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婦人活動
18.朝露の美妃ラサ=サウレ
しおりを挟む「ラサ=サウレ妃殿下が?」
「お前に会いたいそうだ」
「かしこまりました。妃殿下の分の準備も早急に行います」
本音を言えば、今は、顔を合わせづらい。だが、妃殿下のほうから会いたいと言われれば、臣下としては断りにくい。
まして、陛下の行幸への参加も兼ねているのだ。
妃殿下を目の前にした時の居たたまれなさを想像して息苦しくなったが、雑念を振り払い、トップレディを迎える準備をしなければならなかった。
迎賓館の総合的な準備は済んでいる。が、賓客が一人増えるだけでも、その警備の手配、護衛官の休む場所や増えた人数分の食料の手配などがある。
王族を迎えるに当たって、手抜かりは許されない。
母と共に一日忙しくした。
「ローゼは頑張り屋さんね。少しくらい頼ってくれてもいいのに」
本来は、当主の妻と、存命であれば当主の母がとりまとめる案件である。
「勿論、陛下と王妃殿下の事はお任せいたしますわ。ですが、ラサ=サウレ妃殿下だけは、今回は特別に、わたくしに任せていただけませんか?」
「勿論よ。でも、全部一人でしようとしないで、こちらと連携を取りながら、頼るところは頼ってちょうだいね?」
「ありがとうございます」
銀に近い灰色の髪とアイスブルーの瞳。柳腰の儚げな美人。
雪山の林の中に佇む樹木の精霊を思わせるその容姿は、北の雪深い隣国のもので、豊かな銀灰色の髪は、ウィスコントに受け継がれていた。
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