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魔族の小瓶 ── 私の手にはおえそうにありません!?

にじゅうに。『チームだと言うのなら、ここは平等でなければいけないと思う』──睨み合い? お互いに譲らないですよ

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      🛌

 仲間チームだと言うのなら、ここは平等でなければいけないと思う。

「わたしが勝手に泊まるといったのだし、護衛の為に泊まるのだから、君がベッドで休みたまえ」
「公爵家嫡男様を、床やソファに寝かせる訳にはいきません」
「わたしだって、女性を差し置いて自分だけベッドで寝るなんて不粋な真似は出来ないね」
「私は冒険者ハントレスです。野宿だってあります。なんなら、ほら! あったかふわふわ寝袋もあります」
「では、わたしが寝袋を⋯⋯いや、それでは有事にすぐに行動できないな、やはりソファか」
「そもそも私の身体にあった⋯⋯ こッ、子供用です、カイルロッド様にはサイズが合いません」

 なんで、私の身長が同年代の子より小柄で、子供服や子供用寝袋を使っている事を言わねばならないの!? 屈辱

 カイル様が、素直にキャルのベッドで寝て下されば問題はないのに⋯⋯

「却下だよ? 貴族紳士たる者、女性や子供、年配の方などへ配慮なくしては有り得ない。国軍に所属せずとも常に騎士道を念頭に、弱きものをたすく紳士たれ、だよ」

 そうなの? エドガーは元々騎士団所属だけど、アレフもクリスも、確かにご年配者や女性には丁寧に扱ってた。性格の問題だと思ってたけど、貴族紳士には当たり前の信念なの?

 女子供に威張り散らすヤな貴族もいるけど、アレ、貴族紳士じゃなかったんだ。じゃあ、なんだろう⋯⋯

クズだね。貴族のフリをしているかもしれないけれど、ただの下衆ゲスだよ。どこの誰だい? 女性や弱き者に権力や暴力を振りかざす輩は」
「あれ? 声に出してました? 大丈夫ですよ。品のないお貴族さまが喚いたところで、私は傷ついたりしませんよ? 住む世界の違う人が、対岸で何か言ってても聴こえませんから。
 まあ、他の人が迷惑を被ってたら、さり気ないイタズラで気をそらしたり、アレフ達の威を借りたりしてましたから大した被害は」
「ダメダメ、その場限りの対処法じゃなくて、社会的に葬り去らないと。屑はクズかごにではなく、屑は焼却炉に、だよ?
 増長して、どんどん大きくなったり殖えたりするからね?」
「⋯⋯はい」

 そういう話だっけ? ベッドをどちらが使うか、だよね?

「シンジュ兄ちゃんなら、『そっか、じゃ半分づつ一緒に寝ようね』と言うかもですが、そ「そっか、じゃ半分づつだね? 仲間チームだから対等なんだよね?」れは、兄妹だからで⋯⋯て、」

 にこやかに、名案とばかりに微笑むカイル様。

「えぇ!? ⋯⋯冗談? 本気じゃな⋯⋯」
「大丈夫だよ、ほら、真ん中に火トカゲくんが寝そべってるから、両隣に寝ればいいんだよ。心配しなくても、さっき行った通り、紳士で居るからね、心配はないよ」
「イエ、ソコハシンパイシテマセン」
「たくさんの妖精くん達や、火トカゲくんが見張ってるから、悪い事も出来ないからね?」

 そんな言葉がスラスラ出て来るってことは、カイル様には、私は子供に見えているんだろう。

 来月には14歳になるのに⋯⋯ 15歳には、大抵の人が元服(一人前)宣言して、大人の仲間入りするのに、ちょっぴり涙目になりますよ。





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