42 / 48
四章
四十二話 国境最前線へ
しおりを挟む
国境に到着したハイラルは、険しい顔をする。
そこには数え切れないほどの天幕が立ち並んでいた。さらにその周囲を武装した兵士たちが巡回している。
「ハイラル殿下! エクレール殿下も聖女様も、よくぞお出でくださいました! 援軍派兵、感謝いたします!」
「うむ、ご苦労。状況はどうなっている?」
「はい、殿下。敵兵は開戦初日からしばらくは突撃攻撃を繰り返しておりました。しかし国境警備隊が敵軍の攻撃を耐えきった現在は膠着状態が続いております。今のところは目立った動きはありませんが、いつまた攻めてくるかも分かりません」
「なるほど……敵軍の規模は掴めているか?」
「はい。先ほど斥候隊の報告によりますと、開戦時点の敵の総数は約三万人と判明致しました」
「三万か……確かルイン王国軍の総数は五万だったな。という事はこの戦いに総力の半数以上をつぎ込んでいるのか。それに対して国境警備隊の人数は一万五千だったな。半分の数で数日間攻撃を耐えきり、膠着状態に持ち込めたのか。素晴らしい、よくやってくれた!」
「はっ! ありがたきお言葉です!」
「帝国軍の総数は三十万、今回援軍に派兵された近衛兵団は二万だ。他にも各地から援軍が派兵されこの戦線へ向かっている。戦力差は歴然だ。今が踏ん張り所だ、各兵は奮励努力せよ!」
「はいっ!!」
ハイラルは陣地に入ると、兵たちを鼓舞して回った。
戦力上は有利な上に、第一皇子自らが戦線に来て共に戦うとあって、帝国兵たちは高揚し指揮が跳ね上がる。
「ハイラル兄さん、報告……ロラン兄さんの交渉のおかげで、近隣領主たちの協力を取り付けられた……これで補給面も不安はなくなったよ……!」
エクレールも嬉しそうだ。ハイラルも笑う。
「それは良かった! ロランの奴、よくやってくれたな! ロランの働きに報いる為にも、何としてでもルイン王国軍を打倒し追い返すぞ!!」
「「「おおーっ!!」」」
帝国兵たちが歓声を上げる中、アリーシャは負傷兵たちの治療にあたる。
「うぅぅ……」
「大丈夫ですか? さあ、このポーションを飲んでください」
「あぁぁ……」
「お気を確かに! 大丈夫、致命傷ではありません。すぐに傷を癒します……!」
アリーシャが作るポーションは効果抜群で、ポーションを飲んだ兵士たちの傷が癒えていく。
さらに治療の力を使って、深手を負って苦しんでいた兵士たちの傷が塞がり、表情が穏やかになっていった。
アリーシャの癒しの力を目の当たりにした帝国兵たちからは感嘆の声が上がる。
「あれが聖女の力……!」
「噂には聞いていたが、まさかこれほどのものとは……」
「これが女神様の御業なのか!?」
帝国兵たちにとって、聖女の力はまさしく奇跡の光。
アリーシャの献身的な姿に心を打たれると同時に、帝国兵たちは奮起した。
「聖女様と皇子様方がいらっしゃれば、我らアストラ帝国が敗ける筈もない!!」
「ああ! 帝国万歳! アストラ帝国に栄光あれ!!」
帝国兵たちは声を上げて士気を高める。
すると、そこにエクレールがフィールドキッチンと共にやってきた。
「はいはーい、注目……やる気を出すのはいいけど、腹が減っては戦はできないからね……ボクが開発したフィールドキッチンで炊き出しを行うから、みんなまずはお腹を満たして英気を養いましょうね」
「おおおっ! なんという香しい香り!!」
「うぅっ、まさか戦場で温かいスープと焼きたてのパンが食べられるとは……感激です!!」
「エクレール様、本当に料理が上手ですね」
「ふふん、まあね。これでも料理は得意なんだ」
エクレールは自慢げに胸を張る。アリーシャは笑みを浮かべた。
こうして戦力、補給、胃袋、治療のすべてを満たされた国境軍はますます士気を高めた。
そして来るべき決戦に向けて、英気を養うのだった。
***
数日後――ついにルイン王国の大軍勢が国境の防衛線を突破して、国境を越えてきた。
それを察知したハイラルは全軍に檄を飛ばす。
「皆のもの、いよいよ来たぞ!! ルイン王国軍が国境を越えた! これより我々は敵と交戦する! だが、決して恐れる事はない! 我等には女神様がついておられる! 勝利は我々のものだ! いざ進め! 進軍開始!!」
「「うぉぉぉぉぉ!!!」」
アストラ軍は一斉に進軍を開始した。
最高潮に士気が高まっていたアストラ軍は、破竹の勢いでルイン軍を撃破していく。
ハイラルは自軍の優位を感じながら、自ら前線に立って剣を振るう。
「はあっ!」
「ぐわぁっ!」
ハイラルの一振りによって敵軍の兵士の首が飛ぶ。その様子を見たルイン王国軍の兵士たちは動揺した。
「嘘だろ……! たかが一人の男に、何でこんなにもやられてんだよ……!」
「馬鹿野郎! 何を怖じ気づいてやがる! 相手はたった一人だぞ! 数で押し潰せば問題ねえよ!」
「そ、そうだな!! 行くぞ――よしっ! いいぞ、敵は後退している! この勢いに任せて――ッ!?」
「うわああああああっ!?!?」
ハイラルは一旦退いたと見せかけて、ある地点にルイン王国兵を引き付ける。
ルイン王国兵が誘い込まれた地点に火の矢が突き刺さった。
アストラ帝国軍の背後にある高台の上から、エクレールが率いる部隊がルイン王国軍めがけて魔道具【火槍】を一斉に放った。
「なっ!?」
「ぎゃあああ!」
「ひぃっ!」
「ふぅ……やったよ、兄さん……後は頼むね……」
突如頭上から攻撃を受けたルイン王国軍は混乱する。ハイラルは叫んだ。
「今だ! 一気に敵陣を突破するぞ!」
「はっ!」
ハイラルの合図で、帝国兵たちは敵陣へと斬り込んでいく。
「くそっ! アストラ帝国の連中、やりやがった! 怯むんじゃねぇ! とにかく殺せ!」
ルイン王国の指揮官の叱咤に、ルイン王国兵は雄叫びを上げながら反撃を開始する。
しかしアストラ帝国軍は止まらない。
両軍入り乱れる混戦の中、ハイラルは次々と敵を屠っていく。
その鬼神の如き戦いぶりに、味方の帝国兵は奮い立ち、敵の王国兵は恐怖に駆られた。
やがてハイラル率いる帝国軍は敵軍の本陣に辿り着き、王国軍の指揮官を討ち取った。
「皆の者、聞け!! ルイン王国軍の敵将は討ち取った!! もはや勝敗は決した! 降伏せよ! さもなくば死だ!!」
「「「うおぉぉっ!!」」」
ハイラルの言葉に、帝国兵たちは歓喜の声を上げる。
しかしそれでも抵抗する王国兵たちに、ハイラルは最終通告をする。
「今、投降すれば命までは奪わない! これ以上の無駄な血を流すな! 武器を捨てよ!!」
その言葉に壊滅状態にあった王国兵の大勢が武器を捨て、帝国軍の捕虜になった。
こうして国境戦は、アストラ帝国の勝利に終わった。
ルイン王国軍は総力の半数以上を戦線に投入したが、その軍隊は壊滅。
アストラ帝国の皇子自らが戦線に立ち、新型兵器の威力を披露し、皇子自らが敵将を討ち取るという歴史的勝利を宣伝する事になった。
これにより、アストラ帝国とルイン王国とのパワーバランスが大きく変わる事になる。
ルイン王国がアストラ帝国を打倒する事は、ほぼ確定的となったのだった。
そこには数え切れないほどの天幕が立ち並んでいた。さらにその周囲を武装した兵士たちが巡回している。
「ハイラル殿下! エクレール殿下も聖女様も、よくぞお出でくださいました! 援軍派兵、感謝いたします!」
「うむ、ご苦労。状況はどうなっている?」
「はい、殿下。敵兵は開戦初日からしばらくは突撃攻撃を繰り返しておりました。しかし国境警備隊が敵軍の攻撃を耐えきった現在は膠着状態が続いております。今のところは目立った動きはありませんが、いつまた攻めてくるかも分かりません」
「なるほど……敵軍の規模は掴めているか?」
「はい。先ほど斥候隊の報告によりますと、開戦時点の敵の総数は約三万人と判明致しました」
「三万か……確かルイン王国軍の総数は五万だったな。という事はこの戦いに総力の半数以上をつぎ込んでいるのか。それに対して国境警備隊の人数は一万五千だったな。半分の数で数日間攻撃を耐えきり、膠着状態に持ち込めたのか。素晴らしい、よくやってくれた!」
「はっ! ありがたきお言葉です!」
「帝国軍の総数は三十万、今回援軍に派兵された近衛兵団は二万だ。他にも各地から援軍が派兵されこの戦線へ向かっている。戦力差は歴然だ。今が踏ん張り所だ、各兵は奮励努力せよ!」
「はいっ!!」
ハイラルは陣地に入ると、兵たちを鼓舞して回った。
戦力上は有利な上に、第一皇子自らが戦線に来て共に戦うとあって、帝国兵たちは高揚し指揮が跳ね上がる。
「ハイラル兄さん、報告……ロラン兄さんの交渉のおかげで、近隣領主たちの協力を取り付けられた……これで補給面も不安はなくなったよ……!」
エクレールも嬉しそうだ。ハイラルも笑う。
「それは良かった! ロランの奴、よくやってくれたな! ロランの働きに報いる為にも、何としてでもルイン王国軍を打倒し追い返すぞ!!」
「「「おおーっ!!」」」
帝国兵たちが歓声を上げる中、アリーシャは負傷兵たちの治療にあたる。
「うぅぅ……」
「大丈夫ですか? さあ、このポーションを飲んでください」
「あぁぁ……」
「お気を確かに! 大丈夫、致命傷ではありません。すぐに傷を癒します……!」
アリーシャが作るポーションは効果抜群で、ポーションを飲んだ兵士たちの傷が癒えていく。
さらに治療の力を使って、深手を負って苦しんでいた兵士たちの傷が塞がり、表情が穏やかになっていった。
アリーシャの癒しの力を目の当たりにした帝国兵たちからは感嘆の声が上がる。
「あれが聖女の力……!」
「噂には聞いていたが、まさかこれほどのものとは……」
「これが女神様の御業なのか!?」
帝国兵たちにとって、聖女の力はまさしく奇跡の光。
アリーシャの献身的な姿に心を打たれると同時に、帝国兵たちは奮起した。
「聖女様と皇子様方がいらっしゃれば、我らアストラ帝国が敗ける筈もない!!」
「ああ! 帝国万歳! アストラ帝国に栄光あれ!!」
帝国兵たちは声を上げて士気を高める。
すると、そこにエクレールがフィールドキッチンと共にやってきた。
「はいはーい、注目……やる気を出すのはいいけど、腹が減っては戦はできないからね……ボクが開発したフィールドキッチンで炊き出しを行うから、みんなまずはお腹を満たして英気を養いましょうね」
「おおおっ! なんという香しい香り!!」
「うぅっ、まさか戦場で温かいスープと焼きたてのパンが食べられるとは……感激です!!」
「エクレール様、本当に料理が上手ですね」
「ふふん、まあね。これでも料理は得意なんだ」
エクレールは自慢げに胸を張る。アリーシャは笑みを浮かべた。
こうして戦力、補給、胃袋、治療のすべてを満たされた国境軍はますます士気を高めた。
そして来るべき決戦に向けて、英気を養うのだった。
***
数日後――ついにルイン王国の大軍勢が国境の防衛線を突破して、国境を越えてきた。
それを察知したハイラルは全軍に檄を飛ばす。
「皆のもの、いよいよ来たぞ!! ルイン王国軍が国境を越えた! これより我々は敵と交戦する! だが、決して恐れる事はない! 我等には女神様がついておられる! 勝利は我々のものだ! いざ進め! 進軍開始!!」
「「うぉぉぉぉぉ!!!」」
アストラ軍は一斉に進軍を開始した。
最高潮に士気が高まっていたアストラ軍は、破竹の勢いでルイン軍を撃破していく。
ハイラルは自軍の優位を感じながら、自ら前線に立って剣を振るう。
「はあっ!」
「ぐわぁっ!」
ハイラルの一振りによって敵軍の兵士の首が飛ぶ。その様子を見たルイン王国軍の兵士たちは動揺した。
「嘘だろ……! たかが一人の男に、何でこんなにもやられてんだよ……!」
「馬鹿野郎! 何を怖じ気づいてやがる! 相手はたった一人だぞ! 数で押し潰せば問題ねえよ!」
「そ、そうだな!! 行くぞ――よしっ! いいぞ、敵は後退している! この勢いに任せて――ッ!?」
「うわああああああっ!?!?」
ハイラルは一旦退いたと見せかけて、ある地点にルイン王国兵を引き付ける。
ルイン王国兵が誘い込まれた地点に火の矢が突き刺さった。
アストラ帝国軍の背後にある高台の上から、エクレールが率いる部隊がルイン王国軍めがけて魔道具【火槍】を一斉に放った。
「なっ!?」
「ぎゃあああ!」
「ひぃっ!」
「ふぅ……やったよ、兄さん……後は頼むね……」
突如頭上から攻撃を受けたルイン王国軍は混乱する。ハイラルは叫んだ。
「今だ! 一気に敵陣を突破するぞ!」
「はっ!」
ハイラルの合図で、帝国兵たちは敵陣へと斬り込んでいく。
「くそっ! アストラ帝国の連中、やりやがった! 怯むんじゃねぇ! とにかく殺せ!」
ルイン王国の指揮官の叱咤に、ルイン王国兵は雄叫びを上げながら反撃を開始する。
しかしアストラ帝国軍は止まらない。
両軍入り乱れる混戦の中、ハイラルは次々と敵を屠っていく。
その鬼神の如き戦いぶりに、味方の帝国兵は奮い立ち、敵の王国兵は恐怖に駆られた。
やがてハイラル率いる帝国軍は敵軍の本陣に辿り着き、王国軍の指揮官を討ち取った。
「皆の者、聞け!! ルイン王国軍の敵将は討ち取った!! もはや勝敗は決した! 降伏せよ! さもなくば死だ!!」
「「「うおぉぉっ!!」」」
ハイラルの言葉に、帝国兵たちは歓喜の声を上げる。
しかしそれでも抵抗する王国兵たちに、ハイラルは最終通告をする。
「今、投降すれば命までは奪わない! これ以上の無駄な血を流すな! 武器を捨てよ!!」
その言葉に壊滅状態にあった王国兵の大勢が武器を捨て、帝国軍の捕虜になった。
こうして国境戦は、アストラ帝国の勝利に終わった。
ルイン王国軍は総力の半数以上を戦線に投入したが、その軍隊は壊滅。
アストラ帝国の皇子自らが戦線に立ち、新型兵器の威力を披露し、皇子自らが敵将を討ち取るという歴史的勝利を宣伝する事になった。
これにより、アストラ帝国とルイン王国とのパワーバランスが大きく変わる事になる。
ルイン王国がアストラ帝国を打倒する事は、ほぼ確定的となったのだった。
23
お気に入りに追加
1,353
あなたにおすすめの小説
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
私生児聖女は二束三文で売られた敵国で幸せになります!
近藤アリス
恋愛
私生児聖女のコルネリアは、敵国に二束三文で売られて嫁ぐことに。
「悪名高い国王のヴァルター様は私好みだし、みんな優しいし、ご飯美味しいし。あれ?この国最高ですわ!」
声を失った儚げ見た目のコルネリアが、勘違いされたり、幸せになったりする話。
※ざまぁはほんのり。安心のハッピーエンド設定です!
※「カクヨム」にも掲載しています。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
誰も信じてくれないので、森の獣達と暮らすことにしました。その結果、国が大変なことになっているようですが、私には関係ありません。
木山楽斗
恋愛
エルドー王国の聖女ミレイナは、予知夢で王国が龍に襲われるという事実を知った。
それを国の人々に伝えるものの、誰にも信じられず、それ所か虚言癖と避難されることになってしまう。
誰にも信じてもらえず、罵倒される。
そんな状況に疲弊した彼女は、国から出て行くことを決意した。
実はミレイナはエルドー王国で生まれ育ったという訳ではなかった。
彼女は、精霊の森という森で生まれ育ったのである。
故郷に戻った彼女は、兄弟のような関係の狼シャルピードと再会した。
彼はミレイナを快く受け入れてくれた。
こうして、彼女はシャルピードを含む森の獣達と平和に暮らすようになった。
そんな彼女の元に、ある時知らせが入ってくる。エルドー王国が、予知夢の通りに龍に襲われていると。
しかし、彼女は王国を助けようという気にはならなかった。
むしろ、散々忠告したのに、何も準備をしていなかった王国への失望が、強まるばかりだったのだ。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
「いなくても困らない」と言われたから、他国の皇帝妃になってやりました
ネコ
恋愛
「お前はいなくても困らない」。そう告げられた瞬間、私の心は凍りついた。王国一の高貴な婚約者を得たはずなのに、彼の裏切りはあまりにも身勝手だった。かくなる上は、誰もが恐れ多いと敬う帝国の皇帝のもとへ嫁ぐまで。失意の底で誓った決意が、私の運命を大きく変えていく。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
【完結】公爵家のメイドたる者、炊事、洗濯、剣に魔法に結界術も完璧でなくてどうします?〜聖女様、あなたに追放されたおかげで私は幸せになれました
冬月光輝
恋愛
ボルメルン王国の聖女、クラリス・マーティラスは王家の血を引く大貴族の令嬢であり、才能と美貌を兼ね備えた完璧な聖女だと国民から絶大な支持を受けていた。
代々聖女の家系であるマーティラス家に仕えているネルシュタイン家に生まれたエミリアは、大聖女お付きのメイドに相応しい人間になるために英才教育を施されており、クラリスの側近になる。
クラリスは能力はあるが、傍若無人の上にサボり癖のあり、すぐに癇癪を起こす手の付けられない性格だった。
それでも、エミリアは家を守るために懸命に彼女に尽くし努力する。クラリスがサボった時のフォローとして聖女しか使えないはずの結界術を独学でマスターするほどに。
そんな扱いを受けていたエミリアは偶然、落馬して大怪我を負っていたこの国の第四王子であるニックを助けたことがきっかけで、彼と婚約することとなる。
幸せを掴んだ彼女だが、理不尽の化身であるクラリスは身勝手な理由でエミリアをクビにした。
さらに彼女はクラリスによって第四王子を助けたのは自作自演だとあらぬ罪をでっち上げられ、家を潰されるかそれを飲み込むかの二択を迫られ、冤罪を被り国家追放に処される。
絶望して隣国に流れた彼女はまだ気付いていなかった、いつの間にかクラリスを遥かに超えるほどハイスペックになっていた自分に。
そして、彼女こそ国を守る要になっていたことに……。
エミリアが隣国で力を認められ巫女になった頃、ボルメルン王国はわがまま放題しているクラリスに反発する動きが見られるようになっていた――。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
結婚しましたが、愛されていません
うみか
恋愛
愛する人との結婚は最悪な結末を迎えた。
彼は私を毎日のように侮辱し、挙句の果てには不倫をして離婚を叫ぶ。
為す術なく離婚に応じた私だが、その後国王に呼び出され……
【完結】聖女になり損なった刺繍令嬢は逃亡先で幸福を知る。
みやこ嬢
恋愛
「ルーナ嬢、神聖なる聖女選定の場で不正を働くとは何事だ!」
魔法国アルケイミアでは魔力の多い貴族令嬢の中から聖女を選出し、王子の妃とするという古くからの習わしがある。
ところが、最終試験まで残ったクレモント侯爵家令嬢ルーナは不正を疑われて聖女候補から外されてしまう。聖女になり損なった失意のルーナは義兄から襲われたり高齢宰相の後妻に差し出されそうになるが、身を守るために侍女ティカと共に逃げ出した。
あてのない旅に出たルーナは、身を寄せた隣国シュベルトの街で運命的な出会いをする。
【2024年3月16日完結、全58話】
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
現聖女ですが、王太子妃様が聖女になりたいというので、故郷に戻って結婚しようと思います。
和泉鷹央
恋愛
聖女は十年しか生きられない。
この悲しい運命を変えるため、ライラは聖女になるときに精霊王と二つの契約をした。
それは期間満了後に始まる約束だったけど――
一つ……一度、死んだあと蘇生し、王太子の側室として本来の寿命で死ぬまで尽くすこと。
二つ……王太子が国王となったとき、国民が苦しむ政治をしないように側で支えること。
ライラはこの契約を承諾する。
十年後。
あと半月でライラの寿命が尽きるという頃、王太子妃ハンナが聖女になりたいと言い出した。
そして、王太子は聖女が農民出身で王族に相応しくないから、婚約破棄をすると言う。
こんな王族の為に、死ぬのは嫌だな……王太子妃様にあとを任せて、村に戻り幼馴染の彼と結婚しよう。
そう思い、ライラは聖女をやめることにした。
他の投稿サイトでも掲載しています。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
【書籍化・取り下げ予定】あなたたちのことなんて知らない
gacchi
恋愛
母親と旅をしていたニナは精霊の愛し子だということが知られ、精霊教会に捕まってしまった。母親を人質にされ、この国にとどまることを国王に強要される。仕方なく侯爵家の養女ニネットとなったが、精霊の愛し子だとは知らない義母と義妹、そして婚約者の第三王子カミーユには愛人の子だと思われて嫌われていた。だが、ニネットに虐げられたと嘘をついた義妹のおかげで婚約は解消される。それでも精霊の愛し子を利用したい国王はニネットに新しい婚約者候補を用意した。そこで出会ったのは、ニネットの本当の姿が見える公爵令息ルシアンだった。書籍化予定です。取り下げになります。詳しい情報は決まり次第お知らせいたします。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる