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10章 過去編
122、絶望と活路
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「何という戦いだ……こ、これほどの戦力でまだ足りんとは……」
土の精霊王”地帝”マルドゥク。黒々としたつやのある髪やヒゲを伸ばし放題にしている剛毛のおじさんだ。ドワーフを一回り大きくしたような見た目で、半透明でなければ無精で根無し草の印象を与えかねない。これでも一応精霊の王様でかなり強い。
彼は後方支援に回っており、直接戦いに参加していなかったが、その目ですべてを見ていた。
ミルレースの出現させる数々の化け物たちを、メフィストがかき集めた最強の軍団を蹂躙する力を。
「マルドゥク様っ!アータル様とジュラ様が討ち取られましたっ!!」
「何っ!?あの2人が……!?」
炎帝アータルと水帝ジュラ。精霊王の2柱が女神ミルレースの魔の手に掛かった。どの怪物によってかは分からなかったが、それは些細な問題である。
「エンリルはっ?!風帝エンリルはどうなったっ!?」
「エンリル様は依然交戦中っ!」
「そ、そうか。……大地の恵みの効果を引き上げる!土の精霊たちは配置につき、力を高めよっ!!」
「はっ!」
マルドゥクの役目は力の限り全体回復を使用することだ。規模が大きすぎて動きながらの行使が出来ず、大儀式を用いての回復に全神経を注ぐ必要があった。中継地点に土の精霊を配置し、回復漏れがないように支援をしている。
しかし頼みの精霊王は風帝を残して倒れ、竜王もほぼ全滅の状態であると報告が入る。万事休すと思われたその時、嬉しい報告が入った。
「女神負傷っ!女神負傷っ!!」
「や、やっとか!」
ようやく負わせたひと傷。それは切り傷や刺し傷ではなく右腕の欠損。剣や杖を右手で持っていたことを考慮すれば利き腕であったことが窺え、戦闘において致命的な傷であると判断して良い。一歩前進である。
*
メフィストを睨むミルレースは鼻を鳴らして見下すように胸を張った。
「私の腕を取ったくらいでいい気にならないでくださいよ?どのみち戦力の差は明らか。私がもう2つほどアルカナを出せばあなた方の死が確定するのです」
「ふんっ……すべて我が魔力にて叩き潰してくれよう」
メフィストの自信に苛立つ。油断していたとはいえ女教皇を潰されたのは痛手だった。それほど強い攻撃があるものと思っていなかったために女教皇の警戒を解き、飾り程度に置いていたのは余裕を見せたつもりだったが、単に愚かだったことが露呈しただけだった。
腹立たしいので女教皇をもう一度出して無駄だったことをアピールしたいものの、その行動自体が無駄なことに気づいてミルレースは落ち着くことに決めた。
「……まぁいいでしょう。この程度で苛つくのは大人げないですし。運命の輪」
光の輪っかが突如出現し、ミルレースの体に入っていく。直後失った腕を元通りに生やして見せた。千切れた腕はどこにも見当たらない。
「「『!?』」」
熾烈な戦いの合間に視認した不可思議な現象。回復魔法でも新しく生やしたわけでもなく、元通りの姿かたちに戻したのだ。これにはデザイアもたまらず立ち上がる。
「そうか……奴は事象に干渉することが出来るのか。となればあの余裕にも合点がいく。あれならば死の間際からの復活も可能か……ふははっ!正解だアレクサンドロス!これは倒せんっ!」
アレクサンドロスが封印以外にないと豪語していたことに膝を打つ。ここまで見越してはいなかったかもしれないが、先を見越しての作戦には流石としか言いようがなかった。
とはいえアレクサンドロスもこの事態に頭を痛める。
「かぁーっ!結果的に俺の策が図に当たっただけじゃねぇか!こういうんじゃねぇんだよな!ったくよぉ!」
頭をガシガシと掻きながら苛立ちを見せた後、顔を撫で付け前方を見据える。
アレクサンドロスの考えていた戦いはミルレースをある程度追い詰め、いざ仕留められるかもしれないところを狙っての封印。最強の軍団とメフィストの全力ならばあと一歩のところまで追いつめてくれると信じていた。最後に手柄を総取り出来ればデザイアの株も上がり、さらに女神という戦力をも手に出来ると絵図を描いていたのだ。
メフィストの攻撃は素晴らしかったが、あの様子では頭をぶち抜いていても元通りに戻ったかもしれない。戦力にするなどとんでもない話。封印した暁には二度と娑婆の空気を吸わせてはならない。
「リュート!」
「はっ。既に準備は整っております」
「3番だ。早速始めろ」
「承知いたしました」
従者リュートはアレクサンドロスから離れ、封印術式を認めた魔法陣に向かう。いくつか罠のように張り巡らせた一つ、アレクサンドロスが3番と言った場所に到着すると、炉に火を入れるように魔法陣に魔力を込め始めた。
アレクサンドロスは踵を返し、デザイアの元へと向かう。デザイアは椅子から離れ、腕を組んで仁王立ちしていた。アレクサンドロスはすぐ傍で跪き頭を垂れた。
「……デザイア様」
「どうかしたか?アレクサンドロス」
「女神の封印に力をお貸しください」
「ほぅ?全権限を有したお前が私を頼るとは……それはお前の敗北宣言と捉えても良いのだな?」
「はい。言い訳のしようもございません。女神は我が予想を遥かに超えた力を有しております。このままでは……」
「よい。みなまで言わずとも分かっている。それで?どこに誘導すればよいのだ?」
「はっ。失礼いたします」
アレクサンドロスはこの辺りの地図を広げて指をさした。
「赤く塗られている点が魔法陣を敷いた箇所になります。この三つ目に誘導をお願いしたいのです」
「ふっ……良かろう。少し下がれ」
「はっ」
デザイアの指示に従い、アレクサンドロスは後方に下がる。デザイアの鎧に備え付けられた黒いマントが急にふわりと棚引いた。次の瞬間、空間からベキベキという不快な音を鳴らしながら真っ黒な翼竜のような形容しがたい何かが7頭現れた。
何をしたのか分からなかったが、デザイアが力を行使したことだけは確かなようだ。
「──行け」
デザイアの目が光ったと同時に翼竜が飛び去った。
土の精霊王”地帝”マルドゥク。黒々としたつやのある髪やヒゲを伸ばし放題にしている剛毛のおじさんだ。ドワーフを一回り大きくしたような見た目で、半透明でなければ無精で根無し草の印象を与えかねない。これでも一応精霊の王様でかなり強い。
彼は後方支援に回っており、直接戦いに参加していなかったが、その目ですべてを見ていた。
ミルレースの出現させる数々の化け物たちを、メフィストがかき集めた最強の軍団を蹂躙する力を。
「マルドゥク様っ!アータル様とジュラ様が討ち取られましたっ!!」
「何っ!?あの2人が……!?」
炎帝アータルと水帝ジュラ。精霊王の2柱が女神ミルレースの魔の手に掛かった。どの怪物によってかは分からなかったが、それは些細な問題である。
「エンリルはっ?!風帝エンリルはどうなったっ!?」
「エンリル様は依然交戦中っ!」
「そ、そうか。……大地の恵みの効果を引き上げる!土の精霊たちは配置につき、力を高めよっ!!」
「はっ!」
マルドゥクの役目は力の限り全体回復を使用することだ。規模が大きすぎて動きながらの行使が出来ず、大儀式を用いての回復に全神経を注ぐ必要があった。中継地点に土の精霊を配置し、回復漏れがないように支援をしている。
しかし頼みの精霊王は風帝を残して倒れ、竜王もほぼ全滅の状態であると報告が入る。万事休すと思われたその時、嬉しい報告が入った。
「女神負傷っ!女神負傷っ!!」
「や、やっとか!」
ようやく負わせたひと傷。それは切り傷や刺し傷ではなく右腕の欠損。剣や杖を右手で持っていたことを考慮すれば利き腕であったことが窺え、戦闘において致命的な傷であると判断して良い。一歩前進である。
*
メフィストを睨むミルレースは鼻を鳴らして見下すように胸を張った。
「私の腕を取ったくらいでいい気にならないでくださいよ?どのみち戦力の差は明らか。私がもう2つほどアルカナを出せばあなた方の死が確定するのです」
「ふんっ……すべて我が魔力にて叩き潰してくれよう」
メフィストの自信に苛立つ。油断していたとはいえ女教皇を潰されたのは痛手だった。それほど強い攻撃があるものと思っていなかったために女教皇の警戒を解き、飾り程度に置いていたのは余裕を見せたつもりだったが、単に愚かだったことが露呈しただけだった。
腹立たしいので女教皇をもう一度出して無駄だったことをアピールしたいものの、その行動自体が無駄なことに気づいてミルレースは落ち着くことに決めた。
「……まぁいいでしょう。この程度で苛つくのは大人げないですし。運命の輪」
光の輪っかが突如出現し、ミルレースの体に入っていく。直後失った腕を元通りに生やして見せた。千切れた腕はどこにも見当たらない。
「「『!?』」」
熾烈な戦いの合間に視認した不可思議な現象。回復魔法でも新しく生やしたわけでもなく、元通りの姿かたちに戻したのだ。これにはデザイアもたまらず立ち上がる。
「そうか……奴は事象に干渉することが出来るのか。となればあの余裕にも合点がいく。あれならば死の間際からの復活も可能か……ふははっ!正解だアレクサンドロス!これは倒せんっ!」
アレクサンドロスが封印以外にないと豪語していたことに膝を打つ。ここまで見越してはいなかったかもしれないが、先を見越しての作戦には流石としか言いようがなかった。
とはいえアレクサンドロスもこの事態に頭を痛める。
「かぁーっ!結果的に俺の策が図に当たっただけじゃねぇか!こういうんじゃねぇんだよな!ったくよぉ!」
頭をガシガシと掻きながら苛立ちを見せた後、顔を撫で付け前方を見据える。
アレクサンドロスの考えていた戦いはミルレースをある程度追い詰め、いざ仕留められるかもしれないところを狙っての封印。最強の軍団とメフィストの全力ならばあと一歩のところまで追いつめてくれると信じていた。最後に手柄を総取り出来ればデザイアの株も上がり、さらに女神という戦力をも手に出来ると絵図を描いていたのだ。
メフィストの攻撃は素晴らしかったが、あの様子では頭をぶち抜いていても元通りに戻ったかもしれない。戦力にするなどとんでもない話。封印した暁には二度と娑婆の空気を吸わせてはならない。
「リュート!」
「はっ。既に準備は整っております」
「3番だ。早速始めろ」
「承知いたしました」
従者リュートはアレクサンドロスから離れ、封印術式を認めた魔法陣に向かう。いくつか罠のように張り巡らせた一つ、アレクサンドロスが3番と言った場所に到着すると、炉に火を入れるように魔法陣に魔力を込め始めた。
アレクサンドロスは踵を返し、デザイアの元へと向かう。デザイアは椅子から離れ、腕を組んで仁王立ちしていた。アレクサンドロスはすぐ傍で跪き頭を垂れた。
「……デザイア様」
「どうかしたか?アレクサンドロス」
「女神の封印に力をお貸しください」
「ほぅ?全権限を有したお前が私を頼るとは……それはお前の敗北宣言と捉えても良いのだな?」
「はい。言い訳のしようもございません。女神は我が予想を遥かに超えた力を有しております。このままでは……」
「よい。みなまで言わずとも分かっている。それで?どこに誘導すればよいのだ?」
「はっ。失礼いたします」
アレクサンドロスはこの辺りの地図を広げて指をさした。
「赤く塗られている点が魔法陣を敷いた箇所になります。この三つ目に誘導をお願いしたいのです」
「ふっ……良かろう。少し下がれ」
「はっ」
デザイアの指示に従い、アレクサンドロスは後方に下がる。デザイアの鎧に備え付けられた黒いマントが急にふわりと棚引いた。次の瞬間、空間からベキベキという不快な音を鳴らしながら真っ黒な翼竜のような形容しがたい何かが7頭現れた。
何をしたのか分からなかったが、デザイアが力を行使したことだけは確かなようだ。
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