気づいたら異世界ライフ、始まっちゃってました!? 

飛鳥井 真理

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第一章 辺境の町

第159話 魔道具屋・中編

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 あっ、この懐中時計の魔道具かわいい。小鳥がくわえている果実の部分が透かし模様になっていて、動力源となる赤い魔石が見えている。
 光が当たるとキラキラして綺麗っ。これなら魔力がなくなった時すぐ分かるし魔石の補充も簡単。見せる収納って感じでデザインもいいし!
 へぇ、ファイヤーバードの魔石を使ってるんだ。お値段は1250シクル……う~ん、付与魔法付きの魔道具ほどじゃないけど高いなぁ。


 でも時計は一つ欲しいんだよねって思いながら色々みているうちに、店の奥に陳列してあった、ガラスケースならぬスライムケースに収められている商品の所まで来た。何が入ってるんだろう?

 好奇心から『鑑定』してみた結果、納まっていたのは異世界といえばこれでしょっ、ていうとんでもアイテムの定番、マジックバッグだった! 初めて見た!

 これには値段が書いてないけど、『異世界知識』では金貨百枚はするってあったし、お高いんだろうなぁ。時空間魔法を使えるシルエラさんなら作れそうだけど。



「おや、それが欲しいのかえ?」

 思わずマジマジと観察していたら、店の奥からひょっこりと、店主であろう老婆が出てきた。うわっ、びっくりした。『索敵』を切ってたから全然分からなかったよ。

「いえ、これはちょっと無理って言うか……」

 ど、どうしよう。

 色々欲しいけど、お金もないしスキル上げの為に長居してただけだなんて、邪な理由は言えないっ。

「まあマジックバッグは高いからねぇ。どんなのを探してる?」

 老婆は納得したように頷いてから、欲しいものを尋ねてきた……ギクゥッ!?

「ぼ、冒険者として仕事に行くときに使える魔道具、かな?」

 よ、よしっ、とっさにしては上手いこと言ったよ自分。これなら客として自然だよね、誤魔化せたんじゃない?

「それはまた、えらく漠然とした話だねえ。身体や魔力を補助やつがいいのか、採取や討伐に使える補助道具がいいのか……どんなやつがいいのかえ?」

 うん、ダメだった……更に突っ込んで聞かれちゃったし。私の対人スキルってショボすぎる……。

 でも、買い物の手助けをしてあげると親切に言ってくれてるわけだから、早く何か答えないとっ。

「ええっと。で、できることなら色々全部欲しいんですけど、買うのは(お金と)相談してからかな。今日はとりあえず下見です(お金ないし)」

「フェッヘッヘッ、そうかいそうかい。うちは品揃えがいいからねえ。何でも揃うしゆっくり見てくといい」

「はいっ。そうさせてもらいます!」

 よしっ、理由がちょっと苦しかったかもしれないけど今度こそ何とかなったよっ、多分。




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