にいるのでしょうか。
だって私と同じ学年のはずですが………。

「うふふ。初めまして、ファシリック公爵令嬢とクラスは違いますが同じ学年のサラリー・モーリスと申します。」

モーリス男爵令嬢………やはりこの方がゲームのヒロイン設定の人だ。
何故この人がここにいるのでしょう?
私はモブですわ。ヒロインと関わることはないはずですが……。
しかも、ヒロインって優しい雰囲気に誰もが惚れるような設定だが、サラリー・モーリス令嬢はつり目のどちらかと言うとクールビューティでありますわ。
可愛いよりも女王様タイプの方の雰囲気がありますわ。

「サラリー・モーリス男爵令嬢、初めまして。忠告とはどのようなことでしょうか?」

「あら、ご自分でも気づいてるのではなくて?」

いや、わかりませんわ。
私は話したこともなかったヒロインに何故このような威圧的に責められてるのでしょうか。

「すみません、よくわかりませんわ。」

「はぁ………いいこと。カルティド殿下が本当にファシリック令嬢を選んだとでも??まだに出逢ってないだけ。それももう出逢いますわ。うふふ。婚約者になったとしてもそのうち見向きもされず悲惨な運命を辿るだけですの。イークス侯爵令嬢含め誰が運命の相手なのか結婚するまでわかりませんのよ。」

運命の相手ですか。
はい、このヒロイン転生者ですね!!
こんなに堂々とイークス侯爵令嬢を味方につけて実は自分の方が運命の相手と言ってるのも同然の言い方をするなんて自分が主人公ヒロインだと思っているに違いない。
婚約者がいたとしても、ヒロインに出逢うと婚約者を蔑ろにして最後はヒロインとハッピーエンドになることを知っているから強く出れるんですわ。
はぁ………私はヒロインでも悪役令嬢でもありませんただのモブなのに何故このように目をつけられてしまうのでしょう。
それに………ヒロインはどうやらカルルートに行きたいみたいですね。

「サラリー令嬢の言う通りですわ。ファシリック公爵令嬢、今はの婚約者ですわ。カルティド殿下はあなたのものではありませんの。パーティーでのことは穏便に済ませただけで本当は私を受け入れてくれてますのよ。」

素晴らしいですがいたい…………いたいです。
イークス侯爵令嬢あんなに拒絶されてなおその考えはとても自分に自信がないとできませんわ。
周りの人達もドン引きしてますが………ゲームの筋書き通りなら目の前のヒロインが結ばれますわね。

「ご忠告ありがとうございます。に奪われないように気を付けておきますわ。」

二人を見据えて目で圧をかけ最後はにっこりと微笑み伝えました。
二人とも私の迫力に少し後退したようでしたが喧嘩を売ってきたのはそちらですわ。
ファシリック公爵家で育った私をなめないでいただきたいです。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

男性アレルギー令嬢とオネエ皇太子の偽装結婚 ~なぜか溺愛されています~

富士とまと
恋愛
リリーは極度の男性アレルギー持ちだった。修道院に行きたいと言ったものの公爵令嬢と言う立場ゆえに父親に反対され、誰でもいいから結婚しろと迫られる。そんな中、婚約者探しに出かけた舞踏会で、アレルギーの出ない男性と出会った。いや、姿だけは男性だけれど、心は女性であるエミリオだ。 二人は友達になり、お互いの秘密を共有し、親を納得させるための偽装結婚をすることに。でも、実はエミリオには打ち明けてない秘密が一つあった。

変態王子&モブ令嬢 番外編

咲桜りおな
恋愛
「完璧(変態)王子は悪役(天然)令嬢を今日も愛でたい」と 「モブ令嬢はシスコン騎士様にロックオンされたようです~妹が悪役令嬢なんて困ります~」の 番外編集です。  本編で描ききれなかったお話を不定期に更新しています。 「小説家になろう」でも公開しています。

幼女公爵令嬢、魔王城に連行される

けろ
恋愛
とある王国の公爵家の長女メルヴィナ・フォン=リルシュタインとして生まれた私。 「アルテミシア」という魔力異常状態で産まれてきた私は、何とか一命を取り留める。 しかし、その影響で成長が止まってしまい「幼女」の姿で一生を過ごすことに。 これは、そんな小さな私が「魔王の花嫁」として魔王城で暮らす物語である。

強い祝福が原因だった

恋愛
大魔法使いと呼ばれる父と前公爵夫人である母の不貞により生まれた令嬢エイレーネー。 父を憎む義父や義父に同調する使用人達から冷遇されながらも、エイレーネーにしか姿が見えないうさぎのイヴのお陰で孤独にはならずに済んでいた。 大魔法使いを王国に留めておきたい王家の思惑により、王弟を父に持つソレイユ公爵家の公子ラウルと婚約関係にある。しかし、彼が愛情に満ち、優しく笑い合うのは義父の娘ガブリエルで。 愛される未来がないのなら、全てを捨てて実父の許へ行くと決意した。 ※「殿下が好きなのは私だった」と同じ世界観となりますが此方の話を読まなくても大丈夫です。 ※なろうさんにも公開しています。

疲れきった退職前女教師がある日突然、異世界のどうしようもない貴族令嬢に転生。こっちの世界でも子供たちの幸せは第一優先です!

ミミリン
恋愛
小学校教師として長年勤めた独身の皐月(さつき)。 退職間近で突然異世界に転生してしまった。転生先では醜いどうしようもない貴族令嬢リリア・アルバになっていた! 私を陥れようとする兄から逃れ、 不器用な大人たちに助けられ、少しずつ現世とのギャップを埋め合わせる。 逃れた先で出会った訳ありの美青年は何かとからかってくるけど、気がついたら成長して私を支えてくれる大切な男性になっていた。こ、これは恋? 異世界で繰り広げられるそれぞれの奮闘ストーリー。 この世界で新たに自分の人生を切り開けるか!?

【二部開始】所詮脇役の悪役令嬢は華麗に舞台から去るとしましょう

蓮実 アラタ
恋愛
アルメニア国王子の婚約者だった私は学園の創立記念パーティで突然王子から婚約破棄を告げられる。 王子の隣には銀髪の綺麗な女の子、周りには取り巻き。かのイベント、断罪シーン。 味方はおらず圧倒的不利、絶体絶命。 しかしそんな場面でも私は余裕の笑みで返す。 「承知しました殿下。その話、謹んでお受け致しますわ!」 あくまで笑みを崩さずにそのまま華麗に断罪の舞台から去る私に、唖然とする王子たち。 ここは前世で私がハマっていた乙女ゲームの世界。その中で私は悪役令嬢。 だからなんだ!?婚約破棄?追放?喜んでお受け致しますとも!! 私は王妃なんていう狭苦しいだけの脇役、真っ平御免です! さっさとこんなやられ役の舞台退場して自分だけの快適な生活を送るんだ! って張り切って追放されたのに何故か前世の私の推しキャラがお供に着いてきて……!? ※本作は小説家になろうにも掲載しています 二部更新開始しました。不定期更新です

【本編完結】婚約破棄されて嫁いだ先の旦那様は、結婚翌日に私が妻だと気づいたようです

八重
恋愛
社交界で『稀代の歌姫』の名で知られ、王太子の婚約者でもあったエリーヌ・ブランシェ。 皆の憧れの的だった彼女はある夜会の日、親友で同じ歌手だったロラに嫉妬され、彼女の陰謀で歌声を失った── ロラに婚約者も奪われ、歌声も失い、さらに冤罪をかけられて牢屋に入れられる。 そして王太子の命によりエリーヌは、『毒公爵』と悪名高いアンリ・エマニュエル公爵のもとへと嫁ぐことになる。 仕事を理由に初日の挨拶もすっぽかされるエリーヌ。 婚約者を失ったばかりだったため、そっと夫を支えていけばいい、愛されなくてもそれで構わない。 エリーヌはそう思っていたのに……。 翌日廊下で会った後にアンリの態度が急変!! 「この娘は誰だ?」 「アンリ様の奥様、エリーヌ様でございます」 「僕は、結婚したのか?」 側近の言葉も仕事に夢中で聞き流してしまっていたアンリは、自分が結婚したことに気づいていなかった。 自分にこんなにも魅力的で可愛い奥さんが出来たことを知り、アンリの溺愛と好き好き攻撃が止まらなくなり──?! ■恋愛に初々しい夫婦の溺愛甘々シンデレラストーリー。 親友に騙されて恋人を奪われたエリーヌが、政略結婚をきっかけにベタ甘に溺愛されて幸せになるお話。 ※他サイトでも投稿中で、『小説家になろう』先行公開です

乙女ゲームに転生したらしい私の人生は全くの無関係な筈なのに何故か無自覚に巻き込まれる運命らしい〜乙ゲーやった事ないんですが大丈夫でしょうか〜

ひろのひまり
恋愛
生まれ変わったらそこは異世界だった。 沢山の魔力に助けられ生まれてこれた主人公リリィ。彼女がこれから生きる世界は所謂乙女ゲームと呼ばれるファンタジーな世界である。 だが、彼女はそんな情報を知るよしもなく、ただ普通に過ごしているだけだった。が、何故か無関係なはずなのに乙女ゲーム関係者達、攻略対象者、悪役令嬢等を無自覚に誑かせて関わってしまうというお話です。 モブなのに魔法チート。 転生者なのにモブのド素人。 ゲームの始まりまでに時間がかかると思います。 異世界転生書いてみたくて書いてみました。 投稿はゆっくりになると思います。 本当のタイトルは 乙女ゲームに転生したらしい私の人生は全くの無関係な筈なのに何故か無自覚に巻き込まれる運命らしい〜乙女ゲーやった事ないんですが大丈夫でしょうか?〜 文字数オーバーで少しだけ変えています。 なろう様、ツギクル様にも掲載しています。

処理中です...