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魔族の小瓶 ── 私の手にはおえそうにありません!?
はち。『テュバリス支部のギルドには、魔道士系の冒険者が多く登録されているらしい』──ウチでこれをされたら、私は恥ずかしくて見られなかったよ
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テュバリス支部のギルドには、魔道士系の冒険者が多く登録されているらしい。
こちらでも、依頼票掲示板の上、天井近い高さに、成績優秀者の一覧があるけれど、半分は魔道士や錬金術士だった。
私達のギルドでは、ランクと登録名しか表示されていなかったけれど、ここでは、階級と登録名にあわせ、職階位と、貢献内容の種類まで書かれていた。探索系、護衛、魔術・技術発明発展、討伐など。
ウチでこれをされたら、私は恥ずかしくて見られなかったと思う。
「なぜ? どういう功績を残したか、胸を張って誇るべきだろう?」
カイルさまには不思議らしい。私は、言えないけど条件付き階級だし、戦闘はフィルタさん達に丸投げしたし、お祖母ちゃんの杖とチルちゃん達のおかげで解決できただけだからだ。
なにせ、私の職階位【遊び人】はLv1のままなのだから。
「あまり誉められた事じゃないので。自分で成し遂げたというより、アイテムや妖精達と仲間の助けで解決できたようなものですから」
「それは当然の事と思うよ。どういう手段を取るかは人それぞれ、持った能力によるだろう? 君は、アイテムを使いこなす才能があり、妖精やパーティメンバーと助け合って解決するのは、役割分担であって、どんな事であっても、普通の事じゃないかな」
「どんな事であっても、普通⋯⋯」
「誰だって、一人では生きていけない。助け合うのは、人と共に生きることは、当然の事じゃないかい?
何も、仲間を顎で使って手柄を独り占めしたとか、無理やりやらせている訳じゃないだろう?」
「はい。みなさん、快く手助けしてくださいます」
「そういう事だよ。君だって、クリスが困っていたら、出し惜しみしないで快く手を貸すだろう?」
「はい。勿論です。クリスは中々助けてくれって口にするのが苦手みたいで、こっちが気をつけてあげないとすぐ無理をするんで⋯⋯ハッ あ、あの、これも聴かなかったことに⋯⋯」
「ふふ。彼に会っても言わないよ。わかったかい? まわりの人が手を貸してくれる。その絆や人徳も、君の能力の一つじゃないかな?」
そういう考えもあるのか。
ん? 彼に会っても?
「カイルさまは、クリスと面識があるのですか?」
「まあ、とても親しいという訳じゃないけれど、彼は優秀だったからね。年下だけど、飛び級で学舎を卒業して、神学を修めるべく、大学に元服もしていない少年が入って来たので興味を持ってね。何度か、お互いの学識を闘わせたこともあるんだ。向こうがわたしを親しい学友と認識してくれているかは訊いてみたことはないがね」
「あ、それは大丈夫じゃないでしょうか。クリスは人付き合いが上手いようで、実は当たり障りなく流すのが上手いだけですから、合わない人とは仲良くしません。お互いの知識を闘わせるくらい側にいたというのなら、カイルさまはクリスにとって、側に置ける大切な人だと言うことです。
少なくとも、語り合う価値のある人であることは認めていると思いますよ」
本当の事なので伝えたら、とても嬉しそうに、キラキラと微笑まれるのが、胸がきゅっとなるくらい素敵だった。イケメンって、微笑むだけで破壊力あるんだなぁ⋯⋯
テュバリス支部のギルドには、魔道士系の冒険者が多く登録されているらしい。
こちらでも、依頼票掲示板の上、天井近い高さに、成績優秀者の一覧があるけれど、半分は魔道士や錬金術士だった。
私達のギルドでは、ランクと登録名しか表示されていなかったけれど、ここでは、階級と登録名にあわせ、職階位と、貢献内容の種類まで書かれていた。探索系、護衛、魔術・技術発明発展、討伐など。
ウチでこれをされたら、私は恥ずかしくて見られなかったと思う。
「なぜ? どういう功績を残したか、胸を張って誇るべきだろう?」
カイルさまには不思議らしい。私は、言えないけど条件付き階級だし、戦闘はフィルタさん達に丸投げしたし、お祖母ちゃんの杖とチルちゃん達のおかげで解決できただけだからだ。
なにせ、私の職階位【遊び人】はLv1のままなのだから。
「あまり誉められた事じゃないので。自分で成し遂げたというより、アイテムや妖精達と仲間の助けで解決できたようなものですから」
「それは当然の事と思うよ。どういう手段を取るかは人それぞれ、持った能力によるだろう? 君は、アイテムを使いこなす才能があり、妖精やパーティメンバーと助け合って解決するのは、役割分担であって、どんな事であっても、普通の事じゃないかな」
「どんな事であっても、普通⋯⋯」
「誰だって、一人では生きていけない。助け合うのは、人と共に生きることは、当然の事じゃないかい?
何も、仲間を顎で使って手柄を独り占めしたとか、無理やりやらせている訳じゃないだろう?」
「はい。みなさん、快く手助けしてくださいます」
「そういう事だよ。君だって、クリスが困っていたら、出し惜しみしないで快く手を貸すだろう?」
「はい。勿論です。クリスは中々助けてくれって口にするのが苦手みたいで、こっちが気をつけてあげないとすぐ無理をするんで⋯⋯ハッ あ、あの、これも聴かなかったことに⋯⋯」
「ふふ。彼に会っても言わないよ。わかったかい? まわりの人が手を貸してくれる。その絆や人徳も、君の能力の一つじゃないかな?」
そういう考えもあるのか。
ん? 彼に会っても?
「カイルさまは、クリスと面識があるのですか?」
「まあ、とても親しいという訳じゃないけれど、彼は優秀だったからね。年下だけど、飛び級で学舎を卒業して、神学を修めるべく、大学に元服もしていない少年が入って来たので興味を持ってね。何度か、お互いの学識を闘わせたこともあるんだ。向こうがわたしを親しい学友と認識してくれているかは訊いてみたことはないがね」
「あ、それは大丈夫じゃないでしょうか。クリスは人付き合いが上手いようで、実は当たり障りなく流すのが上手いだけですから、合わない人とは仲良くしません。お互いの知識を闘わせるくらい側にいたというのなら、カイルさまはクリスにとって、側に置ける大切な人だと言うことです。
少なくとも、語り合う価値のある人であることは認めていると思いますよ」
本当の事なので伝えたら、とても嬉しそうに、キラキラと微笑まれるのが、胸がきゅっとなるくらい素敵だった。イケメンって、微笑むだけで破壊力あるんだなぁ⋯⋯
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