9 / 87
第9話 ご飯の帰り道
しおりを挟む
焼肉屋を出て、階段を降り切った所で紗良が待っていた。
「お待たせ」
「いえ、ごちそうさまでした」
「いえいえ。はい、これ。ガム貰ったから」
そう言って、俺は貰ったガムを手渡した。
「あ、ありがとうございます」
紗良は、ガムの包み紙を開くと、口にガムを放り込んだ。
「さて、帰ろうぜ」
「はい!」
二人は、並んで家までの道のりを歩き始めた。
「そういえば、まだ、連絡先交換してなかったよな?」
「そういえばそうですね」
「まあ、このところずっと一緒に居たからな」
俺たちは、ほとんど一緒に居たし、同じ家に住んでいる為、今まで連絡先を交換しなくても、さほど不便は無かったのだ。
「家族だし、交換しとくか」
「そうですね!」
歩きながらポケットからスマホを取り出し、メッセージアプリを立ち上げた。
「ほれ、これ読み込んでくれ」
メッセージアプリのQRコードを画面に表示させた。
「はい!」
紗良もメッセージアプリを立ち上げ、俺の表示したQRコードを読み込んだ。
『新しい友達』の欄に、紗良の名前が表示された。
「これで合ってる?」
「はい。その、紗良ってのが私です」
友達と撮ったと思われる、プリクラがアイコンになっていた。
「兄さんのはこれですか?」
紗良がスマホの画面をこっちに向けてきた。
「そうそう、それが俺」
春輝は、自分の書道の作品をアイコンにしていた。
「やっぱり、兄さんって、字上手いんですね」
「ああ、まあ、これでも書道部の部長だからな」
ピコン
紗良から、『よろしくお願いいたします』という、スタンプが送られてきた。
俺も、スタンプで返すと、スマホをポケットに仕舞った。
そこから、数分歩いて、家の前に到着する。
ポケットから鍵を取り出すと、開錠し、紗良を先に家の中に入れた。
「焼肉の匂い付いたよな。洗濯するか」
「それがいいですね。私、部屋着に着替えてきます」
「おう、それなら、そのまま風呂入れよ。沸かしてくから」
「ありがとうございます」
俺は、着ていたシャツを脱ぐと、洗濯機に放り込んだ。
そのまま、風呂を溜める。
20分ほどで、風呂が溜まったことを知らせてくれた。
「お、風呂沸いたか」
スマホと財布をリビングの机の上に置き、階段を見上げると、ちょうど紗良が降りてくるところだった。
「さっき、風呂が沸いたから、入ってきな。バスタオルも用意しといたから」
「ありがとうございます。じゃあ、お先に」
「おう」
紗良も、さっきまで着ていた服を、洗濯機に入れると、脱衣所の方に入って行った。
「ふう、これで紗良が出るまでは、まだ時間あるな」
リビングのソファーに腰を下ろすと、何となくテレビを付けた。
ボーっとテレビを30分ほど眺めていると、紗良が風呂から上がった音が聞こえてきた。
「兄さん、お風呂あがりましたよ」
「おう、そうか……」
そう言って振り返ると、バスタオル1枚姿の紗良が立っていた。
「お待たせ」
「いえ、ごちそうさまでした」
「いえいえ。はい、これ。ガム貰ったから」
そう言って、俺は貰ったガムを手渡した。
「あ、ありがとうございます」
紗良は、ガムの包み紙を開くと、口にガムを放り込んだ。
「さて、帰ろうぜ」
「はい!」
二人は、並んで家までの道のりを歩き始めた。
「そういえば、まだ、連絡先交換してなかったよな?」
「そういえばそうですね」
「まあ、このところずっと一緒に居たからな」
俺たちは、ほとんど一緒に居たし、同じ家に住んでいる為、今まで連絡先を交換しなくても、さほど不便は無かったのだ。
「家族だし、交換しとくか」
「そうですね!」
歩きながらポケットからスマホを取り出し、メッセージアプリを立ち上げた。
「ほれ、これ読み込んでくれ」
メッセージアプリのQRコードを画面に表示させた。
「はい!」
紗良もメッセージアプリを立ち上げ、俺の表示したQRコードを読み込んだ。
『新しい友達』の欄に、紗良の名前が表示された。
「これで合ってる?」
「はい。その、紗良ってのが私です」
友達と撮ったと思われる、プリクラがアイコンになっていた。
「兄さんのはこれですか?」
紗良がスマホの画面をこっちに向けてきた。
「そうそう、それが俺」
春輝は、自分の書道の作品をアイコンにしていた。
「やっぱり、兄さんって、字上手いんですね」
「ああ、まあ、これでも書道部の部長だからな」
ピコン
紗良から、『よろしくお願いいたします』という、スタンプが送られてきた。
俺も、スタンプで返すと、スマホをポケットに仕舞った。
そこから、数分歩いて、家の前に到着する。
ポケットから鍵を取り出すと、開錠し、紗良を先に家の中に入れた。
「焼肉の匂い付いたよな。洗濯するか」
「それがいいですね。私、部屋着に着替えてきます」
「おう、それなら、そのまま風呂入れよ。沸かしてくから」
「ありがとうございます」
俺は、着ていたシャツを脱ぐと、洗濯機に放り込んだ。
そのまま、風呂を溜める。
20分ほどで、風呂が溜まったことを知らせてくれた。
「お、風呂沸いたか」
スマホと財布をリビングの机の上に置き、階段を見上げると、ちょうど紗良が降りてくるところだった。
「さっき、風呂が沸いたから、入ってきな。バスタオルも用意しといたから」
「ありがとうございます。じゃあ、お先に」
「おう」
紗良も、さっきまで着ていた服を、洗濯機に入れると、脱衣所の方に入って行った。
「ふう、これで紗良が出るまでは、まだ時間あるな」
リビングのソファーに腰を下ろすと、何となくテレビを付けた。
ボーっとテレビを30分ほど眺めていると、紗良が風呂から上がった音が聞こえてきた。
「兄さん、お風呂あがりましたよ」
「おう、そうか……」
そう言って振り返ると、バスタオル1枚姿の紗良が立っていた。
0
お気に入りに追加
84
あなたにおすすめの小説
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
脅され彼女~可愛い女子の弱みを握ったので脅して彼女にしてみたが、健気すぎて幸せにしたいと思った~
みずがめ
青春
陰キャ男子が後輩の女子の弱みを握ってしまった。彼女いない歴=年齢の彼は後輩少女に彼女になってくれとお願いする。脅迫から生まれた恋人関係ではあったが、彼女はとても健気な女の子だった。
ゲス男子×健気女子のコンプレックスにまみれた、もしかしたら純愛になるかもしれないお話。
※この作品は別サイトにも掲載しています。
※表紙イラストは、あっきコタロウさんに描いていただきました。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
先輩に振られた。でも、いとこと幼馴染が結婚したいという想いを伝えてくる。俺を振った先輩は、間に合わない。恋、デレデレ、甘々でラブラブな青春。
のんびりとゆっくり
青春
俺、海春夢海(うみはるゆめうみ)。俺は高校一年生の時、先輩に振られた。高校二年生の始業式の日、俺は、いとこの春島紗緒里(はるしまさおり)ちゃんと再会を果たす。彼女は、幼い頃もかわいかったが、より一層かわいくなっていた。彼女は、俺に恋している。そして、婚約して結婚したい、と言ってきている。戸惑いながらも、彼女の熱い想いに、次第に彼女に傾いていく俺の心。そして、かわいい子で幼馴染の夏森寿々子(なつもりすずこ)ちゃんも、俺と婚約して結婚してほしい、という気持ちを伝えてきた。先輩は、その後、付き合ってほしいと言ってきたが、間に合わない。俺のデレデレ、甘々でラブラブな青春が、今始まろうとしている。この作品は、「小説家になろう」様「カクヨム」様にも投稿しています。「小説家になろう」様「カクヨム」様への投稿は、「先輩に振られた俺。でも、その後、いとこと幼馴染が婚約して結婚したい、という想いを一生懸命伝えてくる。俺を振った先輩が付き合ってほしいと言ってきても、間に合わない。恋、デレデレ、甘々でラブラブな青春。」という題名でしています。
男女比の狂った世界で愛を振りまく
キョウキョウ
恋愛
男女比が1:10という、男性の数が少ない世界に転生した主人公の七沢直人(ななさわなおと)。
その世界の男性は無気力な人が多くて、異性その恋愛にも消極的。逆に、女性たちは恋愛に飢え続けていた。どうにかして男性と仲良くなりたい。イチャイチャしたい。
直人は他の男性たちと違って、欲求を強く感じていた。女性とイチャイチャしたいし、楽しく過ごしたい。
生まれた瞬間から愛され続けてきた七沢直人は、その愛を周りの女性に返そうと思った。
デートしたり、手料理を振る舞ったり、一緒に趣味を楽しんだりする。その他にも、色々と。
本作品は、男女比の異なる世界の女性たちと積極的に触れ合っていく様子を描く物語です。
※カクヨムにも掲載中の作品です。
鷹鷲高校執事科
三石成
青春
経済社会が崩壊した後に、貴族制度が生まれた近未来。
東京都内に広大な敷地を持つ全寮制の鷹鷲高校には、貴族の子息が所属する帝王科と、そんな貴族に仕える、優秀な執事を育成するための執事科が設立されている。
物語の中心となるのは、鷹鷲高校男子部の三年生。
各々に悩みや望みを抱えた彼らは、高校三年生という貴重な一年間で、学校の行事や事件を通して、生涯の主人と執事を見つけていく。
表紙イラスト:燈実 黙(@off_the_lamp)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる