聖女も勇者もお断り🙅

ピコっぴ

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心を守ってくれた優しい人

🚫6 有名無実?

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 前回ラストのマクロン(セフィル)の台詞「流血 • • の一族」は、「竜血 • • の一族」の誤変換です🙇
(どんな物騒な一族やねん ⚔️✕ 🐉○)
推敲チェック甘くて申し訳ありませんでした

 ❈❈❈❈❈❈❈


 結局、マクロンさんの霊圧に負けて腰が抜けた5人の襲撃者達は、イサナさんの引率で、国軍の治安部隊に引っ立てられて行った。

 街に戻ると、人目が集まる。
 私はフードを被ってあまり目立ってないし、今は、ぴちょんの色で、緑がかった水色の髪になってるけど、マクロンさんのオパールホワイトの銀髪が目立つのだ。

 自由民協会ギルドに寄って、件の依頼を取り下げさせる。もっとも、誰も受けようとは思わなかったみたいだけど。
 事の次第をかいつまんで話すと、協会ギルド会長マスターは、五人の除名処分を通告させる。
 魔法による全国・各国に広がる協会ギルド幹部の直通通信ホットラインで素早く広がるらしい。

「で? なんで、モモカは殿下に抱えられてんだ? 歩けないのか?」

 ギルマスからしたら、至極普通の裏もない素直なただの疑問だろう。当然だ。私は、大人に抱き上げられて可愛いような年齢でもないし、病気でも怪我をしている訳でもない。

「可愛いだろう?」
「⋯⋯⋯⋯」

 みんなが、真顔でマクロンさんの顔を見るけど、誰もひと言も話さない。肯定する人も否定する人も居ない。

 仕方なく?ギルマスが代表で、ニッコリ微笑んで返事した。

「モモカは実年齢 • • • が不明 • • • なくらい、若々しくて愛らしいですからな。さぞ、ご自慢でしょう」

 話を合わせただけで、実際にはそう思っていそうな実感はないのだけど、マクロンさんは嬉しそうに笑っていた。

 本当に、この人、どうしちゃったんだろう。

「あの、あの人達、どうなるんですか?」
「まあ、嘘の申告で依頼を出して、モモカをおびき出して強引に連れ去ろうとしたし、どうも他でも色々やってたらしくてな、もうどこの国でも自由民株を買うことは出来ないだろうし、当分は厚い塀の中だ」
「じゃあ、せっかく拾ってきた竜燐は?」
「本当に、拾ってきたのか」
「うん。ブラッシングしてあげたら、青竜さんも赤竜さんも、いっぱい剥がれた鱗、全部持ってっていいって」

 またまた、周りがシーンとなる。

「モモカ。その竜達は、雌かな? まさか、雄じゃないだろうね?」

 マクロンさんの眼が鋭い。なんで?

「ちびっ子ドラゴンを子育て中のお母さんだよ」

 青竜は。赤竜さんの事は言わない方がいい気がした。

「そうか。竜燐が欲しければ幾らでもあげるから、今後は、そんな毛繕いなどしなくてもいいからね? 特に。雄なんかの毛繕いなどしてはならないよ? いいね?」

 否とは言えない圧を感じるので、素直に頷いておく。

 みんな、赤竜さんの事は、訊かれない間は言わないでね?

 たぶん、返事すると私より魔力の大きいマクロンさんに伝わるのだろう、なんとなく了承の意は伝わってくるけど、みんなからの返事は聴こえない。

「ギルマスもガヴィルさんも、マクロンさんの事、」
「セフィル。マクロンは母の家名で、私個人の名前じゃない。セフィルって呼んでみて?」
「セフィルさん、の事、みなさん『デンカ』って呼ぶけど」

 本職は刑事って事はないよね。て、芸能界や昭和のちょっと昔のドラマに興味のない今時の人にも、当然ここの人にも通じないだろうなぁ。

「あだ名? 前に、アディライトさんが言ってた、殿下がお戻りになるまで私の処遇は保留って、マクロ⋯⋯セフィルさんの事?」
「そうだ。殿下がこの辺りの民事の総括責任者だからな」

 ガヴィルさんが答えてくれるけど、マクロ⋯⋯セフィルさんが片手を裏拳のようにあげるだけで止める。

「有名無実な称号、が近いかな。何もやらないと、ただの無職でタダ飯食いの居候になっちゃうからね。それっぽい役職を与えられてるけど、殆どたいしたことはしてないよ」

 でも、イサナさんは我が君ってマクロンさんを呼んでたし、みんなも従ってるふうだし。
 もしかして、結構偉い人?


 次話
🚫7 マクロンさんはスパイ?
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