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45 封印の洞窟2
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ウッドリィ神官が声を張るや否や、光を放つクリスタルは一際まばゆい光を放ちーー
ーードボンっーー
大きな音を立てて一斉に、クリスタルだったはずの水に落ちる。
レオンーー! エルーー!
二人とも、クリスタルの上に寝かされていたはずーー!
なんとか水面から顔を出すと、辺りは泡立ち、人々の驚きの声と水音が辺りに響き渡り二人姿が見えない。
「魔法は使わないで! 何が起こるか分かりません! 泳げないものには手を貸してーー」
早口にウッドリィ神官の、緊迫した声が響き渡る。
次にレドアラン公爵の声が響く。
「獣人レオン、エルの近くにいた騎士は責任を持って救出しろーー! 壁はダメだ。泳げるものは洞窟まで退避ーー」
咄嗟にレオンやエルのことを指示してくれたレドアラン公爵は白い木の根に乗って声をあげていた。
私も洞窟まで泳ぐよりそっちの方が近そうーー
水をザバザバとかき分ける。
「さ、捕まってーー」
手を伸ばしたレドアラン公爵に引き上げられる。
白い根を踏み、白い幹に手をつく。
するとそのまま、目の前が真っ白になる。
「ーーえ!?」
バランスを崩しその場にしゃがみ込む。
しゃがみこんだ、音がしない。
辺りを見渡しても、一面白に包まれる。
真っ白い世界に、自分一人だけだ。
「レドアラン公爵ーー」
呼んでも声は響かず白に吸い込まれ、何の物音も聞こえない。
不思議と不安は感じない。
「どういうこと……?」
“ーーますかーー”
突如、何かが聞こえるーー
いや、何かが、頭の中に語りかけてくるーー。
“ーー届いていますかーー”
「聞こえますーー! 誰ですか? ここは一体……わ、私、レオンの所に戻らないとーー」
相変わらず目の前は真っ白。
であるのに、次第にその声にならない思考は、はっきりと意思を持ったかのように強く語りかけて来た。
現実と非現実の境界が曖昧になる。
これは夢ーー?
私、おかしくなったーー?
“彼らなら、大丈夫。"
"あなたに、お願いがあります”
“転生者をーー守る力が、もう私にはありません"
"あなたに、守って欲しいのです”
「転生者を、守る? 転生者とは獣人のことですか? 何からーーどうやって守れと言うのですかーー」
“この守りはーー私が施したものーーその守りも今ーーとけましたーー”
“一部ーー転生者ー嘘をついています“
“本当の歴史をーーあなたには力がーー”
“ーーをーーーー守ってーー”
“ーー見守ーーーますーー”
“ーーーーーーーー”
そのまま、頭に語りかけて来る謎の意思は遠ざかって行き、静かな白い空間がただあるだけだった。
「一体……」
辺りが眩い光に満ち、意識が遠ざかっていったーー。
『ーーーー!』
あなたは誰ーー
『ーーーぁ!』
私に何を守れとーー
「テレシア!!」
ハッ
急激に意識が浮上する。目を開くと同時に起き上がると、ゴンッと頭が鈍い音をたて何かとぶつかった。
「痛ぁっ」
「痛って!!」
ヒリヒリと痛む頭に目尻に涙がたまるが、そんな事より今の声はーー
「レオンっ!!」
そこにはおでこを抑えたレオンが、同じように目尻に涙をためていた。
私は思わず彼に飛びつくと、力強く抱きしめた。
「よかったレオンーー、目を覚まさないかと思ったーー」
「それはこっちの台詞だーー」
ーードボンっーー
大きな音を立てて一斉に、クリスタルだったはずの水に落ちる。
レオンーー! エルーー!
二人とも、クリスタルの上に寝かされていたはずーー!
なんとか水面から顔を出すと、辺りは泡立ち、人々の驚きの声と水音が辺りに響き渡り二人姿が見えない。
「魔法は使わないで! 何が起こるか分かりません! 泳げないものには手を貸してーー」
早口にウッドリィ神官の、緊迫した声が響き渡る。
次にレドアラン公爵の声が響く。
「獣人レオン、エルの近くにいた騎士は責任を持って救出しろーー! 壁はダメだ。泳げるものは洞窟まで退避ーー」
咄嗟にレオンやエルのことを指示してくれたレドアラン公爵は白い木の根に乗って声をあげていた。
私も洞窟まで泳ぐよりそっちの方が近そうーー
水をザバザバとかき分ける。
「さ、捕まってーー」
手を伸ばしたレドアラン公爵に引き上げられる。
白い根を踏み、白い幹に手をつく。
するとそのまま、目の前が真っ白になる。
「ーーえ!?」
バランスを崩しその場にしゃがみ込む。
しゃがみこんだ、音がしない。
辺りを見渡しても、一面白に包まれる。
真っ白い世界に、自分一人だけだ。
「レドアラン公爵ーー」
呼んでも声は響かず白に吸い込まれ、何の物音も聞こえない。
不思議と不安は感じない。
「どういうこと……?」
“ーーますかーー”
突如、何かが聞こえるーー
いや、何かが、頭の中に語りかけてくるーー。
“ーー届いていますかーー”
「聞こえますーー! 誰ですか? ここは一体……わ、私、レオンの所に戻らないとーー」
相変わらず目の前は真っ白。
であるのに、次第にその声にならない思考は、はっきりと意思を持ったかのように強く語りかけて来た。
現実と非現実の境界が曖昧になる。
これは夢ーー?
私、おかしくなったーー?
“彼らなら、大丈夫。"
"あなたに、お願いがあります”
“転生者をーー守る力が、もう私にはありません"
"あなたに、守って欲しいのです”
「転生者を、守る? 転生者とは獣人のことですか? 何からーーどうやって守れと言うのですかーー」
“この守りはーー私が施したものーーその守りも今ーーとけましたーー”
“一部ーー転生者ー嘘をついています“
“本当の歴史をーーあなたには力がーー”
“ーーをーーーー守ってーー”
“ーー見守ーーーますーー”
“ーーーーーーーー”
そのまま、頭に語りかけて来る謎の意思は遠ざかって行き、静かな白い空間がただあるだけだった。
「一体……」
辺りが眩い光に満ち、意識が遠ざかっていったーー。
『ーーーー!』
あなたは誰ーー
『ーーーぁ!』
私に何を守れとーー
「テレシア!!」
ハッ
急激に意識が浮上する。目を開くと同時に起き上がると、ゴンッと頭が鈍い音をたて何かとぶつかった。
「痛ぁっ」
「痛って!!」
ヒリヒリと痛む頭に目尻に涙がたまるが、そんな事より今の声はーー
「レオンっ!!」
そこにはおでこを抑えたレオンが、同じように目尻に涙をためていた。
私は思わず彼に飛びつくと、力強く抱きしめた。
「よかったレオンーー、目を覚まさないかと思ったーー」
「それはこっちの台詞だーー」
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