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パークでトリプルデート!?その3
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合流地点ではパレードの場所取りをしているらしいあゆみさんと桐谷くんが、ビニールシートに並んで座っていた。
「コラー、ねこまんまも檸檬くんもどこ行ってたのさー! 俺あゆみさんと二人きりでいたら、暁に後でコ×されるってー」
「ごめんねーって、ミラクルさんとコッペパンさんは?」
「夜からは別行動だってー♡ 今日はコッペパンのお家泊まるらしいし、コッペパンは車で来たらしいからいんじゃない♡」
「な、なるほど」
「ねこまんまちゃんと檸檬くんも、別行動でもいいんだよ?♡」
「えっ! 私たちはそんなっ! ゲームの相方ってだけですしっ」
言う相手間違えたかな、と舌を出すあゆみさん。
しばらく二人で行動していたから誤解させてしまっただろうか。
ワゴン車でつまむものを交代で買いに行ったり、パレードを4人で見て、お土産を買った。ジェとコースターで撮られた写真購入も、忘れない。
「今日は付き合ってくれてありがとう。これ私からプレゼント! 私も桐谷くんと色違い買ったから、ねこまんまちゃんは檸檬くんと半分こしてね♡」
それはペアのストラップで、女の子キャラのものを檸檬くんに渡すよう言われた。男の子キャラを私が持つと、あゆみさんとお揃いになるらしい。
それって、檸檬くんと桐谷さんも、必然的に色違いのお揃いになるんじゃ……
檸檬くんも、読めない表情で受け取りつつあゆみさんにお礼を言うと、お迎えがくるらしいあゆみさんとはパーク入り口で解散となった。
暁さんのような後ろ姿が一瞬見えると、あゆみさんがその人物に怒っているような声が聞こえた気がした。
桐谷くんは、私や檸檬くんと途中まで同じ電車らしく一緒に電車へ乗る。同じ夢の星パーク帰りの人も多そうに電車内は混んでいて、入り口付近で寄りかかった。
「ダークトリガーなんてやばい名前の人が、来るとき同じ電車乗ってたなんて……気が付かなかったなぁ」
「だから、その名前で呼ばないでって!」
短い髪をツンツンさせたダークトリガー、桐谷さんはノリの良い男の人だ。
ゲームでも比較的近しいキャラクターデザインをしている。
「その髪型、もしかしてゲームキャラを真似したんじゃ……」
「似てるっしょ? 友達と一緒にゲームやってるから、現実が先ーー。なるべく現実に似せたキャラ作りたかったんだよね」
「……心の闇が出ちゃった?」
「名前はね! 現実に似てないから! 仲間内で横文字縛りがあったんだよ」
桐谷さんを揶揄っていると、すっかり黙り込んでしまった檸檬くん。
「檸檬くんの名付けの由来は、この前聞いたもんね?」
「うん……ごめん、眠い」
「うわっ、檸檬くん重い」
後ろから覆うようにのしかかってくる檸檬くんは、背が180センチ前後、私はスニーカーを履いてはいるが身長158cm。頭の上に頭が乗り重い。
ちょうど、大きい駅で停車し、ごそっと人が降りる。
「ごめん、桐谷さん手を貸してクダサイ」
二人であいた座席に運んで、なんとか檸檬くんを座らせた。
「えーー、爆睡じゃね? 俺あと2駅で降りるんだけど大丈夫?」
「うん……最悪終着駅まで着いちゃっても、家そんなに遠くないみたいだからなんとか……」
あ。個人情報。
しかし桐谷さんは気にした様子もなく“悪ぃな”と言って自分の降りる駅で別れて行った。
眠っているのにお土産の袋をしっかり握った檸檬くんは、電車の揺れに合わせて頭が揺れると、隣に座る私にもたれかかってきた。
栗色の髪が私の顔にかかる。
イケメンが隣で寝ていると思うと、なんかいろんな意味でドキドキしながら前回檸檬くんが降りた駅が近づいてくる。
「檸檬くーん、駅もうすぐつくよー」
全然起きない。
「……廉くーん、駅着きますよー」
太ももをバシバシ強めに叩く。
「廉くーん」
「うーん……後5分……」
どうやら寝起きは悪いらしい。
諦めて私の駅でなんとか半分寝ぼけた檸檬くんを下ろし、車に乗せた。
前回のオフ会の時もそうだけど、檸檬くんってば綺麗な顔をしているんだから、よく知らない相手にこんなに気を許しちゃいけないと思う。
私が悪い大人の女だったら、寝込みを襲われかねないぞ。と考えたところで、ため息を吐く。
カフェで会った時、檸檬くんの家の近くまでは送ったけれど、正確な住所までは知らない。
車で送っていって、結局戻ってくるには正直自分自身もパークで遊び疲れている。
「またホテルっていうのもちょっとあれだしなぁ」
駐車場で、唸りながらしばらく悩み、決めた。
「コラー、ねこまんまも檸檬くんもどこ行ってたのさー! 俺あゆみさんと二人きりでいたら、暁に後でコ×されるってー」
「ごめんねーって、ミラクルさんとコッペパンさんは?」
「夜からは別行動だってー♡ 今日はコッペパンのお家泊まるらしいし、コッペパンは車で来たらしいからいんじゃない♡」
「な、なるほど」
「ねこまんまちゃんと檸檬くんも、別行動でもいいんだよ?♡」
「えっ! 私たちはそんなっ! ゲームの相方ってだけですしっ」
言う相手間違えたかな、と舌を出すあゆみさん。
しばらく二人で行動していたから誤解させてしまっただろうか。
ワゴン車でつまむものを交代で買いに行ったり、パレードを4人で見て、お土産を買った。ジェとコースターで撮られた写真購入も、忘れない。
「今日は付き合ってくれてありがとう。これ私からプレゼント! 私も桐谷くんと色違い買ったから、ねこまんまちゃんは檸檬くんと半分こしてね♡」
それはペアのストラップで、女の子キャラのものを檸檬くんに渡すよう言われた。男の子キャラを私が持つと、あゆみさんとお揃いになるらしい。
それって、檸檬くんと桐谷さんも、必然的に色違いのお揃いになるんじゃ……
檸檬くんも、読めない表情で受け取りつつあゆみさんにお礼を言うと、お迎えがくるらしいあゆみさんとはパーク入り口で解散となった。
暁さんのような後ろ姿が一瞬見えると、あゆみさんがその人物に怒っているような声が聞こえた気がした。
桐谷くんは、私や檸檬くんと途中まで同じ電車らしく一緒に電車へ乗る。同じ夢の星パーク帰りの人も多そうに電車内は混んでいて、入り口付近で寄りかかった。
「ダークトリガーなんてやばい名前の人が、来るとき同じ電車乗ってたなんて……気が付かなかったなぁ」
「だから、その名前で呼ばないでって!」
短い髪をツンツンさせたダークトリガー、桐谷さんはノリの良い男の人だ。
ゲームでも比較的近しいキャラクターデザインをしている。
「その髪型、もしかしてゲームキャラを真似したんじゃ……」
「似てるっしょ? 友達と一緒にゲームやってるから、現実が先ーー。なるべく現実に似せたキャラ作りたかったんだよね」
「……心の闇が出ちゃった?」
「名前はね! 現実に似てないから! 仲間内で横文字縛りがあったんだよ」
桐谷さんを揶揄っていると、すっかり黙り込んでしまった檸檬くん。
「檸檬くんの名付けの由来は、この前聞いたもんね?」
「うん……ごめん、眠い」
「うわっ、檸檬くん重い」
後ろから覆うようにのしかかってくる檸檬くんは、背が180センチ前後、私はスニーカーを履いてはいるが身長158cm。頭の上に頭が乗り重い。
ちょうど、大きい駅で停車し、ごそっと人が降りる。
「ごめん、桐谷さん手を貸してクダサイ」
二人であいた座席に運んで、なんとか檸檬くんを座らせた。
「えーー、爆睡じゃね? 俺あと2駅で降りるんだけど大丈夫?」
「うん……最悪終着駅まで着いちゃっても、家そんなに遠くないみたいだからなんとか……」
あ。個人情報。
しかし桐谷さんは気にした様子もなく“悪ぃな”と言って自分の降りる駅で別れて行った。
眠っているのにお土産の袋をしっかり握った檸檬くんは、電車の揺れに合わせて頭が揺れると、隣に座る私にもたれかかってきた。
栗色の髪が私の顔にかかる。
イケメンが隣で寝ていると思うと、なんかいろんな意味でドキドキしながら前回檸檬くんが降りた駅が近づいてくる。
「檸檬くーん、駅もうすぐつくよー」
全然起きない。
「……廉くーん、駅着きますよー」
太ももをバシバシ強めに叩く。
「廉くーん」
「うーん……後5分……」
どうやら寝起きは悪いらしい。
諦めて私の駅でなんとか半分寝ぼけた檸檬くんを下ろし、車に乗せた。
前回のオフ会の時もそうだけど、檸檬くんってば綺麗な顔をしているんだから、よく知らない相手にこんなに気を許しちゃいけないと思う。
私が悪い大人の女だったら、寝込みを襲われかねないぞ。と考えたところで、ため息を吐く。
カフェで会った時、檸檬くんの家の近くまでは送ったけれど、正確な住所までは知らない。
車で送っていって、結局戻ってくるには正直自分自身もパークで遊び疲れている。
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