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魔族の小瓶 ── 私の手にはおえそうにありません!?

じゅうろく。『再び、テュバリス支部のハンターギルドに戻って来た』──わかった事をお手紙にしたためて、ギルマスにギルド内書簡の急行便で送ります

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     🤙

 再び、テュバリス支部の冒険者ハンター協会ギルドに戻って来た。
 カウンター前のテーブルを借りて、お手紙を書く。

 ❃❃❃❃❃❃❃

拝啓ギルドマスター様

 そちらの皆様におきましてはご健勝のことと思います。

 さて、今回筆を取りましたのは、瓶の姫君の件です。
 最も関係があると思われる、怪しい錬金術士の話が聞けました。

 瓶や試験管を妖精や魔族と合成し、中に入れた物を魔力に変える妖しい術を編み出したとかで、テュバリスの魔道研究協会のメンバーがふたり、すでに犠牲になっているそうです。

 やはり、瓶を割ると中の人は絶命するそうです。
 中に入ったままでも一週間で同じだそうです。
 空間拡張収納袋ストップドワイドインベントリにしまっているので少しは違うかもしれませんが、あまり猶予はないと思われます。

 仲間を手にかけた者に対する各ギルドの報復は、苛烈を極めると聞いています。
 下手人と思われる錬金術士を、こちらのギルメンより先に見つけ、錬金術のレシピを訊き出さなければなりません。

 錬金術や魔法、魔族召喚などの手段での抵抗に耐え得る、身柄確保の為の追撃チームを派遣していただけないでしょうか。
 私一人では不安です。

 どうか、選別・手配のほど、よろしくお願いします

 テュバリス支部にて、コハクより

 追記・お土産は何がいいですか?

 ❃❃❃❃❃❃❃

 う~ん、あまり改まったお手紙なんて書かないから、文章変かもしれないけど、言いたいことは伝わったよね。

 カウンターのお姉さんに、ギルド内書簡として急行便で送ってもらう。
 返事が来るまでひと息お茶でも、と思っていると、お姉さんに呼び止められた。

「琥珀様、クリステルパルスシティのギルドマスターから魔道通信が入っております。お出になられますか?」
「え? 今、手紙出したばかりだよね?」
「連絡をお待ちだったようですね。どうぞこちらへ」

 カウンターの端の、個室サウナか告解室のような箱に閉じ込められる。
 この中にいると、空間魔法で繋がった同じ形式の箱の中の人と通信ができるらしい。初めて使うので、おっかなびっくりである。
 大きなギルド支部と、王宮や騎士団、各地の警護軍の本部くらいにしかない、貴重な物らしい。

 中には、折りたたみ式の机書棚ビューロみたいなのがあって、書付をしたり、本や資料、地図などを広げての会話もできるみたい。

〘おう、コハク、さすがだな。お前さんを派遣して良かったぜ。まさかの当日に尻尾を掴んで来るとはな〙
「まだ、そうかもしれないと言う段階ですが⋯⋯」
〘いやいや、同じような事件は他にはないし、そんな特殊な錬金術なんざそうそうあるもんじゃねぇだろ。どっちにしろ、下手人でなかったにしてもレシピは手に入れておきたい。解呪するための鍵になるだろうからな。
 まあ、お前さんに荒事は期待してねぇから、早速、武闘派の魔道士を含めた追撃班を送るから、明日の朝、そっちの支部に迎えに行ってくれ〙
「ありがとうございます」

 細かい事は明日、派遣されて来た人と打ち合わせる事にして、今日はもう、明日に備えて休む事にした。








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