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チーム再び!!──コハクちゃんを中心に

きゅう。『他の研究員たちも部屋に戻っていくが、カイルロッドは、最初に引っ込んだ男の部屋へ向かい扉を開けようとするも、鍵がかかって開かない』

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 他の研究員たちも部屋に戻っていくが、カイルロッドはゆっくりと、最初に引っ込んだ男の部屋へ向かい、扉を開けようとするも、鍵がかかって開かない。

「何か、言いたそうだったんで、話を聞いてみたかったんだけどね?」

 カイルロッドは肩を竦めただけで、ギルドマスターの元へ戻って来た。

「今から、その妖精が、探知した錬金術の痕跡を見せるので、確認してくれるかな?」

 カイルロッドがそう言うと、コハクが頷き、右手に黄色い透明なスニャイム・チットを、左手に水色の透明なスニャイム・チルを乗せ、少しだけ肩より上げて、周りによく見えるようにした。

〈昨夜の!〉
〈昨夜の錬金術ニヨル爆裂魔法!〉
〈ソノ紫煙ガコレ!〉

 コハクの周りに、嫌な色合いの紫色の煙が漂い始める。
 
〈少しだけとっといた!!〉
〈残しといた! 今から引っ張る!〉
〈引っ張るヨ? 煙、錬金術で生み出したヒト、転がるネ〉
〈転がる! 痛イ?〉
〈痛いカモ? デモネ、コハが爆裂ニ巻き込まれてタラ、痛いジャ済まないヨ!〉
〈ヨ! コレプレゼントシてくれたヒト、覚悟する・イイ〉
〈〈イクヨー!!〉〉

 本当は、妖精魔法で手繰るので、アクションする必要はないらしいのだが、何事もハッタリとパフォーマンスだと言って、妖精くん達は、ふるふる揺れたり、猫耳のように見えるツノをすり合わせて糸を手繰り寄せるようなふりをした。

 コハクのまわりに漂う汚い紫煙から細い糸状に伸びた部分が、ふたりの妖精くんのツノの隙間を通り、どんどん伸びて、先程カイルロッドと目があって逃げた魔道士の部屋の前で先端部分が上下左右に行き先を探し、扉の鍵穴から中へ入るが出て来る。
 あれが今回の下手人じゃないのか? あの焦りようはてっきりそう・・だと⋯⋯

 そのまま煙はどんどん伸びて、とある研究室の扉の鍵穴から中へ入り、コハクを取り巻く煙は殆どなくなってしまった。

「わぁああ!?」

 中で何かがひっくり返る派手な音と、男の悲鳴が上がった。






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