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新たな縁談
6.有害な人物
しおりを挟む新年の祝賀ムードも収まってきて、日常が戻ってくる頃、ローゼは両親と共に、王宮に喚ばれていた。
「数年に一度の大行幸も終えられ、陛下に於きましてはますますご健勝のこと、新年の言祝ぎを申し上げます」
「ああ、よいよい、新年から呼びつけたのはこちらだからの、堅苦しい挨拶は国会だけで十分じゃ」
「⋯⋯如何ようなご用件でしょうか、陛下」
建て前上は、急に呼びつけられて何もわからない体だが、本当は、予想はつく。
ローゼの(自称元)婚約者、ウィスコントとの婚姻契約についてだろう。
あれ以来、茶会でも夜会でも顔を合わせることはなかったが。
「うむ、アレは今、蟄居を申しつけておる。社交パーティーにも公務視察にも出してはおらん」
なぜなら、国王の許可なく議会や教会の承認もないままに、勝手に婚姻契約を破棄した上に、勝手に別の令嬢と新たな縁を結ぶと宣って、公爵家のパーティーをぶち壊した、迷惑なだけの有害人物であるからの。
やり口に腹を据えかねたのであろうが、息子と呼ぶ者に対して、有害人物とは随分な言い方にも思えた。
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