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魔族の小瓶 ── 私の手にはおえそうにありません!?

じゅういち。『魔術士や錬金術士の集まる学舎は、魔道研究協会─マギクスラボラトリギルド─とあった』──私にはコハクって名前がちゃんとありますよ

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 魔術士や錬金術士の集まる学舎は、魔道マギクス研究協会ラボラトリギルドとあった。

「来たいところって、ここ?」

 カイル様は、懐かしそうに、ギルド建物を見上げる。

「はい。調査に来ました。守秘義務よろしくお願いしますね」
「制約したんだから、信用してくれないかな」
「それはもちろんですが、顔にも出さないでくださいね?」

 難しいことを言うね。カイル様は笑いながら、後に続く。

「すみません、冒険者ハンター協会ギルドクリステルパルスシティ支部から参りました、はな楽羅ささら琥珀こはくと申します」

 メインカウンターのお姐さんに、プラチナカードを見せる。

 こんな子供が!? と顔にありありと書いて立ち上がるギルド職員。
 体の線がむっちりの、スリットの入ったローブとドラキュラ伯爵みたいなマントをひるがえし、細い銀縁眼鏡を掛け直しながら、ギルドカードを片手に奥へ引っ込んだ。
 すぐに、宝飾品をジャラジャラつけた、ローブとマントの男性が出てくる。黒いローブと内側が真っ赤な黒いローブは、ここの制服なのかな?

「いかにも魔道士といった格好で、ハッタリを効かせるのもあるんじゃないかな? 僕は着なかったけどね」

 カイル様は学生の頃、ここへ通って魔術を修めたらしく、建物の中を懐かしげに見回していた。

「君が、プラチナ級の上級冒険者? しかも、はな楽羅ささら琥珀こはくと言えば、今月のクリステルパルスシティ支部のトップランカーだろう? うちにも通知は来てるよ」

 ギルドカードを返してくれながら、私をギロリと見るマギ・ギルドマスター。お父さんよりちょっと上かな?

「そうでしたか? はい。一応、私がその、コハクです。よろしくお願いしますね」
「その、プラチナさんが、なんの用かな?」
「私、名乗りましたけど?」
「聞きましたよ。今は、こちらが要件を訊いているのですが?」
「⋯⋯私はプラチナさんじゃありません。コハクです、ギルドマスター」
「ええ、プラチナ級なのでしょう?」

 ジャラリと耳に下がる宝石を鳴らして、腕を組み直す、マギギルドマスター。

「カイルロッド様、どうしよう、この人、会話出来ない人?」
「そうだね。魔道士のクセに頭が硬いのかな」
「なんだと!? 誰⋯⋯だ? え? カイルロッド様? テュバリス公爵家の?」
「お久しぶりですね、ギルドマスター。ご無沙汰しております」

 カイル様は、綺麗な礼をとった。






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