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婚約破棄宣言

13.胃もたれしそうな朝食

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 翌朝、身支度をして朝食に向かうと、複雑な空気であった。


 魔王も後ずさりそうな怒気を孕んだオーラを噴き出す者。

 葬式に出るような暗い顔をした者たち。

 天使のように微笑んでいるのに、誰も近寄りたくない空気を醸し出している者。


 なぜか、昨日ここまで送り届けてくれた従兄いとこユーロフィルスも居た。


「ユーロ従兄にい様? 朝早くからいらしたの? まさか昨夜はお泊りに?」

「そう。叔父上と、お話をね? ふふふ」

「たいへん、有意義な時間を過ごせたよ、ユーロ。ハハハ」


 二人とも、笑い声をあげているのに目が笑っていない。


「私は気にしていませんから、ユーロ従兄にい様が気になさる必要はありませんわ」

「アレの婚約者であるなど、損失でしかないから、解消する事は問題ないけどね? まるでこちらに非があるような一方的な破棄は、納得できるものではないだろう?」

「人前で貴女の美点を汚点のように貶められるなんて辱めを受けて、否定も講義もなく甘んじるなんて無理な話ですわ。この仕打ちは、到底許せるものではありませんのよ」

「このまま黙っていては、わがアレンバウム家を王家が軽んじたと受け止められかねん。ルーベルト侯爵の名にかけても、愛娘と家名を護らねばなるまい?」


 どうやら、両親と従兄いとこの中では、何らかの報復に出るという事は、決定事項のようだった。

 この場には居ない兄姉達も参加しそうで、頭を抱えたくなった。


 ローゼはため息をついて、席につき朝の祈りのあと、栄養バランスを考えられた上で見た目も凝らされた朝食を摂ることにした。







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