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アレフ達と別れてから初めてのダンジョンです!

にぃ。『そもそも妖精であるチットちゃん達は、人間の言葉を普段から利用する事はない。と言われれば、それはそうだよね』──精神生命体は便利?

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 そもそも妖精であるチットちゃん達は、人間の言葉を普段から利用する事はない。と言われれば、それはそうだよね。
 妖精や精霊、純正魔族など、霊気と魔素を源に存在している霊体生命体スピーリトゥス特有の感応能力で、言葉の垣根はないらしい。
 こんな、意思のない石碑でも効果あるのかなと思ったら、この石碑はダンジョンゲートとして常に魔素を滞留していて、碑を建てた先人の思念とか、刻んだ碑文に宿る想いが伝わるからイケるらしい。


「と言うことで、令嬢の囚われた魔族瓶と、ギルドから消えた使用済み瓶の痕跡とが、共通してここへ伸びているらしいので、ここにみんなで入る、ということでいいですか?」

 四人に確認をとる。反対意見はなかった。

「待ってください!」

 私とカイルロッド様、フィルタさんとアネッタさん、ギレウォッタさん以外の声がするとは思わなかった。

 振り返ると、先程の騎乗兵士と、森の管理人だろうレンジャー風の30台半ばほどの男性、いかにも貴族といったドレスシャツに天鵞絨ビロードのジャケットの男性が二人、私達の来た道の方から騎馬でやって来た。

「伯爵。⋯⋯フリオも」

 カイルロッド様が、困った顔で数歩だけ歩み寄る。

 チルちゃんの鑑定と鑑定単眼鏡アプレィズモノクルの合わせ技で見えたのは、貴族男性が、ヒッコリス伯爵とその子息フリオニールさん(長男)、鎧姿の人が伯爵家の私設護衛官で、弓と矢筒を背にショートソードを佩いた男性は森の管理人だった。予想通りだね。

「カイルロッド様、どこまでご存知なのですか?」

 顔色の悪いフリオニールさんは、恐る恐るといった体で訊ねてくる。

「どこまで、とは?」
「知っててこちらへいらしたのではないのですか?」

「あの~、カイル様は、察してるかもしれないけど、知らないと思います」

 私が手を上げて発言すると、フィルタさん達三人以外の全員が私の方を注視した。

「君は?」
「初にお目にかかります、ヒッコリス伯爵閣下、ご令息フリオニール様。私は、クリステルパルスシティの冒険者ハンター協会ギルドから参りました、はな楽羅ささら琥珀こはくと申します」
「こう見えて、彼女は上級冒険者ハイクラス・ハンターで、会員証ギルドカードはプラチナなんだよ」

 いや、だから、なぜカイルロッド様が自慢げなの?

「君が?」
「⋯⋯黙っていても仕方ないので、今から話す事はご内密にお願いしますね、閣下」
「⋯⋯話の如何による、が、仕方あるまい。儂の想像通りなら、むしろ頭を下げるべきは我らの方になろうからな」

 苦虫を噛み潰すような表情かおで、伯爵様が答えてくれた。







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