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第12話 外道冒険者
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樹とアリアは戦闘態勢に入った。
「おらぁぁ!!」
スキンヘッドは思い切り大剣を振りかざす。
樹はそれを綺麗に躱しながら間合いを保っていた。
「ちょこまか逃げるんじゃねぇ!!」
その言葉聞いた樹は思い切り身体強化のスキルを使い、立ち止まった。
「なんだ、諦めたのか?」
男が大剣を振りかざす。
その大剣を思い切り蹴り飛ばすと大剣は真っ二つにへし折れた。
「な、なにぃ!」
「あーあ、俺とやり合うんならもっと丈夫な剣を使わなきゃ」
そう言って樹は黒い笑みを浮かべた。
完全に鉄でできている剣が丈夫じゃない訳がないのだが、そんな常識は樹に通用しない。
「舐めるなぁ!」
今度は素手で殴りかかってきた。
樹はそれを躱すと足をかけ、みぞおちに拳を打ち込んだ。
「うっ」
うめき声と共に男は気絶した。
アリアはアリアで男に対抗していた。
どうやら腕は鈍っていないようだ。
だた一つ、樹が目にしたものは衝撃的なものだった。
華奢な体からは想像も出来ないほどの格闘術だった。
男の腕を取り、そのまま投げ飛ばす。
よろよろと立ち上がった男の顔面に回し蹴りをお見舞いしていた。
こうして、男二人を見事に倒してしまった。
「いやあ、お見事お見事。さすがだな」
「恐縮です。腕は鈍ってないみたいで。樹様もさすがでございます」
周りの冒険者からは拍手が送られてきた。
「あいつらも、あの二人にちょっかい出すとはついてねぇな」
「ほんとだよな。Sラン二人なんか相手できるかっての」
そんな声が聞こえてきた。
「おい、これは何事だね?」
騒ぎを聞きつけたギルマスが出てきた。
いや、もっと早く来いよ。
「こいつらにちょっと絡まれてな。ムカついたんで軽くしばいといた」
ギルマスは目をぱちぱちさせていた。
「こ、これのどこが軽くなんだね……二人とも、少しは手加減というものをだな」
「元はといえばこいつらが先に絡んできたのが悪い」
「全くその通りでございます」
気づいたのだが、アリアも意外と脳筋思考らしい。
「こいつらの事頼めるか?」
「あ、ああ、あとのことはこちらで処理しておくから。もう、行っていいぞ。災難だったな」
「ありがとうな。じゃあ、行くか」
思わぬ足止めをくらってしまったが、二人はアジトがあるとされている所まで向かった。
そのアジトはここから歩いて行けるほどの距離だったので転移魔法は使わずに歩いて行くことにした。
「なあ、アリア」
「何でございましょうか?」
「その銃、見せてくれないか?」
「ええ、構いませんよ」
そういってアリアは片方の太ももから銃を抜いて樹に渡してくれた。
「お、意外と重いんだな」
「はい、全て鉄製ですので」
アリアは軽く持っていたのでそんなに重くないものだと錯覚していた。
「今は実弾は入っていませんのでご安心を」
「あ、そうなのね」
地球に居た頃は手にすることの出来なかった本物の銃に樹は少しテンションが
上がった。
「ありがとう。これは使いこなせそうにないかな」
「いえ。樹さまなら使えると思いますが、刀の方がいいのでしょう」
「まあ、そうだな」
そんなことを話しながら歩いているうちにアジトの付近に到着した。
「おらぁぁ!!」
スキンヘッドは思い切り大剣を振りかざす。
樹はそれを綺麗に躱しながら間合いを保っていた。
「ちょこまか逃げるんじゃねぇ!!」
その言葉聞いた樹は思い切り身体強化のスキルを使い、立ち止まった。
「なんだ、諦めたのか?」
男が大剣を振りかざす。
その大剣を思い切り蹴り飛ばすと大剣は真っ二つにへし折れた。
「な、なにぃ!」
「あーあ、俺とやり合うんならもっと丈夫な剣を使わなきゃ」
そう言って樹は黒い笑みを浮かべた。
完全に鉄でできている剣が丈夫じゃない訳がないのだが、そんな常識は樹に通用しない。
「舐めるなぁ!」
今度は素手で殴りかかってきた。
樹はそれを躱すと足をかけ、みぞおちに拳を打ち込んだ。
「うっ」
うめき声と共に男は気絶した。
アリアはアリアで男に対抗していた。
どうやら腕は鈍っていないようだ。
だた一つ、樹が目にしたものは衝撃的なものだった。
華奢な体からは想像も出来ないほどの格闘術だった。
男の腕を取り、そのまま投げ飛ばす。
よろよろと立ち上がった男の顔面に回し蹴りをお見舞いしていた。
こうして、男二人を見事に倒してしまった。
「いやあ、お見事お見事。さすがだな」
「恐縮です。腕は鈍ってないみたいで。樹様もさすがでございます」
周りの冒険者からは拍手が送られてきた。
「あいつらも、あの二人にちょっかい出すとはついてねぇな」
「ほんとだよな。Sラン二人なんか相手できるかっての」
そんな声が聞こえてきた。
「おい、これは何事だね?」
騒ぎを聞きつけたギルマスが出てきた。
いや、もっと早く来いよ。
「こいつらにちょっと絡まれてな。ムカついたんで軽くしばいといた」
ギルマスは目をぱちぱちさせていた。
「こ、これのどこが軽くなんだね……二人とも、少しは手加減というものをだな」
「元はといえばこいつらが先に絡んできたのが悪い」
「全くその通りでございます」
気づいたのだが、アリアも意外と脳筋思考らしい。
「こいつらの事頼めるか?」
「あ、ああ、あとのことはこちらで処理しておくから。もう、行っていいぞ。災難だったな」
「ありがとうな。じゃあ、行くか」
思わぬ足止めをくらってしまったが、二人はアジトがあるとされている所まで向かった。
そのアジトはここから歩いて行けるほどの距離だったので転移魔法は使わずに歩いて行くことにした。
「なあ、アリア」
「何でございましょうか?」
「その銃、見せてくれないか?」
「ええ、構いませんよ」
そういってアリアは片方の太ももから銃を抜いて樹に渡してくれた。
「お、意外と重いんだな」
「はい、全て鉄製ですので」
アリアは軽く持っていたのでそんなに重くないものだと錯覚していた。
「今は実弾は入っていませんのでご安心を」
「あ、そうなのね」
地球に居た頃は手にすることの出来なかった本物の銃に樹は少しテンションが
上がった。
「ありがとう。これは使いこなせそうにないかな」
「いえ。樹さまなら使えると思いますが、刀の方がいいのでしょう」
「まあ、そうだな」
そんなことを話しながら歩いているうちにアジトの付近に到着した。
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