19 / 48
二章
十九話 お茶会騒動
しおりを挟む
「君たち、何を言っているんだ」
「あ、あら、ロラン様、ご機嫌麗しゅう……」
「アリーシャは大陸全土で信仰されている女神教の聖女。歴史上、引退した聖女が王族と結ばれた事例もある。聖女は幼い頃から修道院や神殿で礼儀作法を学び、豊かな知識を育み、各国の儀礼祭典にも出席して品位も身につけている。皇帝の妃として相応しい存在だと思うけどね」
「で、ですが――」
「そもそも君たちに何の権限があって、皇家の婚姻に口を挟んでくるんだい? 君たちの父上や母上が抗議しろと言ったのかな?」
「い、いえ、そういうわけではございませんが……」
「じゃあ、君たちの家では普段からそんな話をしているのかな? 普段から話していないとこんな話は出てこないものね。君たちは確かライナス伯爵家とレナード子爵家とクロン子爵家の令嬢だね。君たちの親御さんは本日来ていないけど、後日改めて話を聞きたいものだね」
「そっ、それはご容赦してくださいませんか!?」
「そうですわ、ロラン様! ほんのちょっと、親しみを込めてアリーシャ様と冗談を言い合って戯れていただけですのよ!」
「戯れ? 言い合う? 僕の目には君たちが一方的にアリーシャを詰っているように見えたけど?」
「そ、それは……!」
「お待ちくださいませ、ロラン様! 私たちはただ……」
令嬢たちは青い顔をする。普段は優しくて紳士的なロランに、こんなに厳しく詰め寄られるとは思っていなかったようだ。
アリーシャも青い顔をしている。いよいよトイレに行きたくて仕方がなくなってきたからだ。
しかしロランの話は終わらない。彼はよほど腹に据えかねているらしく、追撃の手を緩めなかった。
(ロラン様が私の事を思ってくれているのは分かる、でも、このままだと――!)
いよいよ我慢できなくなったアリーシャはキッと顔をあげた。令嬢たちは涙目になっている。アリーシャは構わず口を開いた。
「もう、いい加減にやめてください、ロラン様! これ以上続けて、女性に恥をかかせたいのですか!?」
「アリーシャ?」
「お願いですからもうやめて、そこをどいてください! こんなのもう耐えられません!!」
ロランはハッとした表情を浮かべて口を噤む。その瞬間、アリーシャは脱兎のごとく走り出した。ロランとライナス伯爵令嬢の間をすさまじい勢いで駆けていった。
***
「な……なんなんですの、一体……?」
「アリーシャ……」
走り去っていったアリーシャの後ろ姿を、ロランは感心したように見つめる。
「なんて気高い人なんだ。自分が言いがかりをつけられたにも関わらず、目の前で僕に責められている令嬢たちを可哀想に思って止めたんだろう」
「そ……そうでしたのね、アリーシャさん……」
「わたくしたち、あんなにひどい事を言いましたのに……」
「ああ、やはりアリーシャは素晴らしい女性だよ。だから僕は彼女に惹かれてしまうんだ」
ロランはアリーシャの背中を眩しげに見つめる。
ライナス伯爵令嬢と他の二人の令嬢も、ロランに感化されたようにアリーシャの去った方向を見つめた。
「……僕も言い過ぎたね、すまない。アリーシャの事となると冷静さを失ってしまうんだ」
「い、いいえ、悪いのはわたくしたちの方ですわ……」
「そうですわ、未来の皇妃様を悪く言うなんて、どうかしていましたの!」
「ですがアリーシャ様とロラン様のおかげで目が覚めましたわ。ロラン様、申し訳ありませんでした」
「分かってくれればいいんだよ」
「そうだわ、アリーシャ様にも謝罪しないと――でもアリーシャ様、この空気に耐えかねてどこかへ行ってしまわれましたね。ああ、どうすれば……!」
「では、わたくしが呼んで参ります」
令嬢たちが頭を抱えていると、アリーシャの専属侍女のリリアナが申し出た。
「リリアナか。ああ、よろしく頼んだよ。アリーシャに叱られたばかりの僕が行くのも気まずいからね……」
「お任せ下さい。それでは失礼いたします」
そしてリリアナは一礼してその場を離れると、宮殿内にあるトイレに向かった。
――このお茶会の中で、しばらくアリーシャに付きっ切りでお世話をしていたリリアナだけは、唯一アリーシャの真意に気付いていた。
アリーシャはロランや令嬢たちが言うような思惑があったのではなく、ただトイレに行きたかっただけだろう……と。
だが、せっかく場が良い感じに纏まろうとしているのだから、余計な事は言わない。リリアナは主君の幸せを願う、有能な侍女なのであった。
***
アリーシャはハンカチで手を拭きながら、宮殿の一階にあるトイレから出てきた。
「……はぁ、なんとか間に合って良かった。うぅ、でもロラン様にきつい言い方をしてしまったよね。どうしよう……」
「アリーシャ様、やはりこちらにいらしたのですね」
「あれっ、リリアナ? 迎えに来てくれたの?」
「はい。ロラン様やご令嬢たちの事なら、ご安心ください。あの場は上手く纏まりましたよ」
「えっ、そうなの!?」
「はい。皆様、アリーシャ様がお戻りになられるのをお待ちです。ロラン様も怒っておりませんので、一緒に戻りましょう」
「ええ、ありがとう、リリアナ」
きっとリリアナがうまく取りなしてくれたのだろう。アリーシャはそう納得した。
そして勘違いしたままお茶会の会場に戻る。すると、お茶会に招かれた招待客から温かく迎えられた。
「ロラン殿下のおっしゃった通り、アリーシャ様は立派な聖女です。とてもお優しいのですね」
「アリーシャ様が次期皇帝の婚約者に選ばれた理由が分かりましたわ」
「帝国にこのような聖女が来てくれて嬉しいですわ」
「え……ええぇっ!?」
その中には、さっきまでアリーシャに文句を言っていた令嬢たちの姿もあった。
アリーシャは何が何だかさっぱり分からない。すると、ロランが近づいてくる。
「アリーシャ、君のおかげで僕も己の過ちに気付けたよ。いくら頭に来たからといって、相手の立場も考えずに追い詰めるなんて僕らしくない振る舞いだった。公然と女性を辱めるなんて、皇子として恥ずかしいよ」
「え……えっと……?」
「でも、アリーシャのおかげで自分の間違いに気付けた。僕は今日の事を深く胸に刻み、良き皇子、ひいては皇帝になれるよう励んでいきたいと思う」
「は、はあ……」
アリーシャが戸惑っていると、さっきの令嬢たちが歩み出て頭を下げた。
「アリーシャ様、わたくしたちも反省しましたの。アリーシャ様を悪く言ってしまって……」
「ですが、アリーシャ様はそんな私たちにも優しくしてくださいました」
「わたくしたちは、アリーシャ様の素晴らしさをもっと理解しようと思いましたの」
「そ、そうですか、ありがとうございます」
何が何だかさっぱり分からない。きっとロラン様が説得してくれたのだろうと思う事にした。さすがはロランである。アリーシャは一人で納得するのだった。
何はともあれ、揉め事が片付いたのならそれに越した事はない。再び和やかな雰囲気を取り戻し、お茶会は終わりを迎えたのだった。
「あ、あら、ロラン様、ご機嫌麗しゅう……」
「アリーシャは大陸全土で信仰されている女神教の聖女。歴史上、引退した聖女が王族と結ばれた事例もある。聖女は幼い頃から修道院や神殿で礼儀作法を学び、豊かな知識を育み、各国の儀礼祭典にも出席して品位も身につけている。皇帝の妃として相応しい存在だと思うけどね」
「で、ですが――」
「そもそも君たちに何の権限があって、皇家の婚姻に口を挟んでくるんだい? 君たちの父上や母上が抗議しろと言ったのかな?」
「い、いえ、そういうわけではございませんが……」
「じゃあ、君たちの家では普段からそんな話をしているのかな? 普段から話していないとこんな話は出てこないものね。君たちは確かライナス伯爵家とレナード子爵家とクロン子爵家の令嬢だね。君たちの親御さんは本日来ていないけど、後日改めて話を聞きたいものだね」
「そっ、それはご容赦してくださいませんか!?」
「そうですわ、ロラン様! ほんのちょっと、親しみを込めてアリーシャ様と冗談を言い合って戯れていただけですのよ!」
「戯れ? 言い合う? 僕の目には君たちが一方的にアリーシャを詰っているように見えたけど?」
「そ、それは……!」
「お待ちくださいませ、ロラン様! 私たちはただ……」
令嬢たちは青い顔をする。普段は優しくて紳士的なロランに、こんなに厳しく詰め寄られるとは思っていなかったようだ。
アリーシャも青い顔をしている。いよいよトイレに行きたくて仕方がなくなってきたからだ。
しかしロランの話は終わらない。彼はよほど腹に据えかねているらしく、追撃の手を緩めなかった。
(ロラン様が私の事を思ってくれているのは分かる、でも、このままだと――!)
いよいよ我慢できなくなったアリーシャはキッと顔をあげた。令嬢たちは涙目になっている。アリーシャは構わず口を開いた。
「もう、いい加減にやめてください、ロラン様! これ以上続けて、女性に恥をかかせたいのですか!?」
「アリーシャ?」
「お願いですからもうやめて、そこをどいてください! こんなのもう耐えられません!!」
ロランはハッとした表情を浮かべて口を噤む。その瞬間、アリーシャは脱兎のごとく走り出した。ロランとライナス伯爵令嬢の間をすさまじい勢いで駆けていった。
***
「な……なんなんですの、一体……?」
「アリーシャ……」
走り去っていったアリーシャの後ろ姿を、ロランは感心したように見つめる。
「なんて気高い人なんだ。自分が言いがかりをつけられたにも関わらず、目の前で僕に責められている令嬢たちを可哀想に思って止めたんだろう」
「そ……そうでしたのね、アリーシャさん……」
「わたくしたち、あんなにひどい事を言いましたのに……」
「ああ、やはりアリーシャは素晴らしい女性だよ。だから僕は彼女に惹かれてしまうんだ」
ロランはアリーシャの背中を眩しげに見つめる。
ライナス伯爵令嬢と他の二人の令嬢も、ロランに感化されたようにアリーシャの去った方向を見つめた。
「……僕も言い過ぎたね、すまない。アリーシャの事となると冷静さを失ってしまうんだ」
「い、いいえ、悪いのはわたくしたちの方ですわ……」
「そうですわ、未来の皇妃様を悪く言うなんて、どうかしていましたの!」
「ですがアリーシャ様とロラン様のおかげで目が覚めましたわ。ロラン様、申し訳ありませんでした」
「分かってくれればいいんだよ」
「そうだわ、アリーシャ様にも謝罪しないと――でもアリーシャ様、この空気に耐えかねてどこかへ行ってしまわれましたね。ああ、どうすれば……!」
「では、わたくしが呼んで参ります」
令嬢たちが頭を抱えていると、アリーシャの専属侍女のリリアナが申し出た。
「リリアナか。ああ、よろしく頼んだよ。アリーシャに叱られたばかりの僕が行くのも気まずいからね……」
「お任せ下さい。それでは失礼いたします」
そしてリリアナは一礼してその場を離れると、宮殿内にあるトイレに向かった。
――このお茶会の中で、しばらくアリーシャに付きっ切りでお世話をしていたリリアナだけは、唯一アリーシャの真意に気付いていた。
アリーシャはロランや令嬢たちが言うような思惑があったのではなく、ただトイレに行きたかっただけだろう……と。
だが、せっかく場が良い感じに纏まろうとしているのだから、余計な事は言わない。リリアナは主君の幸せを願う、有能な侍女なのであった。
***
アリーシャはハンカチで手を拭きながら、宮殿の一階にあるトイレから出てきた。
「……はぁ、なんとか間に合って良かった。うぅ、でもロラン様にきつい言い方をしてしまったよね。どうしよう……」
「アリーシャ様、やはりこちらにいらしたのですね」
「あれっ、リリアナ? 迎えに来てくれたの?」
「はい。ロラン様やご令嬢たちの事なら、ご安心ください。あの場は上手く纏まりましたよ」
「えっ、そうなの!?」
「はい。皆様、アリーシャ様がお戻りになられるのをお待ちです。ロラン様も怒っておりませんので、一緒に戻りましょう」
「ええ、ありがとう、リリアナ」
きっとリリアナがうまく取りなしてくれたのだろう。アリーシャはそう納得した。
そして勘違いしたままお茶会の会場に戻る。すると、お茶会に招かれた招待客から温かく迎えられた。
「ロラン殿下のおっしゃった通り、アリーシャ様は立派な聖女です。とてもお優しいのですね」
「アリーシャ様が次期皇帝の婚約者に選ばれた理由が分かりましたわ」
「帝国にこのような聖女が来てくれて嬉しいですわ」
「え……ええぇっ!?」
その中には、さっきまでアリーシャに文句を言っていた令嬢たちの姿もあった。
アリーシャは何が何だかさっぱり分からない。すると、ロランが近づいてくる。
「アリーシャ、君のおかげで僕も己の過ちに気付けたよ。いくら頭に来たからといって、相手の立場も考えずに追い詰めるなんて僕らしくない振る舞いだった。公然と女性を辱めるなんて、皇子として恥ずかしいよ」
「え……えっと……?」
「でも、アリーシャのおかげで自分の間違いに気付けた。僕は今日の事を深く胸に刻み、良き皇子、ひいては皇帝になれるよう励んでいきたいと思う」
「は、はあ……」
アリーシャが戸惑っていると、さっきの令嬢たちが歩み出て頭を下げた。
「アリーシャ様、わたくしたちも反省しましたの。アリーシャ様を悪く言ってしまって……」
「ですが、アリーシャ様はそんな私たちにも優しくしてくださいました」
「わたくしたちは、アリーシャ様の素晴らしさをもっと理解しようと思いましたの」
「そ、そうですか、ありがとうございます」
何が何だかさっぱり分からない。きっとロラン様が説得してくれたのだろうと思う事にした。さすがはロランである。アリーシャは一人で納得するのだった。
何はともあれ、揉め事が片付いたのならそれに越した事はない。再び和やかな雰囲気を取り戻し、お茶会は終わりを迎えたのだった。
16
お気に入りに追加
1,353
あなたにおすすめの小説
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
私生児聖女は二束三文で売られた敵国で幸せになります!
近藤アリス
恋愛
私生児聖女のコルネリアは、敵国に二束三文で売られて嫁ぐことに。
「悪名高い国王のヴァルター様は私好みだし、みんな優しいし、ご飯美味しいし。あれ?この国最高ですわ!」
声を失った儚げ見た目のコルネリアが、勘違いされたり、幸せになったりする話。
※ざまぁはほんのり。安心のハッピーエンド設定です!
※「カクヨム」にも掲載しています。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
結婚しましたが、愛されていません
うみか
恋愛
愛する人との結婚は最悪な結末を迎えた。
彼は私を毎日のように侮辱し、挙句の果てには不倫をして離婚を叫ぶ。
為す術なく離婚に応じた私だが、その後国王に呼び出され……
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
「いなくても困らない」と言われたから、他国の皇帝妃になってやりました
ネコ
恋愛
「お前はいなくても困らない」。そう告げられた瞬間、私の心は凍りついた。王国一の高貴な婚約者を得たはずなのに、彼の裏切りはあまりにも身勝手だった。かくなる上は、誰もが恐れ多いと敬う帝国の皇帝のもとへ嫁ぐまで。失意の底で誓った決意が、私の運命を大きく変えていく。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
【完結】公爵家のメイドたる者、炊事、洗濯、剣に魔法に結界術も完璧でなくてどうします?〜聖女様、あなたに追放されたおかげで私は幸せになれました
冬月光輝
恋愛
ボルメルン王国の聖女、クラリス・マーティラスは王家の血を引く大貴族の令嬢であり、才能と美貌を兼ね備えた完璧な聖女だと国民から絶大な支持を受けていた。
代々聖女の家系であるマーティラス家に仕えているネルシュタイン家に生まれたエミリアは、大聖女お付きのメイドに相応しい人間になるために英才教育を施されており、クラリスの側近になる。
クラリスは能力はあるが、傍若無人の上にサボり癖のあり、すぐに癇癪を起こす手の付けられない性格だった。
それでも、エミリアは家を守るために懸命に彼女に尽くし努力する。クラリスがサボった時のフォローとして聖女しか使えないはずの結界術を独学でマスターするほどに。
そんな扱いを受けていたエミリアは偶然、落馬して大怪我を負っていたこの国の第四王子であるニックを助けたことがきっかけで、彼と婚約することとなる。
幸せを掴んだ彼女だが、理不尽の化身であるクラリスは身勝手な理由でエミリアをクビにした。
さらに彼女はクラリスによって第四王子を助けたのは自作自演だとあらぬ罪をでっち上げられ、家を潰されるかそれを飲み込むかの二択を迫られ、冤罪を被り国家追放に処される。
絶望して隣国に流れた彼女はまだ気付いていなかった、いつの間にかクラリスを遥かに超えるほどハイスペックになっていた自分に。
そして、彼女こそ国を守る要になっていたことに……。
エミリアが隣国で力を認められ巫女になった頃、ボルメルン王国はわがまま放題しているクラリスに反発する動きが見られるようになっていた――。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
誰も信じてくれないので、森の獣達と暮らすことにしました。その結果、国が大変なことになっているようですが、私には関係ありません。
木山楽斗
恋愛
エルドー王国の聖女ミレイナは、予知夢で王国が龍に襲われるという事実を知った。
それを国の人々に伝えるものの、誰にも信じられず、それ所か虚言癖と避難されることになってしまう。
誰にも信じてもらえず、罵倒される。
そんな状況に疲弊した彼女は、国から出て行くことを決意した。
実はミレイナはエルドー王国で生まれ育ったという訳ではなかった。
彼女は、精霊の森という森で生まれ育ったのである。
故郷に戻った彼女は、兄弟のような関係の狼シャルピードと再会した。
彼はミレイナを快く受け入れてくれた。
こうして、彼女はシャルピードを含む森の獣達と平和に暮らすようになった。
そんな彼女の元に、ある時知らせが入ってくる。エルドー王国が、予知夢の通りに龍に襲われていると。
しかし、彼女は王国を助けようという気にはならなかった。
むしろ、散々忠告したのに、何も準備をしていなかった王国への失望が、強まるばかりだったのだ。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
仕事ができないと王宮を追放されましたが、実は豊穣の加護で王国の財政を回していた私。王国の破滅が残念でなりません
新野乃花(大舟)
恋愛
ミリアは王国の財政を一任されていたものの、国王の無茶な要求を叶えられないことを理由に無能の烙印を押され、挙句王宮を追放されてしまう。…しかし、彼女は豊穣の加護を有しており、その力でかろうじて王国は財政的破綻を免れていた。…しかし彼女が王宮を去った今、ついに王国崩壊の時が着々と訪れつつあった…。
※カクヨムにも投稿しています!
※アルファポリスには以前、短いSSとして投稿していたものです!
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
現聖女ですが、王太子妃様が聖女になりたいというので、故郷に戻って結婚しようと思います。
和泉鷹央
恋愛
聖女は十年しか生きられない。
この悲しい運命を変えるため、ライラは聖女になるときに精霊王と二つの契約をした。
それは期間満了後に始まる約束だったけど――
一つ……一度、死んだあと蘇生し、王太子の側室として本来の寿命で死ぬまで尽くすこと。
二つ……王太子が国王となったとき、国民が苦しむ政治をしないように側で支えること。
ライラはこの契約を承諾する。
十年後。
あと半月でライラの寿命が尽きるという頃、王太子妃ハンナが聖女になりたいと言い出した。
そして、王太子は聖女が農民出身で王族に相応しくないから、婚約破棄をすると言う。
こんな王族の為に、死ぬのは嫌だな……王太子妃様にあとを任せて、村に戻り幼馴染の彼と結婚しよう。
そう思い、ライラは聖女をやめることにした。
他の投稿サイトでも掲載しています。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
「ババアはいらねぇんだよ」と婚約破棄されたアラサー聖女はイケメン王子に溺愛されます
平山和人
恋愛
聖女のロザリーは年齢を理由に婚約者であった侯爵から婚約破棄を言い渡される。ショックのあまりヤケ酒をしていると、ガラの悪い男どもに絡まれてしまう。だが、彼らに絡まれたところをある青年に助けられる。その青年こそがアルカディア王国の王子であるアルヴィンだった。
アルヴィンはロザリーに一目惚れしたと告げ、俺のものになれ!」と命令口調で強引に迫ってくるのだった。婚約破棄されたばかりで傷心していたロザリーは、アルヴィンの強引さに心が揺れてしまい、申し出を承諾してしまった。そして二人は幸せな未来を築くのであった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる