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第30話 長期休暇へ

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 今日は、終業式。
明日からは長期休暇に入る。

「明日からお休みですねー」
「そうだな。別にこれといったイベントも無いがね」
「ですねー」

 今日も、紗良と並んで登校している。

「紗良は友達とどっか行ったりしないのか?」
「そうですね、誘われた行きますけど、今のところその予定は無いですね」
「そかそか」
「兄さんこそ、どこか行かないんですか?」

 横を歩く、紗良が尋ねてきた。

「うーん、俺はサイン会もあるし、アニメ化も迫ってきてるからな。長期間都内を出る訳にはいかんさ」
「そのお仕事って大変ですよね」
「まぁね」

 そんな話をしつつも、学校へと到着する。

「お前ら、本当に仲良いよな。付き合ってんのか?」

 安定の冷やかしを、和也が入れてくる。

「兄妹だわ!」
「へいへい」

 そんなこんなで、自分の席へと腰を下ろした。

 つまらない、終業式を終え、午前中で下校となった。

「春輝、みんなでご飯食べに行かない?」

 下校の準備を整えた時、莉緒がやって来た。

「皆んなって誰だよ?」
「私と、紗良ちゃんと和也とアンタ!」
「皆んなって、結局いつものメンバーじゃないかよ」
「文句あんの?」

 莉緒がジト目で見てきた。

「いや、俺は紗良がいいなら構わないよ」
「あんたら、どんだけ仲良いのよ。紗良ちゃんも、兄さんが良ければって言ってたわよ」

 莉緒は呆れたような声で言った。

「和也は何て言ってんだ?」
「行くって言っているわよ」
「なら、いいんじゃないか?」

 そう言うと、四人でご飯に行く事が決定した。

「じゃあ、早く行きましょう」
「おう、分かったよ」

 春輝は、準備を終えると四人で駅前へと向かう。

「飯って、どこに行くんだ?」
「ん? ファミレスとかでいいんじゃない? 安いし」
「お、俺は賛成だ!」

 和也が手を上げた。

「なら、俺も別にいいよ」
「私も」

 四人でファミレスに行くことが決定した。
 ファミレスに入ると、四人がけのテーブル席に通された。
紗良と莉緒が奥、春輝と和也が手前と言った感じだ。

「皆んな、何にするんだ?」
「私はランチにするわ」
「私も……」
「じゃあ、俺もそれにしようかな」

 四人は、ドリンクバー付きのランチを注文した。
各々、ドリンクを取って来ると、料理が来るのを待つ。

「そう言えば、春輝が題字してるマホガクのアニメ化決まったんだって?」
 
 和也が言った。

「何で知ってんだよ……」
「何でって、あんた知らないの? マホガクって結構有名なのよ。ね? 東條零せんせっ!」

 からかうような笑を浮かべて、莉緒はスマホの画面を向けてきた。
ちなみに、マホガクと言うのは、魔法学院の最強賢者の略称である。

「恥ずかしいから、その名前では呼ぶな!」
「いいじゃん、零せんせ! カッコイイよ」
「おまえ、楽しんでるだろ?」
「バレた?」

 莉緒はいたずらっぽく笑った。
そんな事をしているうちに、料理が運ばれてきた。
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