気づいたら異世界ライフ、始まっちゃってました!? 

飛鳥井 真理

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第一章 辺境の町

第28話 冒険者ギルド

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 まあ、そういう経緯もあってこの町はパンの樹の品種改良が盛んで、安価なものから高価なものまで色んな種類があるらしい。

 その中でも領主様のパンの樹園が一番有名みたいで、住民にも開放しているんだとか。

 料金さえ払えば、まだ出回っていない新しい品種が誰でも食べられるみたいで、おじさんも勉強の為に何度か行った事があるらしい。
 中にはチョコパンやクリームパンに近い甘みの強い実もあり、とっても美味しかったとのこと。

 壁の外には危険な魔物がいるから、安全な娯楽は案外少ないという事もあって、このパンの実狩りは大人から子供まで楽しめる娯楽として、住民にとても人気なんだそうです。

 余裕が出来たら私も行ってみたいなぁ。日本の菓子パンとどう違うのか、食べ比べて確かめてみたい。



 おじさん自慢のパンの実についても話してくれた。 

「うちのは研究して普通のパン並みに美味しくなってるやつだよ。軽く焼くとまたいい色になって香りもいいだろ?バタつきパンみたいでさ」

 確かにバターをつけてないのに、何故かバターっぽい香りがしてくる。

 ふんわりと美味しそうな匂いにはとっても惹かれるけど、お昼は最後の携帯食でもう済ませているから今は我慢しなきゃ。お金にも余裕がないしね……。



 色々教えてくれたおじさんに、今度買いに来る約束をしてから屋台を離れた。

 他にも買いたいものは沢山あるけど、その為にはまず、冒険者ギルドへ行かないとっ。お金がないと何も買えなくて切ないから!

 大通りを真っ直ぐだからもうそろそろ……。


 ――あった。


 3階建ての割りと大きな建物。

 そこにはいかにも冒険者ギルドですって言うような、剣と盾が交差したマークが書かれた看板が、掲げられていた。




 さっそく冒険者ギルドの中に入るとこちらも空いていた。まあ、お昼前で中途半端な時間だしね。

 室内は思っていたのと全然違って明るくて清潔そう。全体的に見てお役所って雰囲気だねこれ。

 隣に食事をするところも併設されていて、こちらも酒場というより食事メインのおしゃれなカフェって感じできれいに整えられている。


 ギルド側にはいくつか受付があった。特に表示もないけど、業務毎に別れているんだろうか? う~ん、どうしよ。

 ちょっと戸惑っていた私が向かったのは笑顔の素敵なおじさ……お兄さんが担当している所。

 目が合った時、にっこり笑い掛けて手招きしてくれたんだっ。いい人!


 ……年齢とか性別とかそこは綺麗な受付嬢出番だろとかおっさんの笑顔なんて誰得なんだとか……そんな野暮なことは言わない、ねっ? ……中々テンプレ通り進まないものダナー。

 新人に絡むやつも警戒してたけど、そもそも閑散とし過ぎててまず人が居ない状態だし。まあ、絡まれたい訳じゃないから私的には良かったんだけど。



「こんにちは。新規登録したいんですけどいいですか?」

「ええ、もちろん。大銅貨5枚になりますがよろしいですか?」

 トレーを出しながら聞いてくれる。

「はい、大丈夫です。それと後で買取もお願い出来ますか?」

「このお時間なら一緒に出来ますよ。買取はこちらの側のトレーに入れてください。ではまずギルド証の手続きをしますね」

 お金と、魔石などの素材をそれぞれ別のトレーに入れる。



 ――手続きの為に聞かれたのは三つ、名前、種族、武術か魔術のどちらが得意かということだけ。

 それだけ聞き取り手元の書類に書き込むと、もう登録準備が整ったみたい。

 机の上にその書類、魔方陣魔法書を置く。

 おおっ、本物の魔方陣だっ。

 初めて見たっ。こうゆうの異世界ファンタジーっぼくっていいね!

 開かれてるページに書かれているのは、新規のギルド証の登録魔法陣……らしい。

「この魔方陣に左手を置いて魔力を流してください。……はい、いいですよ」

 魔法陣がふわっと一瞬淡く光り、左手の甲に冒険者ギルドの剣と盾のマークと数字が文様として刻まれていく。同時に魔導書に書かれた魔法陣が霞んで消えていった。

 ふーん、使用すると消えるってことは使い捨てなんだね。ギルド証ってこうやって作るんだ。

 なんか勝手に想像してたのと違ったけど、でもおもしろい。さすが異世界だね!




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