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第26話
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10月30日
「ハアハアハア…………。ま、また、発見されました!!」
ざわついている、連続殺人事件の捜査本部に一人の刑事が駆け込んでくるなり、そう報告した。
「……またか?」
うんざりした顔の宇都宮が、ため息混じりにそう言った。
最後に遺体が発見されたのは、9月7日で、今月はまだ遺体が発見されていなかった為、10月はどうやら犯人もこちらの動きを警戒して、被害者は出ないものと考えていた、捜査本部の面々の顔に暗い影が射す。
「…………しかし、動画投稿サイトには、新しい動画はまだ、上がってなかった筈だが…………。」
報告に現れた刑事とは別の一人が、そう呟く。
「……よし!すぐにサイトを確認するんだ!!ひょっとすると、また別のサイトに上げているのかもしれん!!」
そう部下達に命じつつも、宇都宮は内心で頭を抱えていた。
…………このままでは、俺は首になって、別の奴に捜査の指揮権が回されちまうかもしれないな……。
……入江の娘も犯人に拐われてからというもの、相変わらずその行方は知れない。
…………とりあえずは、今回発見された遺体が、京子のものではないことを祈るしかない、か。
連続殺人事件発生から8カ月、S警察署の捜査本部は、未だに犯人に繋がる証拠を何一つ見つけられないでいた。その必死の捜査にも関わらず。
宇都宮が、かねてから懸念していた通りに、事は進みつつあった。
同10月30日
入江京子が犯人に拉致され、無機質なこのコンクリートの部屋に閉じ込められてから、一週間が過ぎようとしていた。
毎日毎日、段ボールの中のクッキーと水を食事として摂取し、ボーッとしているしかない。
…………退屈すぎる。
せめて、スマホがあればいいのに……………。
あっ、でも、あってもどうせ犯人がネットには繋げないようにしてるか…………。……そうだよね。じゃなきゃ、とっくに犯人は逮捕されて私は救い出されてるっつーの。
京子は、ビロード張りのソファーに身を横たえて、そんなことを考え思わず、「……ハァー……」と吐息を漏らした。
「……私一体いつになったら解放されるんだろう?」
スマホどころか、テレビやラジオなどもないこの部屋ではひたすら、ボーッとしているしかやることがない。
犯人は、何を考えて私を拉致監禁しているんだろう?身代金誘拐?でも、それにしては、ストーカー然とした、行動がどうにもわからない。
当初は、きっと乱暴されるんだろうな、と思っていたものの、いつまでたってもその日は訪れず、釈然としない思いを抱え、京子は悶々としてソファーの上で寝返りを打った。
…………天井の通風口からは、ただパラパラと雨の降る音だけが響いてきていた。
「ハアハアハア…………。ま、また、発見されました!!」
ざわついている、連続殺人事件の捜査本部に一人の刑事が駆け込んでくるなり、そう報告した。
「……またか?」
うんざりした顔の宇都宮が、ため息混じりにそう言った。
最後に遺体が発見されたのは、9月7日で、今月はまだ遺体が発見されていなかった為、10月はどうやら犯人もこちらの動きを警戒して、被害者は出ないものと考えていた、捜査本部の面々の顔に暗い影が射す。
「…………しかし、動画投稿サイトには、新しい動画はまだ、上がってなかった筈だが…………。」
報告に現れた刑事とは別の一人が、そう呟く。
「……よし!すぐにサイトを確認するんだ!!ひょっとすると、また別のサイトに上げているのかもしれん!!」
そう部下達に命じつつも、宇都宮は内心で頭を抱えていた。
…………このままでは、俺は首になって、別の奴に捜査の指揮権が回されちまうかもしれないな……。
……入江の娘も犯人に拐われてからというもの、相変わらずその行方は知れない。
…………とりあえずは、今回発見された遺体が、京子のものではないことを祈るしかない、か。
連続殺人事件発生から8カ月、S警察署の捜査本部は、未だに犯人に繋がる証拠を何一つ見つけられないでいた。その必死の捜査にも関わらず。
宇都宮が、かねてから懸念していた通りに、事は進みつつあった。
同10月30日
入江京子が犯人に拉致され、無機質なこのコンクリートの部屋に閉じ込められてから、一週間が過ぎようとしていた。
毎日毎日、段ボールの中のクッキーと水を食事として摂取し、ボーッとしているしかない。
…………退屈すぎる。
せめて、スマホがあればいいのに……………。
あっ、でも、あってもどうせ犯人がネットには繋げないようにしてるか…………。……そうだよね。じゃなきゃ、とっくに犯人は逮捕されて私は救い出されてるっつーの。
京子は、ビロード張りのソファーに身を横たえて、そんなことを考え思わず、「……ハァー……」と吐息を漏らした。
「……私一体いつになったら解放されるんだろう?」
スマホどころか、テレビやラジオなどもないこの部屋ではひたすら、ボーッとしているしかやることがない。
犯人は、何を考えて私を拉致監禁しているんだろう?身代金誘拐?でも、それにしては、ストーカー然とした、行動がどうにもわからない。
当初は、きっと乱暴されるんだろうな、と思っていたものの、いつまでたってもその日は訪れず、釈然としない思いを抱え、京子は悶々としてソファーの上で寝返りを打った。
…………天井の通風口からは、ただパラパラと雨の降る音だけが響いてきていた。
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