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第一章 辺境の町
第39話 挑戦中
しおりを挟む――衝撃の夕食後、宿屋で借りた一人部屋へ向かう。
そこは、三階の階段近くにある部屋だった。二階は長期の宿泊客用なんだそう。
ベッドの他にサイドテーブルとクローゼットがあるだけの、少し手狭まなワンルーム。
でも壁掛け時計もあり、鏡の前には簡単な洗面台に水差しとコップが木の桶に入れて置いてあって最低限のものは揃っている。
全体的に居心地良く清潔に整えられた部屋で、あまり日本と変わらない文化水準にほっとした。 これならあまり戸惑わずに済みそうです。
違うところといえば時計や水差しなどが全て、魔道具なところだろうか。『 異世界知識』によると、電気の代わりに魔石を主な動力源として使っているようだから。
このワンタッチでいくらでも飲み水が出てくる水差し……便利でいいなぁ、欲しい。魔石に魔法を付与しているみたいだけど、どうやってるんだろ? う~ん、不思議だ。
夕飯にカルチャーショックを受けたことで精神的に疲れてまだ立ち直れていないけど、今夜はまだまだやることがあるんだよね。その為に、高くても安全な宿を取ったんだから。
ずっと確かめたかった事……それは、効率の良い強化の方法があるのかどうかということ。
――ゴブリン集団との戦闘で痛感した。
私は弱い。
エルフの得意な魔法のスキルを複数取っているから、すぐ戦闘で使えたけれど、一つ一つの威力はまだ弱い。
ゴブリンより強い魔物と遭遇したら、通用しないんじゃないかと思えて怖いんだよね。
この世界に来てから四日目だけど、未だに一つの新スキルも取れず、既存のスキルも、全くレベルアップしてないのも、不安に拍車をかけている。
あれだけ毎日戦闘し、魔物を倒していたのに微動だにしないんだよ……生き残る為に少しでも早く強くなりたいのに。
という訳で、元々この世界の住民じゃない私が、白い部屋以外で新たにスキルが取れるのかということや、魔物を倒した経験値がないとスキルアップしないのかということの検証を一度、安全な所で試したかった。
経験値については今のところどう調べればいいか解らないから放置して、まずは……。
――新スキルを獲得出来るかの検証からしてみようと思う。
『魔力操作』スキルなら比較的簡単にいけるんじゃないかな、と考えたんだ。
例の白い部屋にいた時、スキル一覧表にあって選ばなかったものだけど、実際ここ数日、ずっと魔法を使って色々している訳だし。
袋を作ったり保存食作りをしたりと、魔力を操作しないと出来ない事、毎日いっぱいしてると思うし?
何よりあの、結構高度な茸狩りとか果物狩りとかもした訳だしね……いや高度な茸狩りってなんだよ。
魔法で果物狩り……う~ん、いや深く考えないでおこう、混乱するし今考えるのはそこじゃないから。
――ま、まあそれはともかく、『魔力操作』なら成功する可能性が一番高いと考えたんだ。挑戦してみようと思う。
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