聖女も勇者もお断り🙅

ピコっぴ

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竜王国って、竜の国?

🚷20 鑑定させてね

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 妖艶な黒髪の美女はにっこりと微笑んで、私の目を覗き込んだ。

「うん。嘘つきの眼じゃないわね。それに、これだけの大きな精霊がたくさん憑いているからには、嘘や誤魔化しはないとみていいでしょう。見たまま、善良で素直でお人好し。少し、人間不信⋯⋯かしら? 警戒心は強そうね。
 その上で、言わせてもらうけれど、あなた、そのままじゃ、言いように使われて騙されるわよ?」

 既に言いように使われて憔悴しきって逃げてきました、とは言えない。
 嘘や齟齬はないように言動を気をつけなければならないとなれば、口にしない以外にない。

「とにかく、あなたの守護精霊が開示してくれる部分と私でも視える部分だけでも鑑定させてね?」
「はい。受け入れる気持ちがあれば、視やすいですか?」
「ふふふ。あなた、魔法や技能スキルの本質を解ってるのね? そうね。視られてもいいと思ってくれたら、少しだけ視やすくなるの。お願いするわ」

 女の私でもドキドキする美人さんに至近距離で微笑まれて、幾分落ち着かないものの、局長さんの眼だけを見るようにして結果が出るまで待つ。

 眼を見ていたからか、私にもアディライトさんの能力値ステータスが視えてしまう。

 魔力は私の半分、筋力や精神力などは上。
 魔法や技能スキルの使用回数などに関係する魔力量はなんと十分の一で千ちょっとしかない。
 精霊達に言わせると、毎日魔法を使う職業の専門家でないならこれでも多い方なのだという。

 特殊技能スペシャルスキルや所持魔法なども、平均的なのだという。
 ただ、闇魔法を使う人は少ないらしい。

「闇魔法⋯⋯格好いい」

 響きが特に。闇魔法。なんか強そう。

「あら、ありがとう。視えちゃった? やっぱり精霊力の格が違うわね」
「局長、どうでしたか?」

 みんなが私達に注目していた。

「魔力も魔力量も、殿下ほどではないけれど、やはり王宮の魔導師達よりも多くて、精霊に愛される体質の女神の加護ファリテール・ギフトと星竜様にも守護されているみたい。これは、公表できないわね」



 次話
🚷21 誓約魔法で他言無用縛り
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