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魔族の小瓶 ── 私の手にはおえそうにありません!?

じゅうひち。『明日の朝、ギルドで集合すると約束して、貴族街近くの森のコテージ村へ向かう』──ワンルームコテージって聞いてたんですけど?

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     🏕

 明日の朝、ギルドで集合すると約束して、貴族街近くの森のコテージ村へ向かう。
 そこへも、カイル様は送ると言うのを固辞したものの、途中まで方向も同じだと言うので、結局一緒に向かう。

 カイル様も、何年か前の夏季休暇中に、兄弟三人でキャンプのような事をしたとかで、利用経験者だった。
 村の入り口に管理小屋があって、経営者の代理人が鍵を持って待っていた。

「これが契約書類。今夜の代金は、ギルドから頂いてるから、鍵を返す時に、利用日数に応じた代金をお支払いいただきますね」
「はい」

 利用上の注意書きを読み、借用契約証書にサインをして、受け取った鍵とサービスとして用意された簡単な日用品の、吸水布や室内履き、1ℓの飲料水を抱えて、鍵と同じ番号の建物へ向かう。

「ほへぇ?」
「どうかした?」

 ここまでついてきたカイル様は、不思議そうに私を見る。

 だって、想像よりデカイ。ワンルームコテージって言うから、私のお部屋くらいの広さを想像してたのに、キールさんのログハウスと同じかそれより大きいくらいなのだ。

 そうか、貴族の皆様のお遊び用だから、規模が違うのか⋯⋯

「ここ? 立地が微妙だけど」
「はい。機密保持と、もし対抗組織とかあったりして襲撃を受けた時に、まわりに迷惑がかかるのを最小限にしたくて、森のそばの端っこにお願いしました」

 確かに、道からは遠くなるけど、誰かを巻き込む可能性を考えると、また、戦闘を持続しながら逃げるとなったら、街より森かな、と。

「なるほどね。色々考えてるんだね」

 鍵を開けると、カイル様も入ってくる。
 ソファの裏や、浴室、ロフトの上や戸棚の中など、色々見て回る。過去に利用した事があると仰ってたので、物珍しい訳ではないだろうけど。

「変な人物が潜んでたり、トラップ形式の魔法陣などもないみたいだね」

 セキュリティチェックだったんだ。

「一応、セキュリティの信頼のできる場所をお願いしたし、ここ、貴族も使うんでしょう? 大丈夫なんじゃ⋯⋯」
「でも、コハクちゃんがここを借りると決めてから、実際に入るまでに時間はあった。なにか仕掛けようと思えば出来るだろうし、魔道マギクス研究協会ラボラトリギルドの人達が、ギルベスダンとやらを捕まえるために、コハクちゃんに監視をつけたかもしれない」

 その可能性、やっぱりありますか?

「そりゃあ、仲間を殺られてるし、ギルドの沽券にも関わるし、しかも、テュバリス領ではない外部の者に、先に捕まえられたくはないと考えるだろうからね」
「そうですよね。でも、私も、他の人たちにギルベスダンさんを捕まえられて、制裁を加えられる訳にはいかないんです」
「瓶の中に閉じこめられた魔道士の話に反応してたね。もしかして誰か、同じ目にあってる?」

 どうしよう。貴方の弟君の婚約者が捕らえられてますと、正直に言ってみる?







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