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チーム再び!!──コハクちゃんを中心に
はち。『街の中心街から少し離れた、魔法研究協会にやって来た』──問題の錬金術士はここの所属だったらしいが?
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⚛️
街の中心街から少し離れた、魔法研究協会にやって来た。
「え、何? 灯台下暗し? それともやつら知らん顔して実はグル?」
「アネッタ、言葉悪いよ。やはり、問題の錬金術士とは関係なく、追い払いたいから牽制の意味で爆裂煙を送ってきたのかもしれないだろう?」
「まあ、どちらにしても、彼らは黒に近いグレーって事だね?」
カイルロッドは、不機嫌さを寄せられた眉で表していた。
⚛
「これはこれはカイルロッド様、連日のお越し、なにかお忘れ物でも?」
「ああ。昨夜、夕食時に襲われてね?」
「なんですと?」
ここのギルドマスターは、学芸会によくある魔王やヴァンパイアのような格好をしていた。内側が赤い黒マントの内側は、黒スーツではなく魔道士のローブであったが、ジャラジャラと光る宝飾品が下品である。
「あれは、ただの飾りじゃなくて、咒具符よ。魔力の底上げ、魔術効果の強化。首飾りとピアスは護身符ね。攻撃魔法の効果を弱めるのと、防御壁を自動展開するものね」
ま、あれくらいなら、私でも破れそうだけど? アネッタはそう言って肩を竦めた。
魔導学舎で研究して暮らす魔導師より、魔道士組合所属の冒険者登録している魔道士のほうが実戦向きな力を有していたり、実力も知識も上だったりする事があるが、ここのギルドマスターも例にもれず、無能な学長らしい。嘆かわしい。
「襲われた、とは、いったい⋯⋯ こちらへ来られたのはどういう?」
「突然、腰の辺りに嫌な魔力を帯びた紫煙が発生して、漂っていたのが身体を包むように拡がったと思ったら、爆裂してね? 大怪我をするところだったよ」
「見たところ、お怪我はないようですが、ご無事で?」
「ああ。そこの、お前の好きなプラチナ様の使われる妖精が護ってくれてね、大事なかったよ」
「それはなによりです」
「ただね、困った事にねぇ? その紫煙はただの魔法じゃなくて、錬金術を使った物だと判ったんだ」
「で、では、ギルベスダンが?」
「そう思ったんだけど、どうやら違うみたいでね」
カイルロッドは、各研究室から顔を覗かせる魔道士達のひとりに視線を送る。目があった魔道士はヒッと喉を引き攣らせて、部屋に引っ込み閉じこもった。
⚛
〈消えた魔族瓶の痕跡と、昨日の爆裂紫煙の導線は、途中から分かれてるンダ〉
チル殿が、街まで来た辺りで、そう告げた。
「どういう事? 同じ人の仕業だけど、魔法を使った場所と、消えた魔族瓶の行方は別って事?」
〈う~ん、どうもね、瓶に残る術者の気配と昨日の煙に含まれる気配は、別人のような気がするンダ〉
〈魔族瓶の方は、より重くて暗い魔力ナノ。魔族のオーラと同化して読みにくいんダケド〉
〈デモ、昨日のは、重さはなくて不味いノ。あんな魔素も霊気も、絶対舐めたくナイ〉
妖精が、魔力や霊気などの魂魄を舐めるのは、コハクとケルピーのやり取りからわかっている。
件の錬金術士の魔力は重くて暗いがよく練られた強い気を放っていて、痕跡を負いやすいらしい。
対して、昨夜の襲撃の爆裂煙は、錬金術で生み出したものではあるものの、使われた魔素も術士の魔力も、お粗末で不味いらしい。しかも軽くて弱々しく、今にも消えそうで追いにくいらしかった。
「つまり、別人の可能性が高い?」
街の中心街から少し離れた、魔法研究協会にやって来た。
「え、何? 灯台下暗し? それともやつら知らん顔して実はグル?」
「アネッタ、言葉悪いよ。やはり、問題の錬金術士とは関係なく、追い払いたいから牽制の意味で爆裂煙を送ってきたのかもしれないだろう?」
「まあ、どちらにしても、彼らは黒に近いグレーって事だね?」
カイルロッドは、不機嫌さを寄せられた眉で表していた。
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「これはこれはカイルロッド様、連日のお越し、なにかお忘れ物でも?」
「ああ。昨夜、夕食時に襲われてね?」
「なんですと?」
ここのギルドマスターは、学芸会によくある魔王やヴァンパイアのような格好をしていた。内側が赤い黒マントの内側は、黒スーツではなく魔道士のローブであったが、ジャラジャラと光る宝飾品が下品である。
「あれは、ただの飾りじゃなくて、咒具符よ。魔力の底上げ、魔術効果の強化。首飾りとピアスは護身符ね。攻撃魔法の効果を弱めるのと、防御壁を自動展開するものね」
ま、あれくらいなら、私でも破れそうだけど? アネッタはそう言って肩を竦めた。
魔導学舎で研究して暮らす魔導師より、魔道士組合所属の冒険者登録している魔道士のほうが実戦向きな力を有していたり、実力も知識も上だったりする事があるが、ここのギルドマスターも例にもれず、無能な学長らしい。嘆かわしい。
「襲われた、とは、いったい⋯⋯ こちらへ来られたのはどういう?」
「突然、腰の辺りに嫌な魔力を帯びた紫煙が発生して、漂っていたのが身体を包むように拡がったと思ったら、爆裂してね? 大怪我をするところだったよ」
「見たところ、お怪我はないようですが、ご無事で?」
「ああ。そこの、お前の好きなプラチナ様の使われる妖精が護ってくれてね、大事なかったよ」
「それはなによりです」
「ただね、困った事にねぇ? その紫煙はただの魔法じゃなくて、錬金術を使った物だと判ったんだ」
「で、では、ギルベスダンが?」
「そう思ったんだけど、どうやら違うみたいでね」
カイルロッドは、各研究室から顔を覗かせる魔道士達のひとりに視線を送る。目があった魔道士はヒッと喉を引き攣らせて、部屋に引っ込み閉じこもった。
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〈消えた魔族瓶の痕跡と、昨日の爆裂紫煙の導線は、途中から分かれてるンダ〉
チル殿が、街まで来た辺りで、そう告げた。
「どういう事? 同じ人の仕業だけど、魔法を使った場所と、消えた魔族瓶の行方は別って事?」
〈う~ん、どうもね、瓶に残る術者の気配と昨日の煙に含まれる気配は、別人のような気がするンダ〉
〈魔族瓶の方は、より重くて暗い魔力ナノ。魔族のオーラと同化して読みにくいんダケド〉
〈デモ、昨日のは、重さはなくて不味いノ。あんな魔素も霊気も、絶対舐めたくナイ〉
妖精が、魔力や霊気などの魂魄を舐めるのは、コハクとケルピーのやり取りからわかっている。
件の錬金術士の魔力は重くて暗いがよく練られた強い気を放っていて、痕跡を負いやすいらしい。
対して、昨夜の襲撃の爆裂煙は、錬金術で生み出したものではあるものの、使われた魔素も術士の魔力も、お粗末で不味いらしい。しかも軽くて弱々しく、今にも消えそうで追いにくいらしかった。
「つまり、別人の可能性が高い?」
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