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第11話
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すると、盗賊達の横から女の声で、
「秘剣・魔刃乱舞!!」
と聞こえるや、白刃の一閃と共に盗賊達にかまいたちのような見えない刃がブワッ、という音と共に襲いかかる。
「…………う、うわぁぁぁっっーーーーー!!??」
一瞬にして盗賊達のバンダナと服が切り裂かれて全員素っ裸になってしまい、全員ナイフを握ったまま両手で股間を隠してうずくまる。
「……お、覚えてろーーーーーーー!!!」
リーダー格の小男が股間を隠しながら叫んで逃げ出すと、手下の男達も股間をしっかりと隠しながら、
「お頭~~~~~!!待ってくだせぇっっ~~~~!!」
と、情けない声を上げつつ小男の後を追いかけて去って行った……。
「………全く、前回といい今回といいあいつら一体何なんだ…………?」
呟いて、助けてくれた何者かに顔を向けると、
「……あれっ!?アンタ、確か昨日リルと宿屋で頭をぶつけた人?」
「……なんじゃ主か。まあ、我らだけで十分だったのじゃがな!!」
空気を読まないリルがドヤる。
「お~~~。お前か!あの後、大丈夫だったかい?」
ウェンディが微笑みながら問いかけると、
「……ええ、まあ。本当に奇遇ですね。……でもダメじゃないですか!ここは最近危ないんですよ?」
と、少し戸惑った様子の彼女が、ー俺達を普通の旅人と勘違いしているのだろうー注意した。
すると、
「大丈夫じゃ!こう見えてもなんせ、わしらは魔導騎士団じゃからのう!!」
と、リルがすかさず鼻高々に言い放つ。
それを聞いて、
「まあ、そうなんですの?……それでは私、余計なことをしちゃいましたかね?」
あちゃー失敗したー、という風に片目をしかめる彼女。
「……まあ、良い!一応、助かったぞ。礼を言おう!ご苦労じゃった!」
おお!!
テヘでウェンディに助けてもらった時には礼の一つも言わなかったリルが、殊勝にもお礼の言葉を口にしている。珍しい事もあるもんだ!
………ただ、横でなにか言いたげにほっぺたを膨らませたウェンディがジト目で見ているが、それはいいのか?
「そうだ!……申し遅れました!
私の名前はリーン・エシャロットと言います。よろしくお願いします!」
と、リーンは礼儀正しく深々と頭を下げた。
俺達も釣られてめいめい軽く頭を下げ、感謝の言葉を口にする。
「……わしらは任務の為、バヌーを目指している最中じゃ。それで、主の方は何でこんな所にいたんじゃ?」
「私ちょっと、この先の橋の向こうにあるクリガ、という街に用事がありまして………。
そうだ!良ければクリガまでご一緒させてもらえませんか?」
パンッ、と両手を合わせたリーンがこちらに微笑みかけ、提案する。
「……しょうがないのう!良いぞ!」
「クリガまでよろしくなっ!!」
「……よろしくお願いします………。」
「よろしく!」
「よろしくっすーーー!!」
「きゅきゅきゅきゅ!!」
と、それぞれ了承の返事を返して、俺達はリーンと共に森の奥へと足を進めていった。
「秘剣・魔刃乱舞!!」
と聞こえるや、白刃の一閃と共に盗賊達にかまいたちのような見えない刃がブワッ、という音と共に襲いかかる。
「…………う、うわぁぁぁっっーーーーー!!??」
一瞬にして盗賊達のバンダナと服が切り裂かれて全員素っ裸になってしまい、全員ナイフを握ったまま両手で股間を隠してうずくまる。
「……お、覚えてろーーーーーーー!!!」
リーダー格の小男が股間を隠しながら叫んで逃げ出すと、手下の男達も股間をしっかりと隠しながら、
「お頭~~~~~!!待ってくだせぇっっ~~~~!!」
と、情けない声を上げつつ小男の後を追いかけて去って行った……。
「………全く、前回といい今回といいあいつら一体何なんだ…………?」
呟いて、助けてくれた何者かに顔を向けると、
「……あれっ!?アンタ、確か昨日リルと宿屋で頭をぶつけた人?」
「……なんじゃ主か。まあ、我らだけで十分だったのじゃがな!!」
空気を読まないリルがドヤる。
「お~~~。お前か!あの後、大丈夫だったかい?」
ウェンディが微笑みながら問いかけると、
「……ええ、まあ。本当に奇遇ですね。……でもダメじゃないですか!ここは最近危ないんですよ?」
と、少し戸惑った様子の彼女が、ー俺達を普通の旅人と勘違いしているのだろうー注意した。
すると、
「大丈夫じゃ!こう見えてもなんせ、わしらは魔導騎士団じゃからのう!!」
と、リルがすかさず鼻高々に言い放つ。
それを聞いて、
「まあ、そうなんですの?……それでは私、余計なことをしちゃいましたかね?」
あちゃー失敗したー、という風に片目をしかめる彼女。
「……まあ、良い!一応、助かったぞ。礼を言おう!ご苦労じゃった!」
おお!!
テヘでウェンディに助けてもらった時には礼の一つも言わなかったリルが、殊勝にもお礼の言葉を口にしている。珍しい事もあるもんだ!
………ただ、横でなにか言いたげにほっぺたを膨らませたウェンディがジト目で見ているが、それはいいのか?
「そうだ!……申し遅れました!
私の名前はリーン・エシャロットと言います。よろしくお願いします!」
と、リーンは礼儀正しく深々と頭を下げた。
俺達も釣られてめいめい軽く頭を下げ、感謝の言葉を口にする。
「……わしらは任務の為、バヌーを目指している最中じゃ。それで、主の方は何でこんな所にいたんじゃ?」
「私ちょっと、この先の橋の向こうにあるクリガ、という街に用事がありまして………。
そうだ!良ければクリガまでご一緒させてもらえませんか?」
パンッ、と両手を合わせたリーンがこちらに微笑みかけ、提案する。
「……しょうがないのう!良いぞ!」
「クリガまでよろしくなっ!!」
「……よろしくお願いします………。」
「よろしく!」
「よろしくっすーーー!!」
「きゅきゅきゅきゅ!!」
と、それぞれ了承の返事を返して、俺達はリーンと共に森の奥へと足を進めていった。
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