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第一章 ヒロイン編
26.
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「リティアナがカル兄様の婚約者になるとは……リティアナのことだったのか。」
王宮について開口一番にロレインから言われた一言。
突っ込んでもよろしいでしょうか?
「ロレイン、どういうこと?私だと不服ってこと?」
ロレインに王宮へ呼ばれて庭園でお茶をしているが、留学先のことではなくカルの婚約者の私の話をしている。
「いや、違う違う。俺はカル兄様の相手がリティアナで嬉しく思ってるよ。そうじゃなくて、数年前に父上と母上から婚約者を決めるようカル兄様は言われてたんだよね。その時カル兄様は『婚約者はもう決めてます。まだ幼いので年頃になった頃、婚約者としたいです。』父上も母上も俺も衝撃を受けて、どれだけ幼いのか!!って騒ぎになって……カル兄様のロリコン疑惑が浮上したんだ。」
カル………何て言い方をしてるのですか。
学年一つしか変わりませんわ。
そんな言い方をするからロリコン疑惑が浮上するのですよ。
「何を隠したかったのかわかりませんわね。」
「そう!それ!!俺も気になってさカル兄様に聞いたんだ。そしたら『まだ社交界デビューも学園入学もしてないんだ。今公表すると俺と一緒に人前にでなければならなくなる。可愛い姿を他の者に見せたくないからな。まだ俺だけの空間だけでいい。俺だけが知っていればいいだけだ。』なんて言うから父上も母上も俺も驚愕で何も言えなかった。」
…………ちょっと待ってください。
なんですのその会話は………私のことです?
そんなに前から私は狙われてましたの?
カルの中では本当に幼いときから私を婚約者に考えてくれてたのですか………?
「カル兄様は元々外面は完璧だけど、何処か冷めきってる部分があるように感じてたから誰かに独占欲あるところが見れて母上は泣いていたよ。だから、王家としてはカル兄様の決めた人は絶対に逃がさないって家訓があるんだ。」
なんですって!?
そんな恐ろしい家訓が?王家に?
もうここまできたら逃げるつもりはありませんが、結局逃げられないということですわね。
外壁を埋められるどころか、根本的に婚約をお断りすること事態不可能だったということですわね。
「私はカルが『真実の愛を見つけた』と他のご令嬢に心変わりをしない限り婚約を解消することはないですわ。」
「いやいやいや、それはまずないだろうね。今までカル兄様が囲い大事にしてきたリティアナとこのタイミングで婚約発表……………それに婚約の打診がリティアナにも来ていたのにカル兄様と何事もなく婚約…………カル兄様が裏で何かしたに違いない。考えるだけでも恐ろしい執着心だ。そんなカル兄様がリティアナを裏切るわけないだろ。」
ロレインが慌てて否定するところまでは聞こえてきたのですが、急に声が聞こえなくなりロレインがブツブツと何か言っていますが聞こえませんわ。
私の耳がおかしくなってのでしょうか?
ロレインを見てると急に青ざめた顔をして私の後方を見ている。
何かあるのかと振り向くとこちらに歩いてきているカルがいます。
「リティとロレインがお茶してるところ悪いね。」
あら?急に声が聞こえるようになりましたわ。
「カッカル兄様、リティアナとお茶してただけです。」
何故ロレインの顔は青白くなってるのでしょう?
「わかっているよ。ただし、リティに余計なことは言わないようにね。何も知らないからさ。」
カルはロレインの耳元で何か言っていたけど私には聞こえなかった。
何か伝達があったのかしら?ロレインも王子様だし忙しいわよね。
「もしかしてロレイン忙しい合間にお茶してくれたの?気付けずごめんなさい。また留学先に帰る前にでも声かけてね。」
「そうだ。ロレインもうすぐサフィアが来る時間だよな。」
ロレインがはっ!として時間を確認すると慌てて立ち上がり、私とカルに向かって
「リティアナ、また時間ができたら今度はサフィアを交えて皆でお茶をしよう。」
そう言って慌てて去っていきましたわ。
よほどサフィア様にお逢いしたいのね。ふふふ。
幼いときからロレインはサフィア様一筋ですものね。
「リティ、今日はもう予定がないんだ。俺の部屋に行こう。」
私の手をひいてエスコートしてくれますが………今何て言いました??
王宮について開口一番にロレインから言われた一言。
突っ込んでもよろしいでしょうか?
「ロレイン、どういうこと?私だと不服ってこと?」
ロレインに王宮へ呼ばれて庭園でお茶をしているが、留学先のことではなくカルの婚約者の私の話をしている。
「いや、違う違う。俺はカル兄様の相手がリティアナで嬉しく思ってるよ。そうじゃなくて、数年前に父上と母上から婚約者を決めるようカル兄様は言われてたんだよね。その時カル兄様は『婚約者はもう決めてます。まだ幼いので年頃になった頃、婚約者としたいです。』父上も母上も俺も衝撃を受けて、どれだけ幼いのか!!って騒ぎになって……カル兄様のロリコン疑惑が浮上したんだ。」
カル………何て言い方をしてるのですか。
学年一つしか変わりませんわ。
そんな言い方をするからロリコン疑惑が浮上するのですよ。
「何を隠したかったのかわかりませんわね。」
「そう!それ!!俺も気になってさカル兄様に聞いたんだ。そしたら『まだ社交界デビューも学園入学もしてないんだ。今公表すると俺と一緒に人前にでなければならなくなる。可愛い姿を他の者に見せたくないからな。まだ俺だけの空間だけでいい。俺だけが知っていればいいだけだ。』なんて言うから父上も母上も俺も驚愕で何も言えなかった。」
…………ちょっと待ってください。
なんですのその会話は………私のことです?
そんなに前から私は狙われてましたの?
カルの中では本当に幼いときから私を婚約者に考えてくれてたのですか………?
「カル兄様は元々外面は完璧だけど、何処か冷めきってる部分があるように感じてたから誰かに独占欲あるところが見れて母上は泣いていたよ。だから、王家としてはカル兄様の決めた人は絶対に逃がさないって家訓があるんだ。」
なんですって!?
そんな恐ろしい家訓が?王家に?
もうここまできたら逃げるつもりはありませんが、結局逃げられないということですわね。
外壁を埋められるどころか、根本的に婚約をお断りすること事態不可能だったということですわね。
「私はカルが『真実の愛を見つけた』と他のご令嬢に心変わりをしない限り婚約を解消することはないですわ。」
「いやいやいや、それはまずないだろうね。今までカル兄様が囲い大事にしてきたリティアナとこのタイミングで婚約発表……………それに婚約の打診がリティアナにも来ていたのにカル兄様と何事もなく婚約…………カル兄様が裏で何かしたに違いない。考えるだけでも恐ろしい執着心だ。そんなカル兄様がリティアナを裏切るわけないだろ。」
ロレインが慌てて否定するところまでは聞こえてきたのですが、急に声が聞こえなくなりロレインがブツブツと何か言っていますが聞こえませんわ。
私の耳がおかしくなってのでしょうか?
ロレインを見てると急に青ざめた顔をして私の後方を見ている。
何かあるのかと振り向くとこちらに歩いてきているカルがいます。
「リティとロレインがお茶してるところ悪いね。」
あら?急に声が聞こえるようになりましたわ。
「カッカル兄様、リティアナとお茶してただけです。」
何故ロレインの顔は青白くなってるのでしょう?
「わかっているよ。ただし、リティに余計なことは言わないようにね。何も知らないからさ。」
カルはロレインの耳元で何か言っていたけど私には聞こえなかった。
何か伝達があったのかしら?ロレインも王子様だし忙しいわよね。
「もしかしてロレイン忙しい合間にお茶してくれたの?気付けずごめんなさい。また留学先に帰る前にでも声かけてね。」
「そうだ。ロレインもうすぐサフィアが来る時間だよな。」
ロレインがはっ!として時間を確認すると慌てて立ち上がり、私とカルに向かって
「リティアナ、また時間ができたら今度はサフィアを交えて皆でお茶をしよう。」
そう言って慌てて去っていきましたわ。
よほどサフィア様にお逢いしたいのね。ふふふ。
幼いときからロレインはサフィア様一筋ですものね。
「リティ、今日はもう予定がないんだ。俺の部屋に行こう。」
私の手をひいてエスコートしてくれますが………今何て言いました??
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