84 / 133
8章
84、アルマゲドン
しおりを挟む
バキャッ
戦車は何が起こったのか、上半身が弾け飛んだ後、徐々に下半身が崩れる。
「ぬっ!?」
グルガンは塔と悪魔も月をも消滅する様を見た。ライトとオリーも今目の前で戦っていた悪魔が滅んだのにレッドが絡んでいることを瞬時に感じ取った。
「レッドが……やったのか!?」
「そうだ。レッドがミルレースを倒したんだ!」
ライトとオリーの顔に笑顔が浮かんだ。だがグルガンの顔には未だ緊張感があった。
(いや、これで終わりのはずがない。いくらレッドが強いからと、この程度で終わるなら封印で終わらせるはずもない。まだ何かある)
*
グルガンの考えは当たっていた。決着かと思われたその時、体内に吸収された運命の輪が発動し、左右に別れた体を元の状態にまで再生させる。
(……こうまで簡単に殺されますか……運命の輪を使用していなかったら危なかった。レッドの技……分かっていたはずなのにどうしようもない。どうも見た目で騙されますねぇ……)
情けないのに強いレッドに感覚がおかしくなる。こちらが優勢に攻めているかと思いきや、次の瞬間には覆される。緊張感の欠片もない顔が常識をぶっ壊されるのだ。
「何っ?!あ、あれで死なないのか?!」
「死にましたとも。完全に仲間を解消されてしまいましたねぇ。レッドに見限られるのがここまで堪えるとは思いも寄りませんでしたが……しかしながら私の力で死を回避しました。運命の輪」
またしてもミルレースは死なないように予防線を張る。レッドは焦りから腰を落として剣を正眼に構える。不死の敵を相手に攻撃を躊躇しているとミルレースは怒りの表情を見せた。
「チッ……戦車たちも消えましたか。レッドにやられたのが面倒なことになっていますね」
徐々に理を追加して蹂躙しようと画策していたが、雑魚の相手をしていた3つのアルカナも消えてしまった。
とはいえ、女神の力を以ってすればもう一度出すことは容易。女教皇と法王と月を難なく出せたところからも分かるように、アルカナは一遍に出現させることが可能だ。
「しかしこの調子ではちまちま出しても意味がありませんねぇ。戦いにならないならば、いっそ全てを消滅させましょう。……ワンド」
ミルレースは剣を消失させ、杖を出現させた。
「おぇ?鍔迫り合いはもう終わりか?」
「ええ、終わりです。死んでください。レッド=カーマイン」
「……いや、死なないよ?」
「いいえ、ここで終わりなのですよ。……世界」
ミルレースが杖を振り、レッドに向けてかざすと立っていた地面が消失する。レッドは急に開いた穴に為す術もなく消えるように穴に落ちていく。急な急降下に声を出すのも忘れて体を強張らせるが、穴より20mほど落ちたところでふわりと浮遊感を得た。
「えっ?あ……えっ?」
レッドは混乱しながら開いた穴を凝視する。しかし次の瞬間には落ちてきた穴はシュッと窄んで消えてしまった。閉じ込められたことが分かり、急激な寂しさと恐怖が湧き上がる。
「こ、ここ……これどうすんだ?」
姿勢制御もままならない滲んだ光が支配する空間で、レッドはくるくると回転しながら無い知恵を絞ろうとする。何も思いつかないまま漂っていると、正面にシュッと穴が開いた。そこにミルレースが覗いていた。
「ミ、ミルレース!何だここは!?俺に何をした!!」
「何かするのはここからですよ。……太陽」
降った杖の先から現れたのは先に現れた月よりも巨大な光球。太陽のごとく眩い光は、全てを焼き尽くすほどの熱を持っていた。
「熱っ!!あっつっ!!」
「さぁ、丸焼きの時間です。消滅なさいレッド」
ミルレースの言葉が引き金となったのか、出現した太陽は息を大きく吸ったかのように急激に膨張し、吐き出すように小さくなったと同時に燃え盛る熱波を撒き散らす。超超高熱の太陽フレアは撒き散らされた範囲に多大な影響を及ぼす。水は瞬時に干上がり、生き物は灰となり、砂はガラス化する。それほどの熱波の脅威に曝されるのはただ1人。
「うあああぁぁぁあっ……!!!」
凄まじい光に包まれたレッドが悲惨な叫びを上げたのを確認後、ミルレースはそっと穴を閉じた。
「これでレッドも終わりですね。さぁ、次に参りましょうか?」
視線の先にいたのはグルガンとライトとオリー。彼らのずっと後ろにいる他皇魔貴族の面々も含めて思ったよりも生存者が多いことに気付いた。
「うふふっ……レッドにかまけていて気付きませんでしたが、存外生き残れるものなのですねぇ。あの時の皇魔貴族よりも弱そうに見えましたが、見かけ通りとは行きませんか」
「……貴様……レッドをどこにやった?!」
「もう死んでるでしょう。あなた方もすぐにあの世で再会出来ると思いますよ?」
「レッドが死ぬわけないだろう!!」
オリーの咆哮にミルレースは若干引く。しかし、オリーのレッドに対する信頼以上に、レッドのしぶとさは折り紙付き。確実に死んだものと思いたいミルレースは腕を組んでふんぞり返った。
「ふんっ!まぁ吠えてればいいですよ。どの道この世界にはいませんから」
「ぬぅ……レッドは異次元に幽閉されたようだ。助ける方法はただ1つ。フィニアスしか居ない」
「あいつか……今どこにいる?」
「フィニアスの居城だろうが、戦いが始まる前に子爵を1体向かわせた。フィニアスがこちらに到着するのも時間の問題。それまでは……」
「俺たちでどうにかなる相手とも思えないがな……やるしかないということか……」
ライトが剣を構える。続けてオリーも半身で構えた。グルガンは特に構えることはなかったが隙はない。ミルレースはニヤリとしたり顔でライトたちを見下した。
「話し合いは終わりましたか?ふふっ……残念ですが、あなた方と乳繰り合うような真似はしません。だって私と戦うに値しないのですもの。……吊られた人」
ミルレースが杖を振る。またも濃霧が発生し、その奥から何かが姿を現した。処刑される罪人のように麻袋を頭に被せられ、後ろ手に縛られた逆さ吊りの5mの巨人。異様なのは貴族のようにオーダーメイドのスーツだということだ。麻袋で吊し上げられていなければ何かの祝賀会に参加出来そうな見た目だった。
巨人が現れたその瞬間にグルガンは魔剣を中空に仕舞い、ライトとオリーの服を掴むと背後に跳躍した。ミルレースはまだ何も起こっていないはずの状態で飛び去るグルガンに苦々しい顔を見せた。
「グルガン!何をっ……!?」
「あの見た目を見ればある程度の能力が分かる。見ろ」
先ほどまで立っていた地面に現れたのは蛇のように蠢く縄。
「あんなものいつの間に……!?」
背後ではグルガンが助けられなかった皇魔貴族が縄で巨人同様に縄で逆さ吊りにされている。巨人と違うのは、体全身に縄が巻きついて全く動けなくされたことだ。「ぐあぁっ!?」「た、助けてくれぇっ!!」と騒ぎ立てるだけのミノムシとなっている。ほとんどの皇魔貴族が捕縛されている光景にライトはゾッとした。
ビュンッ
尚も捕縛するために縄はライトたちに伸びる。しかしタネが分かればそれほど脅威ではない。剣や魔法で縄を防ぐ。
「なんで避けられるんですかっ?!もうっ!……レッドといいグルガンといい……私の思い通りにならない奴はみんな消えてしまえば良いのです!!」
頭から湯気が出そうなほど沸騰する苛立ちはついに臨界を突破する。
「星!!」
上空に暗雲が立ち込める。月のような出現方法ではあったが、まるで違うのは月はすぐにのっそり出てきたのに対し、曇天がマグマのように赤黒く滲み輝き、不吉な雰囲気を醸し出しながらも未だその姿を現さない。またもじっくりとその身を現すのかと思われたその時、暗雲を吹き飛ばす赤黒い巨岩が凄まじい速度で降ってきた。さながら隕石のように。
当然だが、世界終焉級の隕石をどうにか出来る生物などこの世に存在し得ない。天才のライトも、最強のゴーレムも、皇魔貴族でさえも。
「なるほど。これは封印するな……」
そんな中にあってグルガンだけは冷静に燃え盛る巨岩を眺めていた。
戦車は何が起こったのか、上半身が弾け飛んだ後、徐々に下半身が崩れる。
「ぬっ!?」
グルガンは塔と悪魔も月をも消滅する様を見た。ライトとオリーも今目の前で戦っていた悪魔が滅んだのにレッドが絡んでいることを瞬時に感じ取った。
「レッドが……やったのか!?」
「そうだ。レッドがミルレースを倒したんだ!」
ライトとオリーの顔に笑顔が浮かんだ。だがグルガンの顔には未だ緊張感があった。
(いや、これで終わりのはずがない。いくらレッドが強いからと、この程度で終わるなら封印で終わらせるはずもない。まだ何かある)
*
グルガンの考えは当たっていた。決着かと思われたその時、体内に吸収された運命の輪が発動し、左右に別れた体を元の状態にまで再生させる。
(……こうまで簡単に殺されますか……運命の輪を使用していなかったら危なかった。レッドの技……分かっていたはずなのにどうしようもない。どうも見た目で騙されますねぇ……)
情けないのに強いレッドに感覚がおかしくなる。こちらが優勢に攻めているかと思いきや、次の瞬間には覆される。緊張感の欠片もない顔が常識をぶっ壊されるのだ。
「何っ?!あ、あれで死なないのか?!」
「死にましたとも。完全に仲間を解消されてしまいましたねぇ。レッドに見限られるのがここまで堪えるとは思いも寄りませんでしたが……しかしながら私の力で死を回避しました。運命の輪」
またしてもミルレースは死なないように予防線を張る。レッドは焦りから腰を落として剣を正眼に構える。不死の敵を相手に攻撃を躊躇しているとミルレースは怒りの表情を見せた。
「チッ……戦車たちも消えましたか。レッドにやられたのが面倒なことになっていますね」
徐々に理を追加して蹂躙しようと画策していたが、雑魚の相手をしていた3つのアルカナも消えてしまった。
とはいえ、女神の力を以ってすればもう一度出すことは容易。女教皇と法王と月を難なく出せたところからも分かるように、アルカナは一遍に出現させることが可能だ。
「しかしこの調子ではちまちま出しても意味がありませんねぇ。戦いにならないならば、いっそ全てを消滅させましょう。……ワンド」
ミルレースは剣を消失させ、杖を出現させた。
「おぇ?鍔迫り合いはもう終わりか?」
「ええ、終わりです。死んでください。レッド=カーマイン」
「……いや、死なないよ?」
「いいえ、ここで終わりなのですよ。……世界」
ミルレースが杖を振り、レッドに向けてかざすと立っていた地面が消失する。レッドは急に開いた穴に為す術もなく消えるように穴に落ちていく。急な急降下に声を出すのも忘れて体を強張らせるが、穴より20mほど落ちたところでふわりと浮遊感を得た。
「えっ?あ……えっ?」
レッドは混乱しながら開いた穴を凝視する。しかし次の瞬間には落ちてきた穴はシュッと窄んで消えてしまった。閉じ込められたことが分かり、急激な寂しさと恐怖が湧き上がる。
「こ、ここ……これどうすんだ?」
姿勢制御もままならない滲んだ光が支配する空間で、レッドはくるくると回転しながら無い知恵を絞ろうとする。何も思いつかないまま漂っていると、正面にシュッと穴が開いた。そこにミルレースが覗いていた。
「ミ、ミルレース!何だここは!?俺に何をした!!」
「何かするのはここからですよ。……太陽」
降った杖の先から現れたのは先に現れた月よりも巨大な光球。太陽のごとく眩い光は、全てを焼き尽くすほどの熱を持っていた。
「熱っ!!あっつっ!!」
「さぁ、丸焼きの時間です。消滅なさいレッド」
ミルレースの言葉が引き金となったのか、出現した太陽は息を大きく吸ったかのように急激に膨張し、吐き出すように小さくなったと同時に燃え盛る熱波を撒き散らす。超超高熱の太陽フレアは撒き散らされた範囲に多大な影響を及ぼす。水は瞬時に干上がり、生き物は灰となり、砂はガラス化する。それほどの熱波の脅威に曝されるのはただ1人。
「うあああぁぁぁあっ……!!!」
凄まじい光に包まれたレッドが悲惨な叫びを上げたのを確認後、ミルレースはそっと穴を閉じた。
「これでレッドも終わりですね。さぁ、次に参りましょうか?」
視線の先にいたのはグルガンとライトとオリー。彼らのずっと後ろにいる他皇魔貴族の面々も含めて思ったよりも生存者が多いことに気付いた。
「うふふっ……レッドにかまけていて気付きませんでしたが、存外生き残れるものなのですねぇ。あの時の皇魔貴族よりも弱そうに見えましたが、見かけ通りとは行きませんか」
「……貴様……レッドをどこにやった?!」
「もう死んでるでしょう。あなた方もすぐにあの世で再会出来ると思いますよ?」
「レッドが死ぬわけないだろう!!」
オリーの咆哮にミルレースは若干引く。しかし、オリーのレッドに対する信頼以上に、レッドのしぶとさは折り紙付き。確実に死んだものと思いたいミルレースは腕を組んでふんぞり返った。
「ふんっ!まぁ吠えてればいいですよ。どの道この世界にはいませんから」
「ぬぅ……レッドは異次元に幽閉されたようだ。助ける方法はただ1つ。フィニアスしか居ない」
「あいつか……今どこにいる?」
「フィニアスの居城だろうが、戦いが始まる前に子爵を1体向かわせた。フィニアスがこちらに到着するのも時間の問題。それまでは……」
「俺たちでどうにかなる相手とも思えないがな……やるしかないということか……」
ライトが剣を構える。続けてオリーも半身で構えた。グルガンは特に構えることはなかったが隙はない。ミルレースはニヤリとしたり顔でライトたちを見下した。
「話し合いは終わりましたか?ふふっ……残念ですが、あなた方と乳繰り合うような真似はしません。だって私と戦うに値しないのですもの。……吊られた人」
ミルレースが杖を振る。またも濃霧が発生し、その奥から何かが姿を現した。処刑される罪人のように麻袋を頭に被せられ、後ろ手に縛られた逆さ吊りの5mの巨人。異様なのは貴族のようにオーダーメイドのスーツだということだ。麻袋で吊し上げられていなければ何かの祝賀会に参加出来そうな見た目だった。
巨人が現れたその瞬間にグルガンは魔剣を中空に仕舞い、ライトとオリーの服を掴むと背後に跳躍した。ミルレースはまだ何も起こっていないはずの状態で飛び去るグルガンに苦々しい顔を見せた。
「グルガン!何をっ……!?」
「あの見た目を見ればある程度の能力が分かる。見ろ」
先ほどまで立っていた地面に現れたのは蛇のように蠢く縄。
「あんなものいつの間に……!?」
背後ではグルガンが助けられなかった皇魔貴族が縄で巨人同様に縄で逆さ吊りにされている。巨人と違うのは、体全身に縄が巻きついて全く動けなくされたことだ。「ぐあぁっ!?」「た、助けてくれぇっ!!」と騒ぎ立てるだけのミノムシとなっている。ほとんどの皇魔貴族が捕縛されている光景にライトはゾッとした。
ビュンッ
尚も捕縛するために縄はライトたちに伸びる。しかしタネが分かればそれほど脅威ではない。剣や魔法で縄を防ぐ。
「なんで避けられるんですかっ?!もうっ!……レッドといいグルガンといい……私の思い通りにならない奴はみんな消えてしまえば良いのです!!」
頭から湯気が出そうなほど沸騰する苛立ちはついに臨界を突破する。
「星!!」
上空に暗雲が立ち込める。月のような出現方法ではあったが、まるで違うのは月はすぐにのっそり出てきたのに対し、曇天がマグマのように赤黒く滲み輝き、不吉な雰囲気を醸し出しながらも未だその姿を現さない。またもじっくりとその身を現すのかと思われたその時、暗雲を吹き飛ばす赤黒い巨岩が凄まじい速度で降ってきた。さながら隕石のように。
当然だが、世界終焉級の隕石をどうにか出来る生物などこの世に存在し得ない。天才のライトも、最強のゴーレムも、皇魔貴族でさえも。
「なるほど。これは封印するな……」
そんな中にあってグルガンだけは冷静に燃え盛る巨岩を眺めていた。
0
お気に入りに追加
61
あなたにおすすめの小説
【完結】【勇者】の称号が無かった美少年は王宮を追放されたのでのんびり異世界を謳歌する
雪雪ノ雪
ファンタジー
ある日、突然学校にいた人全員が【勇者】として召喚された。
その召喚に巻き込まれた少年柊茜は、1人だけ【勇者】の称号がなかった。
代わりにあったのは【ラグナロク】という【固有exスキル】。
それを見た柊茜は
「あー....このスキルのせいで【勇者】の称号がなかったのかー。まぁ、ス・ラ・イ・厶・に【勇者】って称号とか合わないからなぁ…」
【勇者】の称号が無かった柊茜は、王宮を追放されてしまう。
追放されてしまった柊茜は、特に慌てる事もなくのんびり異世界を謳歌する..........たぶん…....
主人公は男の娘です 基本主人公が自分を表す時は「私」と表現します
無能なので辞めさせていただきます!
サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。
マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。
えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって?
残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、
無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって?
はいはいわかりました。
辞めますよ。
退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。
自分無能なんで、なんにもわかりませんから。
カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。
俺のギフト【草】は草を食うほど強くなるようです ~クズギフトの息子はいらないと追放された先が樹海で助かった~
草乃葉オウル
ファンタジー
★お気に入り登録お願いします!★
男性向けHOTランキングトップ10入り感謝!
王国騎士団長の父に自慢の息子として育てられた少年ウォルト。
だが、彼は14歳の時に行われる儀式で【草】という謎のギフトを授かってしまう。
周囲の人間はウォルトを嘲笑し、強力なギフトを求めていた父は大激怒。
そんな父を「顔真っ赤で草」と煽った結果、ウォルトは最果ての樹海へ追放されてしまう。
しかし、【草】には草が持つ効能を増幅する力があった。
そこらへんの薬草でも、ウォルトが食べれば伝説級の薬草と同じ効果を発揮する。
しかも樹海には高額で取引される薬草や、絶滅したはずの幻の草もそこら中に生えていた。
あらゆる草を食べまくり最強の力を手に入れたウォルトが樹海を旅立つ時、王国は思い知ることになる。
自分たちがとんでもない人間を解き放ってしまったことを。
女神に同情されて異世界へと飛ばされたアラフォーおっさん、特S級モンスター相手に無双した結果、実力がバレて世界に見つかってしまう
サイダーボウイ
ファンタジー
「ちょっと冬馬君。このプレゼン資料ぜんぜんダメ。一から作り直してくれない?」
万年ヒラ社員の冬馬弦人(39歳)は、今日も上司にこき使われていた。
地方の中堅大学を卒業後、都内の中小家電メーカーに就職。
これまで文句も言わず、コツコツと地道に勤め上げてきた。
彼女なしの独身に平凡な年収。
これといって自慢できるものはなにひとつないが、当の本人はあまり気にしていない。
2匹の猫と穏やかに暮らし、仕事終わりに缶ビールが1本飲めれば、それだけで幸せだったのだが・・・。
「おめでとう♪ たった今、あなたには異世界へ旅立つ権利が生まれたわ」
誕生日を迎えた夜。
突如、目の前に現れた女神によって、弦人の人生は大きく変わることになる。
「40歳まで童貞だったなんて・・・これまで惨めで辛かったでしょ? でももう大丈夫! これからは異世界で楽しく遊んで暮らせるんだから♪」
女神に同情される形で異世界へと旅立つことになった弦人。
しかし、降り立って彼はすぐに気づく。
女神のとんでもないしくじりによって、ハードモードから異世界生活をスタートさせなければならないという現実に。
これは、これまで日の目を見なかったアラフォーおっさんが、異世界で無双しながら成り上がり、その実力がバレて世界に見つかってしまうという人生逆転の物語である。
神の宝物庫〜すごいスキルで楽しい人生を〜
月風レイ
ファンタジー
グロービル伯爵家に転生したカインは、転生後憧れの魔法を使おうとするも、魔法を発動することができなかった。そして、自分が魔法が使えないのであれば、剣を磨こうとしたところ、驚くべきことを告げられる。
それは、この世界では誰でも6歳にならないと、魔法が使えないということだ。この世界には神から与えられる、恩恵いわばギフトというものがかって、それをもらうことで初めて魔法やスキルを行使できるようになる。
と、カインは自分が無能なのだと思ってたところから、6歳で行う洗礼の儀でその運命が変わった。
洗礼の儀にて、この世界の邪神を除く、12神たちと出会い、12神全員の祝福をもらい、さらには恩恵として神をも凌ぐ、とてつもない能力を入手した。
カインはそのとてつもない能力をもって、周りの人々に支えられながらも、異世界ファンタジーという夢溢れる、憧れの世界を自由気ままに創意工夫しながら、楽しく過ごしていく。
異世界帰りの勇者は現代社会に戦いを挑む
大沢 雅紀
ファンタジー
ブラック企業に勤めている山田太郎は、自らの境遇に腐ることなく働いて金をためていた。しかし、やっと挙げた結婚式で裏切られてしまう。失意の太郎だったが、異世界に勇者として召喚されてしまった。
一年後、魔王を倒した太郎は、異世界で身に着けた力とアイテムをもって帰還する。そして自らを嵌めたクラスメイトと、彼らを育んた日本に対して戦いを挑むのだった。
フリーター転生。公爵家に転生したけど継承権が低い件。精霊の加護(チート)を得たので、努力と知識と根性で公爵家当主へと成り上がる
SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
400倍の魔力ってマジ!?魔力が多すぎて範囲攻撃魔法だけとか縛りでしょ
25歳子供部屋在住。彼女なし=年齢のフリーター・バンドマンはある日理不尽にも、バンドリーダでボーカルからクビを宣告され、反論を述べる間もなくガッチャ切りされそんな失意のか、理不尽に言い渡された残業中に急死してしまう。
目が覚めると俺は広大な領地を有するノーフォーク公爵家の長男の息子ユーサー・フォン・ハワードに転生していた。
ユーサーは一度目の人生の漠然とした目標であった『有名になりたい』他人から好かれ、知られる何者かになりたかった。と言う目標を再認識し、二度目の生を悔いの無いように、全力で生きる事を誓うのであった。
しかし、俺が公爵になるためには父の兄弟である次男、三男の息子。つまり従妹達と争う事になってしまい。
ユーサーは富国強兵を掲げ、先ずは小さな事から始めるのであった。
そんな主人公のゆったり成長期!!
クラス転移で無能判定されて追放されたけど、努力してSSランクのチートスキルに進化しました~【生命付与】スキルで異世界を自由に楽しみます~
いちまる
ファンタジー
ある日、クラスごと異世界に召喚されてしまった少年、天羽イオリ。
他のクラスメートが強力なスキルを発現させてゆく中、イオリだけが最低ランクのEランクスキル【生命付与】の持ち主だと鑑定される。
「無能は不要だ」と判断した他の生徒や、召喚した張本人である神官によって、イオリは追放され、川に突き落とされた。
しかしそこで、川底に沈んでいた謎の男の力でスキルを強化するチャンスを得た――。
1千年の努力とともに、イオリのスキルはSSランクへと進化!
自分を拾ってくれた田舎町のアイテムショップで、チートスキルをフル稼働!
「転移者が世界を良くする?」
「知らねえよ、俺は異世界を自由気ままに楽しむんだ!」
追放された少年の第2の人生が、始まる――!
※本作品は他サイト様でも掲載中です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる