242 / 276
チーム再び!!──コハクちゃんを中心に
じゅういち。『ギルドマスターは判りやすく怯えていた』──ギルドでの組織的計画犯行だったのか、知らなかったのか、次期領主を巻き込んだからか?
しおりを挟む
🌁
ギルドマスターは判りやすく怯えていた。
何に怯えているのか。
自ギルドから犯罪者が出た事? すでにギルベスダンがやらかしているのに今更か。
あのカーキー色のローブの男の単独犯ではなく、ギルドぐるみの組織的計画犯行だった? それがバレれば、ギルド存続が危ぶまれる。
単にあの男の犯行を知らなかっただけ? それであんなに怯えるなら、随分と小心者だな? 長の器とは思えないな。
他所のギルドから来たコハクを狙ったはずが、領主の跡取りを巻き込んだ事への怯えか?
「ギルドマスター? わたしは、これでも次期領主として人の上に立ち指揮する上で、魔法の知識は必要だと思っていて、ここで学ばせてもらった事は、感謝してるんだよ?」
「あっあり、ありがたき、お言葉⋯⋯痛み入りま、しゅ」
王都の魔導師協会や魔法学舎を頼らなかったのか⋯⋯ 両家の子息としては珍しい。
「その身内とも言える、師弟、学友からこんなもてなしを受けるなんて、哀しかったよ」
非常に残念だ
カイルロッドはそう言って、ギルドの建物を出た。
「さて、ここはもういいね?」
「そうですね。あの人達は、牽制の意味であれを送ってきたのかもしれませんが、もし町中やお宿でいたら、周りにも被害が出ていたと思いますので、ちゃんと反省して欲しいです」
〈ボク達が、許さないヨ!!〉
〈アレ、しばらくは煙を見ると、煙草でも魚焼きでも、錬金術ジャナクテモ、何でも怖いだろーナ。ジゴージトク〉
確かに、あの瞬間あの男は、よくて大怪我、最悪死を覚悟しただろうからな。いや、覚悟は出来てなかったからこそ、汁まみれで気絶したのか。なんにせよ、責任感も覚悟も品性もない、魔道を扱う者としての資格も考えも足りない、とるに足らない男だったな。
「心配しなくても、ここはロイエンダルス家が責任を持って、掃除しておくからね」
──ああ、終わったな
領主であり、王都でも貴族議院会役員を務めるテュバリス公爵家が掃除をすると言うのなら、良くて幹部の総入れ替え粛正、最悪ギルドの消滅だろうか。
〈じゃ、もう一つの糸、魔族の瓶の痕跡を辿るネ?〉
「チルちゃん、頑張ってね。探索に専念して、防護領域は解除してもいいんだよ? 今なら、みんなもいるし」
「そうね。魔法障壁や物理攻撃への防御力の底上げなら、私でも出来るわよ。痕跡探知に集中するなら任せて?」
アネッタも請け負ったので、チル殿は防護領域を解いた。魔導ゴーグルで、自分達の周りの魔素の色が変わるので判る。
少しだけ、心許ない気もした。彼らに護られるのに慣れてしまったのだろうか。
チル殿の先導で、追跡移動が始まった──
ギルドマスターは判りやすく怯えていた。
何に怯えているのか。
自ギルドから犯罪者が出た事? すでにギルベスダンがやらかしているのに今更か。
あのカーキー色のローブの男の単独犯ではなく、ギルドぐるみの組織的計画犯行だった? それがバレれば、ギルド存続が危ぶまれる。
単にあの男の犯行を知らなかっただけ? それであんなに怯えるなら、随分と小心者だな? 長の器とは思えないな。
他所のギルドから来たコハクを狙ったはずが、領主の跡取りを巻き込んだ事への怯えか?
「ギルドマスター? わたしは、これでも次期領主として人の上に立ち指揮する上で、魔法の知識は必要だと思っていて、ここで学ばせてもらった事は、感謝してるんだよ?」
「あっあり、ありがたき、お言葉⋯⋯痛み入りま、しゅ」
王都の魔導師協会や魔法学舎を頼らなかったのか⋯⋯ 両家の子息としては珍しい。
「その身内とも言える、師弟、学友からこんなもてなしを受けるなんて、哀しかったよ」
非常に残念だ
カイルロッドはそう言って、ギルドの建物を出た。
「さて、ここはもういいね?」
「そうですね。あの人達は、牽制の意味であれを送ってきたのかもしれませんが、もし町中やお宿でいたら、周りにも被害が出ていたと思いますので、ちゃんと反省して欲しいです」
〈ボク達が、許さないヨ!!〉
〈アレ、しばらくは煙を見ると、煙草でも魚焼きでも、錬金術ジャナクテモ、何でも怖いだろーナ。ジゴージトク〉
確かに、あの瞬間あの男は、よくて大怪我、最悪死を覚悟しただろうからな。いや、覚悟は出来てなかったからこそ、汁まみれで気絶したのか。なんにせよ、責任感も覚悟も品性もない、魔道を扱う者としての資格も考えも足りない、とるに足らない男だったな。
「心配しなくても、ここはロイエンダルス家が責任を持って、掃除しておくからね」
──ああ、終わったな
領主であり、王都でも貴族議院会役員を務めるテュバリス公爵家が掃除をすると言うのなら、良くて幹部の総入れ替え粛正、最悪ギルドの消滅だろうか。
〈じゃ、もう一つの糸、魔族の瓶の痕跡を辿るネ?〉
「チルちゃん、頑張ってね。探索に専念して、防護領域は解除してもいいんだよ? 今なら、みんなもいるし」
「そうね。魔法障壁や物理攻撃への防御力の底上げなら、私でも出来るわよ。痕跡探知に集中するなら任せて?」
アネッタも請け負ったので、チル殿は防護領域を解いた。魔導ゴーグルで、自分達の周りの魔素の色が変わるので判る。
少しだけ、心許ない気もした。彼らに護られるのに慣れてしまったのだろうか。
チル殿の先導で、追跡移動が始まった──
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
156
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる