102 / 132
第100話 コドフスの街
しおりを挟む
あれから、2日野営をし、オリエンス領地である、コドフスの街へと到着した。
途中、魔物の襲撃はあったが、樹とアリアの敵では無かった。
「今日はコドフスの街で一泊となりそうだな」
「ええ、そうね」
ここまでの旅は順調だと思われた。
街に入る為の検問所はあったものの、王家の家紋を見るや素通りさせてくれた。
綾瀬の家紋は知らないようだが、ここは他国だ。
無理もない。
「さて、今日の宿を決めますかぁ」
「あ、それなら、私がいつも行く所があるわ」
「おぉ、ならそこにしようか」
ミアがいつも使っているとい宿屋に案内してもらうと宿泊の手続きを済ませた。
「明日からに備えて今日はゆっくり休んでくれ」
「「はい」」
三人での夕食を終えるとそれぞれ部屋へと戻った。
「でも、いくら宿屋に泊まっているからといって警戒はしないとな」
辺りが闇に包まれた頃、樹は宿の屋根の上に立っていた。
闇夜に佇む漆黒の男。
明らかに怪しのは樹なのかも知れない。
「ん?」
樹の目に何やら動く影が映った。
「樹さま」
気づくとアリアが隣に居た。
「うぉ、びっくりした。気配消すなよ」
「申し訳ありません。何やら不穏な気配かしたものですから」
「ああ、それは俺も感じたよ。昼間、堂々と街中歩いたのが失敗だったか」
王家の家紋が描かれた馬車が目立つなという方が無理がある。
「囲まれる前に挨拶にいきましょうかね」
樹の広角は僅かに上がった。
「相変わらずですね」
「先に仕掛けて来ようとしたのは向こうだ。文句は受け付けないさ」
「確かにそうではありますが」
「アリアは姫さん見といてくれ」
「承知しました」
それだけ言うと樹は屋根の上から飛び降りた。
「シルフィル居るか?」
「おうよマスター」
「退屈させて悪かったな。暴れるぞ」
「おう、やっと動けるのか!」
シルフィルには小さくなってもらい、樹の鞄に入っててもらったのだ。
「で、どいつをヤるんだ?」
いつの間かシルフィルはいつもの人間の姿になっていた。
この姿が随分と気に入ったらしい。
「シルフィルはこの暗さでも見えるのか?」
「うむ、精霊だからな」
「そいつはいい。敵の数は確認出来たものだけで6人。今はこの裏に居るみたいだ」
「じゃあ、挨拶しないとね」
シルフィルもすっかりやる気に満ちて居た。
指をポキポキと鳴らしている。
顔は美人なのにやる事が何かと血の気が多いのだ。
「だな」
血の気が多いのはシルフィルだけではないようだ。
樹たちは宿の裏へと回った。
「こんばんはー」
樹は黒い笑みを浮かべながら言った。
「何だお前ら?」
「それはこっちが聞きたいよ。何か用事なら僕が聞こうじゃないか」
「ガキと女が何言ってやがる!!」
夜襲をかけようとした男のリーダーと思われる奴が睨みをきかせてきた。
「おっと、シルフィルちゃん、俺たち随分と舐められてるみたいだよ」
「気に入らないわね」
「ひと暴れしますか」
樹とシルフィルは戦闘態勢に入った。
途中、魔物の襲撃はあったが、樹とアリアの敵では無かった。
「今日はコドフスの街で一泊となりそうだな」
「ええ、そうね」
ここまでの旅は順調だと思われた。
街に入る為の検問所はあったものの、王家の家紋を見るや素通りさせてくれた。
綾瀬の家紋は知らないようだが、ここは他国だ。
無理もない。
「さて、今日の宿を決めますかぁ」
「あ、それなら、私がいつも行く所があるわ」
「おぉ、ならそこにしようか」
ミアがいつも使っているとい宿屋に案内してもらうと宿泊の手続きを済ませた。
「明日からに備えて今日はゆっくり休んでくれ」
「「はい」」
三人での夕食を終えるとそれぞれ部屋へと戻った。
「でも、いくら宿屋に泊まっているからといって警戒はしないとな」
辺りが闇に包まれた頃、樹は宿の屋根の上に立っていた。
闇夜に佇む漆黒の男。
明らかに怪しのは樹なのかも知れない。
「ん?」
樹の目に何やら動く影が映った。
「樹さま」
気づくとアリアが隣に居た。
「うぉ、びっくりした。気配消すなよ」
「申し訳ありません。何やら不穏な気配かしたものですから」
「ああ、それは俺も感じたよ。昼間、堂々と街中歩いたのが失敗だったか」
王家の家紋が描かれた馬車が目立つなという方が無理がある。
「囲まれる前に挨拶にいきましょうかね」
樹の広角は僅かに上がった。
「相変わらずですね」
「先に仕掛けて来ようとしたのは向こうだ。文句は受け付けないさ」
「確かにそうではありますが」
「アリアは姫さん見といてくれ」
「承知しました」
それだけ言うと樹は屋根の上から飛び降りた。
「シルフィル居るか?」
「おうよマスター」
「退屈させて悪かったな。暴れるぞ」
「おう、やっと動けるのか!」
シルフィルには小さくなってもらい、樹の鞄に入っててもらったのだ。
「で、どいつをヤるんだ?」
いつの間かシルフィルはいつもの人間の姿になっていた。
この姿が随分と気に入ったらしい。
「シルフィルはこの暗さでも見えるのか?」
「うむ、精霊だからな」
「そいつはいい。敵の数は確認出来たものだけで6人。今はこの裏に居るみたいだ」
「じゃあ、挨拶しないとね」
シルフィルもすっかりやる気に満ちて居た。
指をポキポキと鳴らしている。
顔は美人なのにやる事が何かと血の気が多いのだ。
「だな」
血の気が多いのはシルフィルだけではないようだ。
樹たちは宿の裏へと回った。
「こんばんはー」
樹は黒い笑みを浮かべながら言った。
「何だお前ら?」
「それはこっちが聞きたいよ。何か用事なら僕が聞こうじゃないか」
「ガキと女が何言ってやがる!!」
夜襲をかけようとした男のリーダーと思われる奴が睨みをきかせてきた。
「おっと、シルフィルちゃん、俺たち随分と舐められてるみたいだよ」
「気に入らないわね」
「ひと暴れしますか」
樹とシルフィルは戦闘態勢に入った。
3
お気に入りに追加
273
あなたにおすすめの小説

【完結】召喚に応じたらハーレムができた件~ドラゴンに転生した僕の甘々甘やかされ生活~
くーねるでぶる(戒め)
ファンタジー
社会人になり、一人称がオレから僕に代わり、僕がすっかり板についてきた頃、僕は大型のトラックに轢かれその生涯を閉じた。そして、気が付くとドラゴンとして異世界に転生していた。
そして、ある時――。
『お願い致します。どうか、わたくしにお力をお貸しください』
美少女の声にホイホイ釣られて、使い魔として召喚されてしまうのだった。
これは、ドラゴンに転生した僕が甘々に甘やかされるお話。
30代社畜の私が1ヶ月後に異世界転生するらしい。
ひさまま
ファンタジー
前世で搾取されまくりだった私。
魂の休養のため、地球に転生したが、地球でも今世も搾取されまくりのため魂の消滅の危機らしい。
とある理由から元の世界に戻るように言われ、マジックバックを自称神様から頂いたよ。
これで地球で買ったものを持ち込めるとのこと。やっぱり夢ではないらしい。
取り敢えず、明日は退職届けを出そう。
目指せ、快適異世界生活。
ぽちぽち更新します。
作者、うっかりなのでこれも買わないと!というのがあれば教えて下さい。
脳内の空想を、つらつら書いているのでお目汚しな際はごめんなさい。

S級冒険者の子どもが進む道
干支猫
ファンタジー
【12/26完結】
とある小さな村、元冒険者の両親の下に生まれた子、ヨハン。
父親譲りの剣の才能に母親譲りの魔法の才能は両親の想定の遥か上をいく。
そうして王都の冒険者学校に入学を決め、出会った仲間と様々な学生生活を送っていった。
その中で魔族の存在にエルフの歴史を知る。そして魔王の復活を聞いた。
魔王とはいったい?
※感想に盛大なネタバレがあるので閲覧の際はご注意ください。
大工スキルを授かった貧乏貴族の養子の四男だけど、どうやら大工スキルは伝説の全能スキルだったようです
飼猫タマ
ファンタジー
田舎貴族の四男のヨナン・グラスホッパーは、貧乏貴族の養子。義理の兄弟達は、全員戦闘系のレアスキル持ちなのに、ヨナンだけ貴族では有り得ない生産スキルの大工スキル。まあ、養子だから仕方が無いんだけど。
だがしかし、タダの生産スキルだと思ってた大工スキルは、じつは超絶物凄いスキルだったのだ。その物凄スキルで、生産しまくって超絶金持ちに。そして、婚約者も出来て幸せ絶頂の時に嵌められて、人生ドン底に。だが、ヨナンは、有り得ない逆転の一手を持っていたのだ。しかも、その有り得ない一手を、本人が全く覚えてなかったのはお約束。
勿論、ヨナンを嵌めた奴らは、全員、ザマー百裂拳で100倍返し!
そんなお話です。

ステータス画面がバグったのでとりあえず叩きます!!
カタナヅキ
ファンタジー
ステータ画面は防御魔法?あらゆる攻撃を画面で防ぐ異色の魔術師の物語!!
祖父の遺言で魔女が暮らす森に訪れた少年「ナオ」は一冊の魔導書を渡される。その魔導書はかつて異界から訪れたという人間が書き記した代物であり、ナオは魔導書を読み解くと視界に「ステータス画面」なる物が現れた。だが、何故か画面に表示されている文字は無茶苦茶な羅列で解読ができず、折角覚えた魔法なのに使い道に悩んだナオはある方法を思いつく。
「よし、とりあえず叩いてみよう!!」
ステータス画面を掴んでナオは悪党や魔物を相手に叩き付け、時には攻撃を防ぐ防具として利用する。世界でただ一人の「ステータス画面」の誤った使い方で彼は成り上がる。
※ステータスウィンドウで殴る、防ぐ、空を飛ぶ異色のファンタジー!!

ようこそ異世界へ!うっかりから始まる異世界転生物語
Eunoi
ファンタジー
本来12人が異世界転生だったはずが、神様のうっかりで異世界転生に巻き込まれた主人公。
チート能力をもらえるかと思いきや、予定外だったため、チート能力なし。
その代わりに公爵家子息として異世界転生するも、まさかの没落→島流し。
さぁ、どん底から這い上がろうか
そして、少年は流刑地より、王政が当たり前の国家の中で、民主主義国家を樹立することとなる。
少年は英雄への道を歩き始めるのだった。
※第4章に入る前に、各話の改定作業に入りますので、ご了承ください。

異世界転移しましたが、面倒事に巻き込まれそうな予感しかしないので早めに逃げ出す事にします。
sou
ファンタジー
蕪木高等学校3年1組の生徒40名は突如眩い光に包まれた。
目が覚めた彼らは異世界転移し見知らぬ国、リスランダ王国へと転移していたのだ。
「勇者たちよ…この国を救ってくれ…えっ!一人いなくなった?どこに?」
これは、面倒事を予感した主人公がいち早く逃げ出し、平穏な暮らしを目指す物語。
なろう、カクヨムにも同作を投稿しています。
【完結】神様と呼ばれた医師の異世界転生物語 ~胸を張って彼女と再会するために自分磨きの旅へ!~
川原源明
ファンタジー
秋津直人、85歳。
50年前に彼女の進藤茜を亡くして以来ずっと独身を貫いてきた。彼の傍らには彼女がなくなった日に出会った白い小さな子犬?の、ちび助がいた。
嘗ては、救命救急センターや外科で医師として活動し、多くの命を救って来た直人、人々に神様と呼ばれるようになっていたが、定年を迎えると同時に山を買いプライベートキャンプ場をつくり余生はほとんどここで過ごしていた。
彼女がなくなって50年目の命日の夜ちび助とキャンプを楽しんでいると意識が遠のき、気づけば辺りが真っ白な空間にいた。
白い空間では、創造神を名乗るネアという女性と、今までずっとそばに居たちび助が人の子の姿で土下座していた。ちび助の不注意で茜君が命を落とし、謝罪の意味を込めて、創造神ネアの創る世界に、茜君がすでに転移していることを教えてくれた。そして自分もその世界に転生させてもらえることになった。
胸を張って彼女と再会できるようにと、彼女が降り立つより30年前に転生するように創造神ネアに願った。
そして転生した直人は、新しい家庭でナットという名前を与えられ、ネア様と、阿修羅様から貰った加護と学生時代からやっていた格闘技や、仕事にしていた医術、そして趣味の物作りやサバイバル技術を活かし冒険者兼医師として旅にでるのであった。
まずは最強の称号を得よう!
地球では神様と呼ばれた医師の異世界転生物語
※元ヤンナース異世界生活 ヒロイン茜ちゃんの彼氏編
※医療現場の恋物語 馴れ初め編
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる