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第11話 高価な贈り物
しおりを挟む美貌の王子から花の妖精に例えて口説かれたサリーナは、一度恥ずかし過ぎて怒ってますというようにプクっと頬を膨らませてみせた。
王子達はそんな姿も可愛いと、微笑ましそうに見ている。
「それはともかくとしてですねっ。ピンクダイヤモンドのことですけど。こんなにも綺麗に発色したピンクな色の宝石ってあるんですねぇ。こんなのサリーナははじめて見ました!」
「そうだろう? 稀少な宝石だからね。中々出回らなくて……でも手に入れられてよかった。君好みの色だろう?」
「あ……もしかしてランシェル様、覚えていてくださったんですか。私の好きな色のことを!?」
「勿論、覚えている」
「まぁっ、そんなにわたしの事、気にかけてくださってたんですね。ランシェルさまって本当、気遣いの出来るお優しい方だわ……」
「君のことなら何でも覚えていたいんだ」
サリーナからうっとりとした尊敬の目を向けられて、まんざらでもなさそうに答えるランシェル王子。
「嬉しいです! それに宝石に合わせてつくっていただいたこのドレスもとってもかわいくってっ。ランシェル様のエスコートで夜会に出席できるだけでも幸せなのに……わたし、夢をみているのかしら」
「フッ、夢にしてもらっては困るな。まあ、夢のようによく似合っているが」
「きゃっ、ランシェルさまったら。さっきから甘いセリフばっかりおっしゃったって! これじゃあ、わたし口説かれているみたいじゃないですか。人前でそんな言葉ばっかり……恥ずかしいわ……」
美少女が照れて顔を真っ赤にしながら、軽く上目遣いに睨んでいる姿はあざとい。
王子もそう思ったらしく、うれしそうにしながら笑って言った。
「ふっ、人前じゃなかったらいいのかい?」
「もう、バカバカっ。女の子をからかわないでくださいなっ。サリーナはそんなこと言われるの、慣れてないんですからっ。特にランシェル様のような格好よくて優しい男の人からそんなこと言われたらもう、どうしていいのか困っちゃう!」
「ははっ、こんなことで困るのか。サリーナは可愛いな。じゃあ、慣れるまで私と練習しようか?」
「そんな、駄目ですよぉ。王子さまがわたしなんかと……」
「いいじゃないか。それともリアン達と、したいのかい?」
それを聞いて、すかさずリアン達が会話に加わる。
「それはいいですね。サリーナ嬢。殿下はお忙しいですし私達と練習しましょう」
「私も協力しますよ」
「そうだぜサリーナ。俺も頼ってくれ」
「まあ、みんなまでそんなこと言って……」
「お前達……言ってくれるじゃないか。だが、サリーナのためなら時間を作るさ」
「ランシェルさま、いいの? うれしいっ。でも、あの……」
サリーナは喜んだが、その後、はっと何かを気にするようにして続きを言いよどんだ。
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