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チーム再び!!──コハクちゃんを中心に

じゅうよん。『メンバーの間に緊張が走る。魔導ゴーグルを装着した私にも、魔導士資格をもつアネッタにもわからない感知魔法があったというのか』

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     🌲

 メンバーの間に緊張が走る。

 魔導ゴーグルを装着した私にも、魔導士資格をもつアネッタにもわからない感知魔法があったというのか。
 どうも、こないだの一件といい、いつもと勝手の違う敵が続くな。これは、気を引き締めて行かねば。

 疎らに灌木や広葉樹が並ぶ林は、次第に薄暗くなっていき、整えられた風致林から雑木林に、やがて森へと様相を変えていく。

 途中、個人邸宅敷地内だからか魔獣や魔物の類は出なかったが、時折、縛って撓ませた枝が、仕掛けを車輪が踏んだり、馬が何かを引っ掛けたりすると弾いてきたりしたが、フィルタが切って捨てるだけで大したことはない。

 それよりも問題は、小瓶や壺、武器などと融合させられている邪妖精や小魔族が、茂みから飛び出してくる事だった。

 扱う者がいない武器単体が、意志を持って襲ってくる。幌が数ヶ所裂けてしまった。
 小瓶や壺は、確証はないが、件の小瓶と同じ物かもしれないのだ。解放する手立てがない現状では、囚われたら終わりである。

 そんな中で諫めたものか見守るべきか迷うのが、コハクである。

「もーぉ!! こんなにたくさんの妖精や魔族を、生きてる子を、アイテムにして特攻させるなんてヒドい」

 そう言って怒鳴るコハクに、妖精くん達とカイルロッドは置いといて、私達三人はほぼ同じ感想をもったに違いない。

 ──いや、アンタがそれ言  (アイテム化) うなし

「何考えてんだろ!? ひどいよね。自分は隠れて見てるだけなんてのもズルいけど、それよりも、この子達の気持ちや自由をなんだと思ってるんだろ。この子達だって一生懸命生きてるのに」

 そう言いながら、アネッタが魔法で叩き落としたものや、フィルタが薙ぎ払ったものを、ひとつひとつ拾って、自身の収納袋に入れていくのだ。
 中は空間拡張だけでなく、時間の干渉も止まるようなので、アイテムとして放り込む分には、中で暴れたり魔法を使ってきたりすることはないらしい。私の空間拡張収納袋ストップドワイドインベントリ波濤はとうの郷の精霊倉庫より高性能な気がする。

 そうやっていくうちに手が尽きたのか攻撃は止み、おそらく、現在コハクのポシェットには、魔族瓶が14個、妖精憑き武具が27本入っている。

〈ヒトガ気持チヨク寝テルノニ、何ブチ込ンデクレンダヨ~!!〉

 サラマンダーの文句が聴こえるが、誰も取り合わない。
 コハクが収納する以外、安全に保管する事が出来ないからだ。

 だいぶ森の奥に来たと思った頃、正面が鏡面のように真っ黒に艶光りした石碑が建っている、ちょっと開けた場所に出た。

「あの石碑⋯⋯」

 アネッタが呟くが、この場にいる全員が、同じ事を思ったに違いない。

 古代文字で碑文が刻まれており、クリステルパルスシティから徒歩30分のところにある、宵風の森の若いダンジョンの入り口と類似点が多く、くらい魔素を放っているので間違いはないだろう。

 誰にも──或いは領主であるヒッコリス伯爵でさえも──知られないダンジョンである。







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