最強賢者の最強メイド~主人もメイドもこの世界に敵がいないようです~

津ヶ谷

文字の大きさ
上 下
123 / 132

第120話 組織制圧の時②

しおりを挟む
 樹とアリアを中心に、ガラの悪い男たちに囲まれていた。

「あー、やっぱり、こうなりますよね」
「予想の範囲内ですけどね」
「おう」

 男たちは鉄パイプを持ち、構えた。

「アリア、どっちやる?」
「じゃあ、左で」

 アリアはそう言って、左の男を指さした。

「了解!」

 その時、男は樹に向かって鉄パイプを振り下ろした。

「ごちゃごちゃ言ってんじゃねぇ!!」
「おっと」

 樹は、後ろに跳躍することでそれを躱す。

「おらぁ!!」

 男は鉄パイプを大きく上に構えた。
樹は、それを、右手首で受け止めた。

「何!?」
「どうした? もう終わりか?」

 樹は、鉄パイプを掴むと、鉄パイプごと男を投げ飛ばした。
よろよろと、立ち上がる男の顎に、思いっ切り蹴りをお見舞いした。
すると、男は後ろに倒れ、立ち上がることは無かった。


「女が調子に乗るな!!」

 アリアは、男の攻撃を綺麗に躱していた。
攻撃を躱すのと同時に、男の手首を掴み、そのまま投げ飛ばす。

「動くな」

 立ち上がろうとする、男の眉間に、銃口を突き付けていた。

「ひぃ」

 そう、情けない声を上げ、アリアの撃ち込んだ麻痺弾によって、気絶していた。

「こっちは終わったぞ」
「こっちもです」

 樹とアリアを襲った、二人の男は、床で伸びていた。

「流石、と言うべきなんでしょうね」

 スーツ姿の男が、小さく拍手していた。

「そりゃ、どうも。女の子たちはどこだ?」
「さぁ?」

 その時、男の目が一瞬右に動いた。

「向こうの部屋か」
「待て!!」

 樹がその部屋に向かおうとした時、肩を掴まれた。

「黙っとけ」

 樹は、男の腕を捻り上げると、鳩尾に拳を撃ち込んだ。
男は、その場に倒れ込む。

「アリア!」
「はい」

 樹は、アリアと共に、隣の部屋に向かった。
扉を開けると、そこには、ぐったりとした女の子たちが10人以上いた。

「おい、大丈夫か??」
「大丈夫?」

 樹とアリアが、一人ひとり確認していく。

「とりあえず、皆、意識はあるみたいだな」
「はい」
「アリアはこっちを頼む。俺は、あいつらを何とかしてくる」

 そう言うと、樹は男たちを縛り上げた。

「おーい、衛兵、ちょっと来てくれ」

 外を巡回中の衛兵に声を掛けた。

「こいつらを連行してくれ。これ、令状だ」
「はっ!!」

 樹は、男どもを衛兵に引き渡すと、アリアの元に戻った。

「男たちは衛兵に引き渡して来た。後は、この子たちの保護だ」
「はい」

 樹は、女の子たちにプラチナに輝く、ギルドカードを提示した。

「君たちを保護しに来た。全員ついて来てくれ」

 その、樹の言葉に、女の子たちの表情には、わずかな希望が見えた気がした。

 保護した女の子たちを連れ、ギルド本部へと向かう。

「メラニさん、この子たちの保護を頼む。ギルマスには話を通してあるはずだけど」
「はい、聞いております。後は、お任せ下さい。お疲れ様でした」
「ありがとう」

 ギルドに保護をお願いすると、樹とアリアは屋敷に向かって歩いた。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

【完結】召喚に応じたらハーレムができた件~ドラゴンに転生した僕の甘々甘やかされ生活~

くーねるでぶる(戒め)
ファンタジー
 社会人になり、一人称がオレから僕に代わり、僕がすっかり板についてきた頃、僕は大型のトラックに轢かれその生涯を閉じた。そして、気が付くとドラゴンとして異世界に転生していた。  そして、ある時――。 『お願い致します。どうか、わたくしにお力をお貸しください』  美少女の声にホイホイ釣られて、使い魔として召喚されてしまうのだった。  これは、ドラゴンに転生した僕が甘々に甘やかされるお話。

ステータス画面がバグったのでとりあえず叩きます!!

カタナヅキ
ファンタジー
ステータ画面は防御魔法?あらゆる攻撃を画面で防ぐ異色の魔術師の物語!! 祖父の遺言で魔女が暮らす森に訪れた少年「ナオ」は一冊の魔導書を渡される。その魔導書はかつて異界から訪れたという人間が書き記した代物であり、ナオは魔導書を読み解くと視界に「ステータス画面」なる物が現れた。だが、何故か画面に表示されている文字は無茶苦茶な羅列で解読ができず、折角覚えた魔法なのに使い道に悩んだナオはある方法を思いつく。 「よし、とりあえず叩いてみよう!!」 ステータス画面を掴んでナオは悪党や魔物を相手に叩き付け、時には攻撃を防ぐ防具として利用する。世界でただ一人の「ステータス画面」の誤った使い方で彼は成り上がる。 ※ステータスウィンドウで殴る、防ぐ、空を飛ぶ異色のファンタジー!!

うっかり『野良犬』を手懐けてしまった底辺男の逆転人生

野良 乃人
ファンタジー
辺境の田舎街に住むエリオは落ちこぼれの底辺冒険者。 普段から無能だの底辺だのと馬鹿にされ、薬草拾いと揶揄されている。 そんなエリオだが、ふとした事がきっかけで『野良犬』を手懐けてしまう。 そこから始まる底辺落ちこぼれエリオの成り上がりストーリー。 そしてこの世界に存在する宝玉がエリオに力を与えてくれる。 うっかり野良犬を手懐けた底辺男。冒険者という枠を超え乱世での逆転人生が始まります。 いずれは王となるのも夢ではないかも!? ◇世界観的に命の価値は軽いです◇ カクヨムでも同タイトルで掲載しています。

【完結】神様と呼ばれた医師の異世界転生物語 ~胸を張って彼女と再会するために自分磨きの旅へ!~

川原源明
ファンタジー
 秋津直人、85歳。  50年前に彼女の進藤茜を亡くして以来ずっと独身を貫いてきた。彼の傍らには彼女がなくなった日に出会った白い小さな子犬?の、ちび助がいた。  嘗ては、救命救急センターや外科で医師として活動し、多くの命を救って来た直人、人々に神様と呼ばれるようになっていたが、定年を迎えると同時に山を買いプライベートキャンプ場をつくり余生はほとんどここで過ごしていた。  彼女がなくなって50年目の命日の夜ちび助とキャンプを楽しんでいると意識が遠のき、気づけば辺りが真っ白な空間にいた。  白い空間では、創造神を名乗るネアという女性と、今までずっとそばに居たちび助が人の子の姿で土下座していた。ちび助の不注意で茜君が命を落とし、謝罪の意味を込めて、創造神ネアの創る世界に、茜君がすでに転移していることを教えてくれた。そして自分もその世界に転生させてもらえることになった。  胸を張って彼女と再会できるようにと、彼女が降り立つより30年前に転生するように創造神ネアに願った。  そして転生した直人は、新しい家庭でナットという名前を与えられ、ネア様と、阿修羅様から貰った加護と学生時代からやっていた格闘技や、仕事にしていた医術、そして趣味の物作りやサバイバル技術を活かし冒険者兼医師として旅にでるのであった。  まずは最強の称号を得よう!  地球では神様と呼ばれた医師の異世界転生物語 ※元ヤンナース異世界生活 ヒロイン茜ちゃんの彼氏編 ※医療現場の恋物語 馴れ初め編

ようこそ異世界へ!うっかりから始まる異世界転生物語

Eunoi
ファンタジー
本来12人が異世界転生だったはずが、神様のうっかりで異世界転生に巻き込まれた主人公。 チート能力をもらえるかと思いきや、予定外だったため、チート能力なし。 その代わりに公爵家子息として異世界転生するも、まさかの没落→島流し。 さぁ、どん底から這い上がろうか そして、少年は流刑地より、王政が当たり前の国家の中で、民主主義国家を樹立することとなる。 少年は英雄への道を歩き始めるのだった。 ※第4章に入る前に、各話の改定作業に入りますので、ご了承ください。

欲張ってチートスキル貰いすぎたらステータスを全部0にされてしまったので最弱から最強&ハーレム目指します

ゆさま
ファンタジー
チートスキルを授けてくれる女神様が出てくるまで最短最速です。(多分) HP1 全ステータス0から這い上がる! 可愛い女の子の挿絵多めです!! カクヨムにて公開したものを手直しして投稿しています。

捨て子の僕が公爵家の跡取り⁉~喋る聖剣とモフモフに助けられて波乱の人生を生きてます~

伽羅
ファンタジー
 物心がついた頃から孤児院で育った僕は高熱を出して寝込んだ後で自分が転生者だと思い出した。そして10歳の時に孤児院で火事に遭遇する。もう駄目だ! と思った時に助けてくれたのは、不思議な聖剣だった。その聖剣が言うにはどうやら僕は公爵家の跡取りらしい。孤児院を逃げ出した僕は聖剣とモフモフに助けられながら生家を目指す。

最強の職業は解体屋です! ゴミだと思っていたエクストラスキル『解体』が実は超有能でした

服田 晃和
ファンタジー
旧題:最強の職業は『解体屋』です!〜ゴミスキルだと思ってたエクストラスキル『解体』が実は最強のスキルでした〜 大学を卒業後建築会社に就職した普通の男。しかし待っていたのは設計や現場監督なんてカッコいい職業ではなく「解体作業」だった。来る日も来る日も使わなくなった廃ビルや、人が居なくなった廃屋を解体する日々。そんなある日いつものように廃屋を解体していた男は、大量のゴミに押しつぶされてしまい突然の死を迎える。  目が覚めるとそこには自称神様の金髪美少女が立っていた。その神様からは自分の世界に戻り輪廻転生を繰り返すか、できれば剣と魔法の世界に転生して欲しいとお願いされた俺。だったら、せめてサービスしてくれないとな。それと『魔法』は絶対に使えるようにしてくれよ!なんたってファンタジーの世界なんだから!  そうして俺が転生した世界は『職業』が全ての世界。それなのに俺の職業はよく分からない『解体屋』だって?貴族の子に生まれたのに、『魔導士』じゃなきゃ追放らしい。優秀な兄は勿論『魔導士』だってさ。  まぁでもそんな俺にだって、魔法が使えるんだ!えっ?神様の不手際で魔法が使えない?嘘だろ?家族に見放され悲しい人生が待っていると思った矢先。まさかの魔法も剣も極められる最強のチート職業でした!!  魔法を使えると思って転生したのに魔法を使う為にはモンスター討伐が必須!まずはスライムから行ってみよう!そんな男の楽しい冒険ファンタジー!

処理中です...