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第23話
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10月23日
「…………あれ、ここどこ?私、たしか桃香達とカラオケに行って…………それから…………。うぅっっ!!頭が痛い…………!!」
京子は、高そうな赤いビロードに覆われた長椅子の上で目を覚ました。
ストーカーに拐われてきた京子は、あれからコンクリートが剥き出しの、10畳ほどの広さの部屋に監禁されていた。
部屋の中央には、一組のデスクセット。
机の上には、ノートパソコンが置かれており、今その電源は落とされている。
しばらくの間、長椅子の上で頭を抱えてうずくまっていた京子は、やがて頭痛がおさまると、部屋の中をキョロキョロと見回した。
パソコンが置かれている机の端には、B5程の大きさの白い紙が、一枚、二つ折りにして置かれている。
京子が、机に近づいてその紙を取り上げ目を通すと、そこには、"どうぞ、おくつろぎください。その時まで……"、と何やら意味深な一文が書かれてあった。
「…………何よ?これ…………。」
京子は、紙を机に戻すと、気味が悪そうに呟いた。
部屋の片隅には頑丈そうな木の扉があり、京子は近づいてそのドアノブを捻った。
ガチャガチャッ。ガチャガチャッ。
いくら京子がノブを捻って扉を押し引きしても、扉はびくともせずに、開かない。
「………………そうだ!思い出した!私、遊びに行った帰り道で、あの変態野郎に………………。」
京子の頭に、ストーカーに拐われたときの光景がまざまざと浮かんできた。
確か、あの時、誰かがストーカーを止めようとして、何かの液体をぶちまかれていたような?…………。
「…………あの人、大丈夫なのかな?」
京子の頭上からは、かすかに雨音が響いてきていた。
それを聞きつけた京子がおもむろに上を見上げると、そこには、鉄製の格子が設けられており、どうやらそこから、雨音は響いてきているらしい。
格子の奥には、真っ暗な闇が広がっている。
京子がふと、自分の寝ていた長椅子へ目をやると、長椅子の横には段ボールの箱が一つポツンと置かれていた。
京子は段ボールの箱に近づいて屈み、箱を開ける。
すると、その中には、カロリーメ○トのような、箱に入った栄養補助食品と、ペットボトルに入った水とが、ギッシリ詰められていた。
グ~~~ッッ!それを見た京子の腹が鳴り響いた。
…………そういえば、夕食を食べていなかったからか、さっきからやけにお腹、空いてるな…………。
京子は、段ボールの中の栄養補助食品の箱を一つ取り上げると、その箱を開け、個別包装の袋を破き、中のクッキー状の食品をボリボリとかじり始めた。
◆ ◆ ◆ ◆
「……グフフフフフ…………。京子たん、可愛いよぉ……。」
薄暗い部屋の中で、モニターの並んだ壁の、正面の椅子に腰かけた男が、そんな京子の様子を覗きながら、不気味な笑い声を漏らした。
「…………あれ、ここどこ?私、たしか桃香達とカラオケに行って…………それから…………。うぅっっ!!頭が痛い…………!!」
京子は、高そうな赤いビロードに覆われた長椅子の上で目を覚ました。
ストーカーに拐われてきた京子は、あれからコンクリートが剥き出しの、10畳ほどの広さの部屋に監禁されていた。
部屋の中央には、一組のデスクセット。
机の上には、ノートパソコンが置かれており、今その電源は落とされている。
しばらくの間、長椅子の上で頭を抱えてうずくまっていた京子は、やがて頭痛がおさまると、部屋の中をキョロキョロと見回した。
パソコンが置かれている机の端には、B5程の大きさの白い紙が、一枚、二つ折りにして置かれている。
京子が、机に近づいてその紙を取り上げ目を通すと、そこには、"どうぞ、おくつろぎください。その時まで……"、と何やら意味深な一文が書かれてあった。
「…………何よ?これ…………。」
京子は、紙を机に戻すと、気味が悪そうに呟いた。
部屋の片隅には頑丈そうな木の扉があり、京子は近づいてそのドアノブを捻った。
ガチャガチャッ。ガチャガチャッ。
いくら京子がノブを捻って扉を押し引きしても、扉はびくともせずに、開かない。
「………………そうだ!思い出した!私、遊びに行った帰り道で、あの変態野郎に………………。」
京子の頭に、ストーカーに拐われたときの光景がまざまざと浮かんできた。
確か、あの時、誰かがストーカーを止めようとして、何かの液体をぶちまかれていたような?…………。
「…………あの人、大丈夫なのかな?」
京子の頭上からは、かすかに雨音が響いてきていた。
それを聞きつけた京子がおもむろに上を見上げると、そこには、鉄製の格子が設けられており、どうやらそこから、雨音は響いてきているらしい。
格子の奥には、真っ暗な闇が広がっている。
京子がふと、自分の寝ていた長椅子へ目をやると、長椅子の横には段ボールの箱が一つポツンと置かれていた。
京子は段ボールの箱に近づいて屈み、箱を開ける。
すると、その中には、カロリーメ○トのような、箱に入った栄養補助食品と、ペットボトルに入った水とが、ギッシリ詰められていた。
グ~~~ッッ!それを見た京子の腹が鳴り響いた。
…………そういえば、夕食を食べていなかったからか、さっきからやけにお腹、空いてるな…………。
京子は、段ボールの中の栄養補助食品の箱を一つ取り上げると、その箱を開け、個別包装の袋を破き、中のクッキー状の食品をボリボリとかじり始めた。
◆ ◆ ◆ ◆
「……グフフフフフ…………。京子たん、可愛いよぉ……。」
薄暗い部屋の中で、モニターの並んだ壁の、正面の椅子に腰かけた男が、そんな京子の様子を覗きながら、不気味な笑い声を漏らした。
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