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不思議なダンジョンの奥には

にぃ。『スプリガンのようにズシーンと地響きと共に倒れるかと思いきや、パラパラと小さな欠片が崩れていき最終的になくなってしまう』──討伐終了

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 スプリガンのように、ズシーンと地響きと共に倒れるかと思いきや、パラパラと小さな欠片が崩れていき、最終的になくなってしまう。

 コロンと最期にデッカイ魔石が転がる。

「わぁ、大っきいねぇ? 身体もデカかったし、魔力も強い魔獣だもんね」

 なんか、黒い煙のようなものが立ちのぼっていて禍々しい感じがしたけど、私が拾うと、パシッと強い光を一度だけ放ち、その後は普通の黒い石ころになった。

「デッカイ魔石だね! 色んなもの、作れるよね。はいっ」

 片手に乗る最大の大きさかも? 私はちょっとだけ手が小さいので、両手で掬うように持って、アネッタさんに手渡そうとしたけれど、受け取らなかった。

「コハクちゃんの飼いカーバンクルちゃんが斃したんだから、コハクちゃんのものよ(そんな、禍々しそうなもの要らない)」

 にっこり笑って、両手を後ろ手に組んで受け取りを拒否するアネッタさん。
 飼ってる訳じゃないんですけど。

 ギレウォッタさんを振り返ってみるけど。

「コハクちゃんが拾うまで、間違いなく瘴気吐き出してたよね~。うん、コハクちゃんじゃないと、扱えないんじゃないかな?」

 フィルタさん。

「俺は、愛刀と、森人もりびとに貰った魔剣で十分。前にも言った」

 と、とりつく島もない。

「僕は、事件の概要を事実確認するためのオブザーバーだから」

 カイルロッド様も笑顔で拒否。

〈別に。コハが持っててもいいんじゃないのかニャ?〉
〈ソレカ、コノ地ノ領主ニ後デ処分シテモラウにゃ?〉

 なんだかわからないけど、みんなが受け取り拒否するので、渋々ポーチに入れた。


「そんな顔しないの。ああ、ほら、階段が出来たよ」

 ギレウォッタさんに促されて、みんなは降りる準備を始める。

 武具の点検、消耗品、体調、周りの状況判断。

 こういう所は、ホント、アレフ達と違うよね。
 アレフ達は、毎晩、寝る前に終業点検作業だったな。

 今度アレフ達に会ったら、戦闘終了時や次の階層に移動する前にも、点検を怠らないようにって言っておこうと、心のメモに書き込んだ。



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