気づいたら異世界ライフ、始まっちゃってました!? 

飛鳥井 真理

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第一章 辺境の町

第136話 上げればいいってものでもない

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 気を取り直して、討伐したスライムを回収してきたのを確認していく。

『鑑定』してみても、こうやって増えたスライムも品質は変わらないなぁ。高濃度の魔法の影響で、より上質の素材になってないかなとちょっと期待したんだけど。まぁ、量も質も両方共にとか、そんな上手くはいかないか。 

 素材として取れたスライムは、平均して一体でバレーボール一個分くらいと、少し小さく軽くなった。
 でも、量があるので一纏めにしてみると、結構な大きさと重さになってくれたのでホッとしたよ。

 体力と筋力は人族のリノの方があるので、この重さがある方のは持ってくれることに……ありがと、頼らせて貰うね。
 代わりに香草の方は私が多めに持つことになった。こっちのは嵩張ってるだけで軽めなんだよね、助かります。

 ちなみに達人だと、スライム一体でバスケットボール一個分以上の大きさになり、一体で小さな窓ガラス一枚分作れる量が取れるそう……すごい。

 素材まるごと上手に取るには、私達の技能が足りないってことだよね。達人の域に達するには、まだまだ時間がかかりそうです。





 無駄に魔力を使いすぎたので、少し早いけど手近な樹に登って休憩を入れることにする。

 手持ちの保存食を食べ魔法で出した水を飲んで、栄養と微量の魔力をしっかりと補給していく。
 目をつぶってじっとしている方が回復が早いので、一旦『索敵』や『聴覚強化』スキルなど、普段から並行して使っているスキルも全て切って、ゆっくりと体を休めることになった。

 一人で行動していた時には、常に気を張っていたから精神的な消耗度が大きくて大変だったんだよね。その時は必死で気付かなかったけど。

 こうして休むことに専念出来るのも、パーティーだからこそ。私が休んでいる間は、リノが『嗅覚強化』スキルで周囲を警戒してくれてるんだ。

『嗅覚強化』の探索距離は『索敵』スキルに及ばないものの、一度遭遇した魔物の臭いをかぎ分けられるらしくて、森のなかでは色々と利便性が高い。安心して任せる事が出来た。



 でもこの『嗅覚強化』スキルって、むやみにレベルを上げると町中だとかなり厄介なことになるらしいんだ……。

 何故なら、朝から晩までどこかしらから食べ物の臭いが漂ってくるので、常に強烈な空腹感を抱える体質の彼女にとってそれは、際限なく飯テロされ続けている状態になんだとか……うわぁ、悲惨だ。

「今まで黙ってましたけど……もうね、本当に辛いんですよ」

「う、うん。そ、それは、そうだよね……」

「ええ。こんなにレベルを上げたくないって思ったスキルは初めてでした……」

「う、うん」

 ……私も絶対、上げたくない。『嗅覚強化』もレベル1だと普通に便利なんだけどな。ひとつ上がるだけでそんなになるとは……。


 ともかく、今日はお詫びも兼ねて、頑張ってたくさん獲物をとって、リノの為に美味しい焼き肉をいっぱい作っちゃおう! 待ってて、リノ!




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