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チーム再び!!──コハクちゃんを中心に

じゅうよん。『まばらに生えていた木が増えてきて、林に差し掛かった頃、呼び止められた』──こちらは無断で私有地に侵入しているのだから当然か

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     🛂

 まばらに生えていた木が増えてきて、林に差し掛かった頃、呼び止められた。
 まあ、許可なく私有地に入ってるのだから、当然と言えば当然か。

「そこの馬車、止まりなさい! 誰の許しを得て入って来ているのか。ここは伯爵様の直轄地だぞ」

 騎士にしては洗練さがなく一兵士にしては落ち着いた感じの、金属製の軽鎧を身に着けた男が、騎馬で近寄る。ロングソードを佩き、手には長槍コルセスカを構えている。

「ああ、ハリオルト。わたしだ。済まないね。急いでいて、今は直接向かわせてもらえないかな。伯爵には、後で何があったかは報告させてもらうから」
「カイルロッド様でしたか。お話は伺っております。伯爵様もカイルロッド様はお通ししていいと。ただ、公爵家の馬車ではなかったので気がつきませんでした」
「いいよ。こちらも礼を欠いているのは重々承知だよ」

 カイルロッドが幌の外へ顔を出し二言三言会話して、すぐに開放される。

「馬車が伯爵領に入った時点で、伯爵には一筆送っておいたんだよ」
「え? いつの間に?」

 幌の内側で、カイルロッドとアネッタと共にいたのだ。いつそんな暇があったというのか。

「これだよ」

 さすがは公爵家の、というべきか。魔道書間(風)を見せてくれた。

 風霊に感染させた特殊な紙に文書を書きつけて、書紙につけられた小妖精が書いた人の想う相手に届けるという、妖精魔法の一つだ。ちなみに、宛先に届けたら、契約は完了なので、その場で妖精は妖精界に還ってしまう。使い捨てだ。他に(水)や(地)がある。
 そして、そんなに安くはない。それを短時間に2枚使い、まだ予備があるという。

「関所はなくても一応領地を跨ぐからね、ヒッコリス領に入ってすぐに一度、伯爵家の敷地内に入りそうだと思った時にもう一度、送ってあったんだよ」

 アネッタの方へ視線を送ると、頷いた。

 確かに、領地をまたぐ瞬間と、この草原へと続く道を進み橋を渡る前に、一度幌から顔を出して、状況を確認していた。その時か。

「チルちゃんが何も言わないって事は、不穏なものではないんだろうって、放っておいたの。一応、行き先はどちらも伯爵邸だったわ」
「いやぁ、行き先まで把握されてたのか。ははは」
「当然でしょう? 疑うようで悪いですけれど、カイルロッド様がご本人である事は間違いなさそうですけれど、あちら側でないという確証はございませんの。内容までは存じ上げませんけれど、宛先は確認させていただきましたわ」
 
 そうだったのか。私は、魔導ゴーグルがなければ、魔法はわからないからな。そのゴーグルをもってしても、現在チル殿が追っている魔道の痕跡は、私には見えない。

〈どうやら林から奥ハ、向こう側の・テリトリーみたいダネ。結界に似た魔道的なセンサー・ニ、馬車が引っかかったヨ。とりあえず、魔法障壁は張ったカラ、物理攻撃来たら頼むヨ?〉







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