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第5話 お昼休み
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すっかりクラスの中でも人気者と化している紗良を横目にしながらも、時は流れて昼休みとなった。
まあ、美人だから、周りに人は集まるだろう。
少し、人見知りなところがあるみたいだが。
「兄さん、お弁当を食べましょう」
満面の笑みを浮かべながら俺の席にやってきた。
「おう、食うか。ほれ、お前の分も作っておいたぞ」
そう言って紗良に弁当箱を渡した。
「あ、ありがとうございます。兄さん、お弁当まで作ってくれたんですね」
「まあな。自分だけなら滅多にしないけど、紗良のためならな」
「嬉しいです……」
紗良が目を細めて優しく微笑む。
「おうおう、お二人さん、ラブラブだねぇ」
莉緒が冷やかしに来た。
「そんなんじゃないわ。兄妹が一緒に飯食うくらい普通だろ」
「だって、今までお弁当なんて持ってきたことないじゃん。いつも購買だったし」
莉緒とはそこそこ長い付き合いであり、何かと俺に絡んでくる。
「たまにはいいだろ。莉緒も一緒に食うか?」
「え、いいのかい? せっかくの兄妹水いらずを邪魔しても」
「俺は別にいいよ。紗良は?」
「私も構いません」
「よし、じゃあ、場所変えるか。ここだと人目が気になって落ち着いて食えたもんじゃない」
「「だね」」
俺たちは弁当を持ち、教室を出ると階段を上った。
「で、どこで食べるつもり?」
「あそこしかないだろ」
「やっぱりか」
階段を上がった突き当り、『書道室』と書かれた教室がある。
書道部の部室だ。
鍵は常に開いている為、顧問からも好きに使っていいという許可も出ている。
「あ、あの、私は書道部じゃないんですけどいいんですか?」
紗良が尋ねてきた。
「構わんさ。部長権限で許可する」
春輝と莉緒が一緒なら顧問も文句は無いであろう。
「あれぇ、部長と副部長じゃん」
書道室に入ると甘ったるい声が飛んできた。
「おう、咲良。お前もここで飯か?」
一ノ瀬咲良、1年の書道部員だ。
ぶりっこっぽい態度から一定層の男子からも人気が高い。
そして、書の腕も俺に及ばずも遠からずという所だ。
「そうですよ。ご飯ついでに作品の整理でもしようと思いまして」
咲良は無意識なのか俺のすぐ傍まで近づいてくる。
甘い女の子らしい匂いを感じながらも春輝は適当な椅子に腰を下ろした。
「紗良も座りなよ。飯食おう」
春輝の正面に紗良、左斜め前に莉緒、そして何故か隣りには咲良が座っていた。
「「「「いただきます」」」」
それぞれ弁当箱を開けた。
「え、春輝って本当に料理出来るんだ……」
俺と紗良の弁当箱を交互に見ながら莉緒が言った。
「だから、出来るって言ってんじゃん」
親が家を開けがちだった俺は一通りの家事は出来るようになっていた。
「これ、凄く美味しいです」
玉子焼きを口にした紗良が満面の笑みで言った。
「おぉ、そいつは良かった。我ながら上手く出来たと思ってたからな」
「では、今度、私も何か作りますね」
「大丈夫か?」
「何を心配してるんです? 私も料理くらい出来ますよ」
紗良は、胸を張って自慢げに言った。
まあ、美人だから、周りに人は集まるだろう。
少し、人見知りなところがあるみたいだが。
「兄さん、お弁当を食べましょう」
満面の笑みを浮かべながら俺の席にやってきた。
「おう、食うか。ほれ、お前の分も作っておいたぞ」
そう言って紗良に弁当箱を渡した。
「あ、ありがとうございます。兄さん、お弁当まで作ってくれたんですね」
「まあな。自分だけなら滅多にしないけど、紗良のためならな」
「嬉しいです……」
紗良が目を細めて優しく微笑む。
「おうおう、お二人さん、ラブラブだねぇ」
莉緒が冷やかしに来た。
「そんなんじゃないわ。兄妹が一緒に飯食うくらい普通だろ」
「だって、今までお弁当なんて持ってきたことないじゃん。いつも購買だったし」
莉緒とはそこそこ長い付き合いであり、何かと俺に絡んでくる。
「たまにはいいだろ。莉緒も一緒に食うか?」
「え、いいのかい? せっかくの兄妹水いらずを邪魔しても」
「俺は別にいいよ。紗良は?」
「私も構いません」
「よし、じゃあ、場所変えるか。ここだと人目が気になって落ち着いて食えたもんじゃない」
「「だね」」
俺たちは弁当を持ち、教室を出ると階段を上った。
「で、どこで食べるつもり?」
「あそこしかないだろ」
「やっぱりか」
階段を上がった突き当り、『書道室』と書かれた教室がある。
書道部の部室だ。
鍵は常に開いている為、顧問からも好きに使っていいという許可も出ている。
「あ、あの、私は書道部じゃないんですけどいいんですか?」
紗良が尋ねてきた。
「構わんさ。部長権限で許可する」
春輝と莉緒が一緒なら顧問も文句は無いであろう。
「あれぇ、部長と副部長じゃん」
書道室に入ると甘ったるい声が飛んできた。
「おう、咲良。お前もここで飯か?」
一ノ瀬咲良、1年の書道部員だ。
ぶりっこっぽい態度から一定層の男子からも人気が高い。
そして、書の腕も俺に及ばずも遠からずという所だ。
「そうですよ。ご飯ついでに作品の整理でもしようと思いまして」
咲良は無意識なのか俺のすぐ傍まで近づいてくる。
甘い女の子らしい匂いを感じながらも春輝は適当な椅子に腰を下ろした。
「紗良も座りなよ。飯食おう」
春輝の正面に紗良、左斜め前に莉緒、そして何故か隣りには咲良が座っていた。
「「「「いただきます」」」」
それぞれ弁当箱を開けた。
「え、春輝って本当に料理出来るんだ……」
俺と紗良の弁当箱を交互に見ながら莉緒が言った。
「だから、出来るって言ってんじゃん」
親が家を開けがちだった俺は一通りの家事は出来るようになっていた。
「これ、凄く美味しいです」
玉子焼きを口にした紗良が満面の笑みで言った。
「おぉ、そいつは良かった。我ながら上手く出来たと思ってたからな」
「では、今度、私も何か作りますね」
「大丈夫か?」
「何を心配してるんです? 私も料理くらい出来ますよ」
紗良は、胸を張って自慢げに言った。
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