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第39話
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「…………そういえば………………」
マキは、遅ればせながらも上着のポケットに入れていたはずの携帯を探した。
「…………あった。……なんで?普通はこんなもの、監禁するときに別にしておくものじゃないの?」
不思議に思いながら携帯のロックを外すと、110番通報しようとした。
「……………………あれ?なんで!?」
しかし、何故か通話アプリが起動しない。
それどころか、ネットにも繋げなくなっている。
もちろん、メールも送れない。
「………………………………………………………………」
……そういうことか。どうやったのかは分からないけれども、予め犯人たちは携帯に細工していたってことか。
だから、安心して元の場所に戻しておいた?
「…………人をおちょくるのも大概にしなさいよッッ!!」
激昂のあまり、手に持っていた携帯を地面に叩きつける。
「…………いけないっ!こんなことしてたら犯人に……………………」
マキが冷静になってそう呟いたとき、マキの背後の茂みからパーカーのフードを目深に被り、口元をマスクで覆い隠した男がのっそりと姿を現した。
「……いやああああああああああああああ!!」
その姿を見たマキは、絶叫を上げて後ずさった。
……犯人に見つかってしまった!!何とか逃げないと!!
踵を返して走ろうとしたマキの首筋に後ろから冷たい金属のようなものが押し当てられると、バチッッ!!という音と共に、マキの全身に電気が走り、マキはその場に昏倒した。
「……ったくっ!!手こずらせやがってっ!!
……フンッ!たっぷり可愛がってやるよっ!!」
失われていく意識の中で、この声、何処かで聞いたことがあるような気がする、とマキは思った。
◆ ◆ ◆ ◆
……………………………………………………………………。
………………………………………………。
………………………………。
マキは、頭に鈍い痛みを感じながら目を覚ました。
「………………………………………………………………」
そして、自分が再びベッドの上に拘束されていることを認識すると、言葉にならない絶望がマキに襲いかかった。
………………今度こそもうお仕舞いだ。
自分は千載一遇のチャンスを棒に振ってしまった。
マキの全身からフッと力が抜けていく。
ーーと、キィ、と音を立てて扉が開くと、目を真っ赤に充血させ怒りのあまり顔色がどす黒く染まった、パーカーを着てマスクをした男が一人入ってきた。
…………あれ?この人、どこかで……………………。
男はマキに近づくと、
「おいっっ!!お前っ!!サトミから渡されたバッグ、どこにやりやがったっっ!?」
その男の言葉に、私を逃がしてくれたあの女の人、サトミって名前なんだ、とボンヤリ、マキは思った。
……マキは、犯人から逃亡している最中、万が一のことを考えて、茂みにバッグを隠しておいたのだった。
そのことを頭の隅で思いだしながら、
「…………どうせ、これから私は殺されるんでしょ?……だったら、答える必要、ないじゃない…………」
マキは、プイ、と男から顔を逸らして呻くように答えた。
男は、マキの顎を右手で掴みながら、
「おいっ!テメエ、ふざけんじゃねえぞ!!」
と、詰め寄る。
しかし、もうすっかり気力の萎えたマキは、光の失われた虚ろな眼でそんな男をただ見つめるばかりで、一向に答えようとはしない。
マキの顎から乱暴に手を離すと男が言った。
「……上等じゃねえかっっ!それじゃあ、話したくなるまでゆっくり拷問タイムといこうじゃねえかっっ!!」
男は、シンクの上にあった一本のメスを取り上げると、込み上げる怒りを暴走しないよう、押さえ込みながらマキに再び近づいていった。
マキは、遅ればせながらも上着のポケットに入れていたはずの携帯を探した。
「…………あった。……なんで?普通はこんなもの、監禁するときに別にしておくものじゃないの?」
不思議に思いながら携帯のロックを外すと、110番通報しようとした。
「……………………あれ?なんで!?」
しかし、何故か通話アプリが起動しない。
それどころか、ネットにも繋げなくなっている。
もちろん、メールも送れない。
「………………………………………………………………」
……そういうことか。どうやったのかは分からないけれども、予め犯人たちは携帯に細工していたってことか。
だから、安心して元の場所に戻しておいた?
「…………人をおちょくるのも大概にしなさいよッッ!!」
激昂のあまり、手に持っていた携帯を地面に叩きつける。
「…………いけないっ!こんなことしてたら犯人に……………………」
マキが冷静になってそう呟いたとき、マキの背後の茂みからパーカーのフードを目深に被り、口元をマスクで覆い隠した男がのっそりと姿を現した。
「……いやああああああああああああああ!!」
その姿を見たマキは、絶叫を上げて後ずさった。
……犯人に見つかってしまった!!何とか逃げないと!!
踵を返して走ろうとしたマキの首筋に後ろから冷たい金属のようなものが押し当てられると、バチッッ!!という音と共に、マキの全身に電気が走り、マキはその場に昏倒した。
「……ったくっ!!手こずらせやがってっ!!
……フンッ!たっぷり可愛がってやるよっ!!」
失われていく意識の中で、この声、何処かで聞いたことがあるような気がする、とマキは思った。
◆ ◆ ◆ ◆
……………………………………………………………………。
………………………………………………。
………………………………。
マキは、頭に鈍い痛みを感じながら目を覚ました。
「………………………………………………………………」
そして、自分が再びベッドの上に拘束されていることを認識すると、言葉にならない絶望がマキに襲いかかった。
………………今度こそもうお仕舞いだ。
自分は千載一遇のチャンスを棒に振ってしまった。
マキの全身からフッと力が抜けていく。
ーーと、キィ、と音を立てて扉が開くと、目を真っ赤に充血させ怒りのあまり顔色がどす黒く染まった、パーカーを着てマスクをした男が一人入ってきた。
…………あれ?この人、どこかで……………………。
男はマキに近づくと、
「おいっっ!!お前っ!!サトミから渡されたバッグ、どこにやりやがったっっ!?」
その男の言葉に、私を逃がしてくれたあの女の人、サトミって名前なんだ、とボンヤリ、マキは思った。
……マキは、犯人から逃亡している最中、万が一のことを考えて、茂みにバッグを隠しておいたのだった。
そのことを頭の隅で思いだしながら、
「…………どうせ、これから私は殺されるんでしょ?……だったら、答える必要、ないじゃない…………」
マキは、プイ、と男から顔を逸らして呻くように答えた。
男は、マキの顎を右手で掴みながら、
「おいっ!テメエ、ふざけんじゃねえぞ!!」
と、詰め寄る。
しかし、もうすっかり気力の萎えたマキは、光の失われた虚ろな眼でそんな男をただ見つめるばかりで、一向に答えようとはしない。
マキの顎から乱暴に手を離すと男が言った。
「……上等じゃねえかっっ!それじゃあ、話したくなるまでゆっくり拷問タイムといこうじゃねえかっっ!!」
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