230 / 276
魔族の小瓶 ── 私の手にはおえそうにありません!?
にじゅうに。『チームだと言うのなら、ここは平等でなければいけないと思う』──睨み合い? お互いに譲らないですよ
しおりを挟む
🛌
仲間だと言うのなら、ここは平等でなければいけないと思う。
「わたしが勝手に泊まるといったのだし、護衛の為に泊まるのだから、君がベッドで休みたまえ」
「公爵家嫡男様を、床やソファに寝かせる訳にはいきません」
「わたしだって、女性を差し置いて自分だけベッドで寝るなんて不粋な真似は出来ないね」
「私は冒険者です。野宿だってあります。なんなら、ほら! 暖かふわふわ寝袋もあります」
「では、わたしが寝袋を⋯⋯いや、それでは有事にすぐに行動できないな、やはりソファか」
「そもそも私の身体にあった⋯⋯ こッ、子供用です、カイルロッド様にはサイズが合いません」
なんで、私の身長が同年代の子より小柄で、子供服や子供用寝袋を使っている事を言わねばならないの!? 屈辱
カイル様が、素直にキャルのベッドで寝て下されば問題はないのに⋯⋯
「却下だよ? 貴族紳士たる者、女性や子供、年配の方などへ配慮なくしては有り得ない。国軍に所属せずとも常に騎士道を念頭に、弱きものを助く紳士たれ、だよ」
そうなの? エドガーは元々騎士団所属だけど、アレフもクリスも、確かにご年配者や女性には丁寧に扱ってた。性格の問題だと思ってたけど、貴族紳士には当たり前の信念なの?
女子供に威張り散らすヤな貴族もいるけど、アレ、貴族紳士じゃなかったんだ。じゃあ、なんだろう⋯⋯
「屑だね。貴族のフリをしているかもしれないけれど、ただの下衆だよ。どこの誰だい? 女性や弱き者に権力や暴力を振りかざす輩は」
「あれ? 声に出してました? 大丈夫ですよ。品のないお貴族さまが喚いたところで、私は傷ついたりしませんよ? 住む世界の違う人が、対岸で何か言ってても聴こえませんから。
まあ、他の人が迷惑を被ってたら、さり気ないイタズラで気をそらしたり、アレフ達の威を借りたりしてましたから大した被害は」
「ダメダメ、その場限りの対処法じゃなくて、社会的に葬り去らないと。屑はクズかごにではなく、屑は焼却炉に、だよ?
増長して、どんどん大きくなったり殖えたりするからね?」
「⋯⋯はい」
そういう話だっけ? ベッドをどちらが使うか、だよね?
「シンジュ兄ちゃんなら、『そっか、じゃ半分づつ一緒に寝ようね』と言うかもですが、そ「そっか、じゃ半分づつだね? 仲間だから対等なんだよね?」れは、兄妹だからで⋯⋯て、」
にこやかに、名案とばかりに微笑むカイル様。
「えぇ!? ⋯⋯冗談? 本気じゃな⋯⋯」
「大丈夫だよ、ほら、真ん中に火トカゲくんが寝そべってるから、両隣に寝ればいいんだよ。心配しなくても、さっき行った通り、紳士で居るからね、心配はないよ」
「イエ、ソコハシンパイシテマセン」
「たくさんの妖精くん達や、火トカゲくんが見張ってるから、悪い事も出来ないからね?」
そんな言葉がスラスラ出て来るってことは、カイル様には、私は子供に見えているんだろう。
来月には14歳になるのに⋯⋯ 15歳には、大抵の人が元服(一人前)宣言して、大人の仲間入りするのに、ちょっぴり涙目になりますよ。
仲間だと言うのなら、ここは平等でなければいけないと思う。
「わたしが勝手に泊まるといったのだし、護衛の為に泊まるのだから、君がベッドで休みたまえ」
「公爵家嫡男様を、床やソファに寝かせる訳にはいきません」
「わたしだって、女性を差し置いて自分だけベッドで寝るなんて不粋な真似は出来ないね」
「私は冒険者です。野宿だってあります。なんなら、ほら! 暖かふわふわ寝袋もあります」
「では、わたしが寝袋を⋯⋯いや、それでは有事にすぐに行動できないな、やはりソファか」
「そもそも私の身体にあった⋯⋯ こッ、子供用です、カイルロッド様にはサイズが合いません」
なんで、私の身長が同年代の子より小柄で、子供服や子供用寝袋を使っている事を言わねばならないの!? 屈辱
カイル様が、素直にキャルのベッドで寝て下されば問題はないのに⋯⋯
「却下だよ? 貴族紳士たる者、女性や子供、年配の方などへ配慮なくしては有り得ない。国軍に所属せずとも常に騎士道を念頭に、弱きものを助く紳士たれ、だよ」
そうなの? エドガーは元々騎士団所属だけど、アレフもクリスも、確かにご年配者や女性には丁寧に扱ってた。性格の問題だと思ってたけど、貴族紳士には当たり前の信念なの?
女子供に威張り散らすヤな貴族もいるけど、アレ、貴族紳士じゃなかったんだ。じゃあ、なんだろう⋯⋯
「屑だね。貴族のフリをしているかもしれないけれど、ただの下衆だよ。どこの誰だい? 女性や弱き者に権力や暴力を振りかざす輩は」
「あれ? 声に出してました? 大丈夫ですよ。品のないお貴族さまが喚いたところで、私は傷ついたりしませんよ? 住む世界の違う人が、対岸で何か言ってても聴こえませんから。
まあ、他の人が迷惑を被ってたら、さり気ないイタズラで気をそらしたり、アレフ達の威を借りたりしてましたから大した被害は」
「ダメダメ、その場限りの対処法じゃなくて、社会的に葬り去らないと。屑はクズかごにではなく、屑は焼却炉に、だよ?
増長して、どんどん大きくなったり殖えたりするからね?」
「⋯⋯はい」
そういう話だっけ? ベッドをどちらが使うか、だよね?
「シンジュ兄ちゃんなら、『そっか、じゃ半分づつ一緒に寝ようね』と言うかもですが、そ「そっか、じゃ半分づつだね? 仲間だから対等なんだよね?」れは、兄妹だからで⋯⋯て、」
にこやかに、名案とばかりに微笑むカイル様。
「えぇ!? ⋯⋯冗談? 本気じゃな⋯⋯」
「大丈夫だよ、ほら、真ん中に火トカゲくんが寝そべってるから、両隣に寝ればいいんだよ。心配しなくても、さっき行った通り、紳士で居るからね、心配はないよ」
「イエ、ソコハシンパイシテマセン」
「たくさんの妖精くん達や、火トカゲくんが見張ってるから、悪い事も出来ないからね?」
そんな言葉がスラスラ出て来るってことは、カイル様には、私は子供に見えているんだろう。
来月には14歳になるのに⋯⋯ 15歳には、大抵の人が元服(一人前)宣言して、大人の仲間入りするのに、ちょっぴり涙目になりますよ。
0
お気に入りに追加
158
あなたにおすすめの小説
狼の子 ~教えてもらった常識はかなり古い!?~
一片
ファンタジー
バイト帰りに何かに引っ張られた俺は、次の瞬間突然山の中に放り出された。
しかも体をピクリとも動かせない様な瀕死の状態でだ。
流石に諦めかけていたのだけど、そんな俺を白い狼が救ってくれた。
その狼は天狼という神獣で、今俺がいるのは今までいた世界とは異なる世界だという。
右も左も分からないどころか、右も左も向けなかった俺は天狼さんに魔法で癒され、ついでに色々な知識を教えてもらう。
この世界の事、生き延び方、戦う術、そして魔法。
数年後、俺は天狼さんの庇護下から離れ新しい世界へと飛び出した。
元の世界に戻ることは無理かもしれない……でも両親に連絡くらいはしておきたい。
根拠は特にないけど、魔法がある世界なんだし……連絡くらいは出来るよね?
そんな些細な目標と、天狼さん以外の神獣様へとお使いを頼まれた俺はこの世界を東奔西走することになる。
色々な仲間に出会い、ダンジョンや遺跡を探索したり、何故か謎の組織の陰謀を防いだり……。
……これは、現代では失われた強大な魔法を使い、小さな目標とお使いの為に大陸をまたにかける小市民の冒険譚!
[完結] 邪魔をするなら潰すわよ?
シマ
ファンタジー
私はギルドが運営する治療院で働く治療師の一人、名前はルーシー。
クエストで大怪我したハンター達の治療に毎日、忙しい。そんなある日、騎士の格好をした一人の男が運び込まれた。
貴族のお偉いさんを魔物から護った騎士団の団長さんらしいけど、その場に置いていかれたの?でも、この傷は魔物にヤられたモノじゃないわよ?
魔法のある世界で亡くなった両親の代わりに兄妹を育てるルーシー。彼女は兄妹と静かに暮らしたいけど何やら回りが放ってくれない。
ルーシーが気になる団長さんに振り回されたり振り回したり。
私の生活を邪魔をするなら潰すわよ?
1月5日 誤字脱字修正 54話
★━戦闘シーンや猟奇的発言あり
流血シーンあり。
魔法・魔物あり。
ざぁま薄め。
恋愛要素あり。
【完結】悪役令嬢は3歳?〜断罪されていたのは、幼女でした〜
白崎りか
恋愛
魔法学園の卒業式に招かれた保護者達は、突然、王太子の始めた蛮行に驚愕した。
舞台上で、大柄な男子生徒が幼い子供を押さえつけているのだ。
王太子は、それを見下ろし、子供に向って婚約破棄を告げた。
「ヒナコのノートを汚したな!」
「ちがうもん。ミア、お絵かきしてただけだもん!」
小説家になろう様でも投稿しています。
好きな人に『その気持ちが迷惑だ』と言われたので、姿を消します【完結済み】
皇 翼
恋愛
「正直、貴女のその気持ちは迷惑なのですよ……この場だから言いますが、既に想い人が居るんです。諦めて頂けませんか?」
「っ――――!!」
「賢い貴女の事だ。地位も身分も財力も何もかもが貴女にとっては高嶺の花だと元々分かっていたのでしょう?そんな感情を持っているだけ時間が無駄だと思いませんか?」
クロエの気持ちなどお構いなしに、言葉は続けられる。既に想い人がいる。気持ちが迷惑。諦めろ。時間の無駄。彼は止まらず話し続ける。彼が口を開く度に、まるで弾丸のように心を抉っていった。
******
・執筆時間空けてしまった間に途中過程が気に食わなくなったので、設定などを少し変えて改稿しています。
元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。
大工スキルを授かった貧乏貴族の養子の四男だけど、どうやら大工スキルは伝説の全能スキルだったようです
飼猫タマ
ファンタジー
田舎貴族の四男のヨナン・グラスホッパーは、貧乏貴族の養子。義理の兄弟達は、全員戦闘系のレアスキル持ちなのに、ヨナンだけ貴族では有り得ない生産スキルの大工スキル。まあ、養子だから仕方が無いんだけど。
だがしかし、タダの生産スキルだと思ってた大工スキルは、じつは超絶物凄いスキルだったのだ。その物凄スキルで、生産しまくって超絶金持ちに。そして、婚約者も出来て幸せ絶頂の時に嵌められて、人生ドン底に。だが、ヨナンは、有り得ない逆転の一手を持っていたのだ。しかも、その有り得ない一手を、本人が全く覚えてなかったのはお約束。
勿論、ヨナンを嵌めた奴らは、全員、ザマー百裂拳で100倍返し!
そんなお話です。
伯爵夫人のお気に入り
つくも茄子
ファンタジー
プライド伯爵令嬢、ユースティティアは僅か二歳で大病を患い入院を余儀なくされた。悲しみにくれる伯爵夫人は、遠縁の少女を娘代わりに可愛がっていた。
数年後、全快した娘が屋敷に戻ってきた時。
喜ぶ伯爵夫人。
伯爵夫人を慕う少女。
静観する伯爵。
三者三様の想いが交差する。
歪な家族の形。
「この家族ごっこはいつまで続けるおつもりですか?お父様」
「お人形遊びはいい加減卒業なさってください、お母様」
「家族?いいえ、貴方は他所の子です」
ユースティティアは、そんな家族の形に呆れていた。
「可愛いあの子は、伯爵夫人のお気に入り」から「伯爵夫人のお気に入り」にタイトルを変更します。
悪役令嬢は始祖竜の母となる
葉柚
ファンタジー
にゃんこ大好きな私はいつの間にか乙女ゲームの世界に転生していたようです。
しかも、なんと悪役令嬢として転生してしまったようです。
どうせ転生するのであればモブがよかったです。
この乙女ゲームでは精霊の卵を育てる必要があるんですが・・・。
精霊の卵が孵ったら悪役令嬢役の私は死んでしまうではないですか。
だって、悪役令嬢が育てた卵からは邪竜が孵るんですよ・・・?
あれ?
そう言えば邪竜が孵ったら、世界の人口が1/3まで減るんでした。
邪竜が生まれてこないようにするにはどうしたらいいんでしょう!?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる